【J1・広島】試合の見どころ J1リーグ第34節 vs.鹿島アントラーズ
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試合の見どころ
沢田体制初戦から、ハードな戦いは必至だ。Jリーグトップのタイトル獲得数を誇る鹿島は今季も伝統である“強度の強さ”をベースにゲームを展開している。どのポジションの選手も相手に対して激しく、厳しくプレスをかける守備でボールを奪い、攻撃に移ればスピーディーに相手ゴールへ迫る。特に2-1で勝利した前節・FC東京戦はまさに“鹿島らしい”戦いだった。相手にボールを保持される中でもハードな守備をベースに忍耐強く守り、セットプレーで先制点を奪うと、相手が前がかりになった隙を突いて追加点を奪った。やはり、どんな展開になろうとも“勝利”のための戦いを徹底するのが鹿島であり、セットプレーやカウンターは十八番である。少しの隙をも逃さないのが、常勝軍団と言われる鹿島の強さだ。
そんな強敵に沢田新体制の広島はいかに勝点3を奪うか。相手の特長を踏まえた上で、指揮官は戦略を語る。「相手は全体的にアグレッシブにくると思うが、そのアグレッシブさをいかに逆手にとって、ひっくり返せるか。難しい部分はたくさんある。そこをみんなで協力したら、決してできないことではない。それを求めたい。そうすれば、チャンスは自ずと出てくると思っている」。もちろん、素早い攻守の切り替えや球際での攻防など基本となる部分でも鹿島に負けられないが、相手のアグレッシブさを冷静にいなす戦いも必要となる。トレーニングでも指揮官は鹿島の戦い方を選手へ意識させつつ、その攻略法も落とし込みながら準備を進めた。その成果を発揮し続けられるかが、勝利へのポイントだ。
「ファミリーの方々に挨拶をしないまま、監督になっている。できれば、良い結果の元、挨拶できたらと思っている」(沢田監督)。残り5試合で訪れた“初陣”。笑顔で報告ができるよう紫軍団は鹿島を全力で倒しに行く。
沢田謙太郎監督試合前日コメント
「ここでは良い時間もあれば、悔しい時間もあったり、いろんな時間を過ごしてきた。コーチとしては昨年から戻ってきてはいたが、監督となると立場が変わってくる。(明日の)その場になったら、いろいろと盛り上がってくることもあるかもしれない。ただ、監督である今もコーチ時代もやることは変わるとはいえ、スタンスは変わらない。自分の姿勢や選手と一緒に戦うこと、話すことなどは変わらずにできたらと思っている。『わざと変わらない』とか『わざと変えよう』とかはなく、自然と盛り上がってくるところはあると思う」
---城福浩監督が退任されてからの1週間は短かったか?
「スタートした瞬間は『まだいっぱいあるな』と思ったが、私の奥さんとも話したら『すぐに来たね』と。今、思えば、本当に短かった」
---準備期間の間にやりたいことはできたか?
「ここから新たなことをやろうということはない。新しい練習や新しい方法を求めることはない。ただ、うまくなることや強くなることに上限はない。いつもいつも上がっていける。そのためにもっともっとやりたいといつも思っている」
---明日は多くのファミリーが来てくれると思うが、勝利でスタートしたいのでは?
「ファミリーの方々に挨拶をしないまま、監督になっている。できれば、良い結果の元、挨拶できたらと思っている。ただ、相手もいること。そんな簡単な勝負ではやはりつまらない。本当に厳しいリーグだと思っている。その中で一つでも勝つために必要なプレー、その積み重ねで勝つチャンスが増えると思っている。でもピンチもある。ピンチもやはり摘まないといけない。その連続をみんなで協力して選手同士がサポートし合いながらやってくれたら良い試合になると思う。良い試合になれば、勝つ可能性がどんどん高くなってくると思う。それをピッチサイドで一番近いところで私はサポートできる。やり続けたい」
---鹿島は強度の高いプレーが特長であり、さらに今はイキの良い上田綺世選手や荒木遼太郎選手は要注意だが?
「前回対戦では荒木遼太郎にバイタルエリアを走られて点を取られた。それは土居聖真でも同じようにやってくると思っている。そこはケアしないといけない。上田綺世はやはり体も強いし、クロスへの入りや裏への抜け出しもある。ただ、そこは我々の経験のあるDFも中盤の選手も頭には入っている。その中での勝負。すべて勝つことは難しいかもしれないが、一人が負けた時にそこをカバーできるようなチームになりたい。相手は全体的にアグレッシブにくると思うが、そのアグレッシブさをいかに逆手にとって、ひっくり返せるか。難しい部分はたくさんある。そこをみんなで協力したら、決してできないことではない。それを求めたい。そうすれば、チャンスは自ずと出てくると思っている」
---選手は監督交代から切り替えてやっていると思うが、表情やプレーは?
「意欲的にやってくれているのが十分に分かる。その意欲的な中でケガもなかったので安堵している。これを続けていったら、選手はうまくなる、強くなると思っている。そのために体やメンタルの準備をする姿を見ると嬉しく思う。あと私たちができることは、その力を明日の試合、これからの試合でどれだけ出させることができるか。サポートすることしかできない。意欲的な姿は間近で見ていて、本当に選手たちは『うまいな』『すごいな』と思っている」
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