選手自らプロデュース! 沖悠哉と荒木遼太郎のこだわりと思い。商品開発のウラ側とは。【未来へのキセキ-EPISODE 10】

鹿島アントラーズ
チーム・協会

【©KASHIMA ANTLERS】

「ん〜、自分の写真を大きく出したくないんですよね。どう表現するのがいいか……。キックモーションなんてどうですか?」

 シンプルだが、思いはたくさん詰まっていた。

 始まりは今年4月末のこと。クラブのグッズ担当が選手プロデュースを企画し、どの選手でスタートするか検討していた。まず候補に挙がったのが、ホームタウンの鹿嶋市出身でゴールキーパーとして活躍する沖悠哉。スクールから鹿島アントラーズ一筋、地域から愛され、応援される選手として広く知ってもらいたい。そして、スタッフの気持ちだけでなく、選手がグッズを通じて自らの思いを込め、新型コロナウイルス感染症拡大以降、なかなかできないファン・サポーターとの交流を、違った形で深めていく。選手プロデュースグッズには、そんな狙いがあった。

 沖自身、最初は迷いがあったという。

「話をもらったときは、僕でいいんですかという思いでした。ただ、ファンクラブ会報誌のFREAKSは小さいときから読んでいたし、僕を目指してくれているアカデミーのみんなも読んでくれているはず。憧れの存在になれればという思いと、せっかくやるならファンの方に喜んでもらえるものを作りたいし、クラブにも売上で貢献したいと思ったんです」

 練習の合間をぬって、担当者と企画会議を重ねた。何気ない会話をしながら、趣味嗜好をもとに方向性を定めていき、最後はシンプルなTシャツにたどり着いた。

「普段着ているのが白いTシャツ。派手なものは着ないのでワンポイントがいいかな」

 裾には一筆書きの刺繍がアクセントとなる。キックフォームとともに、「step by step」の文字を添えた。

「いつも練習で自分に言い聞かせている言葉が『日々成長』です。それを英語で表現するのはどうですか?」
 調べると、偶然にもマイケル・ジョーダンさんの名言の一つでもあった。刺繍の色は好きな紺とクラブカラーの赤。「納得の出来」に仕上がった。

 結果もついてきた。同じ種類の通常商品の2〜3倍にあたる500枚を完売した。

「いいものができた自信はありました。でも、売れるかどうかは別問題。そこが一番の不安だったんですが、完売と聞いて本当にうれしかったです」

 沖悠哉の思いが届いた。

【©KASHIMA ANTLERS】

 グッズ担当と沖の企画会議中、たまたまかたわらを通りかかったのが荒木遼太郎。沖プロデュースグッズの出来映えを見て、自然と口にした。

「可愛い! 僕もやりたいです!」

 先輩の沖から「俺のはパクるなよ!」といじられながら、荒木のプロデュースグッズ制作が決まった。

 沖と同様、企画会議に自ら参加し、「ちょうどスマホケースを探していたので、プロデュースしてみたいです!」と商品を決めた。デザインは最近のトレンドを参考にしながら、自らのキックフォームをイラストにしてボールを蹴っているかのように見せるデザインに惹かれた。スタッフが用意した自身のプレー写真20枚のなかから、荒木自身が1枚を選定。その後にデザイン5種を作成し検討を重ねた。

「めっちゃ可愛いです!」

 決めるのは、いつも早かった。「直感で決めるタイプですね。あまり悩むこともないんです」と、迷わずどんどん候補のなかから選んでいった。

 もう一つ、沖プロデュースグッズのイラストを見て、荒木は気に入っていたイラストがあったことを思い出した。「LIXIL×SPORTSのイラストがいつも可愛いと思っていたんですよね」。グッズ担当者がクラブオフィシャルパートナーのLIXILへすぐに確認すると、LIXIL×SPORTSのイラストを描く漫画家の千田純生さんは快諾。まず、鉛筆画が届いた。

「え、めっちゃ可愛いです! 書いてくれるなんて思ってもいなかったです(笑)」

 本人お気に入りのオリジナルイラストは、グッズに落とし込まれた。まずはユニフォーム。

「試合のときはいつもスタンドで自分のユニフォームをよく目にするんですが、やっぱりテンション上がりますよね。このユニフォームを着て応援してほしい」

 千田純生さんオリジナルイラストはクッション、アラキーホルダーとしても販売。月間でクラブ全体2位の売り上げを上げた。特に二十代の女性層に好評を博し、これまでグッズを購入したことがない新規登録での購入者も目立った。

【©KASHIMA ANTLERS】

 同時進行で進めていたキックフォームイラストのスマホケースは、第二弾商品として販売。定番のソフトケースとハードケース、さらに「最近、流行っているんです」と鏡代わりになるケースも追加し、計3種を展開した。

 また、明日10月11日(月)まで発売中の第二弾商品のなかには、Tシャツとパーカーもラインナップ。「もともと黒が好きでよく着ている」と、こだわりのデザインに仕上げた。

「シンプルにワンポイントとして胸に入れてもらいました。実物を見てめっちゃ可愛いと思って。これいいですよね。Tシャツとパーカーは僕の好きな黒色で、ワンポイントのデザインが入っています。普段使いしやすく、着心地もよくこれからの季節にピッタリ。僕は少し大き目のサイズでダボっと着ようと思っています。ぜひ、僕とおそろいで着てください!」

 選手の思いがグッズを通して、ファン・サポーターとの新たなコミュニケーションの形になろうとしている。「着たり使っているところをぜひSNSでアップしてほしい」(沖、荒木)。クラブハウスでは一般の練習見学ができない状況が続き、試合観戦にも動員制限がある。そんななか、選手もグッズプロデュースという新たなコミュニケーションを楽しんでいる。

 ファン・サポーターへの思いを込め、新たな愛されるカタチを目指して。

荒木選手より動画メッセージは下記動画をご覧ください!マル秘ゲストも登場!

荒木選手プロデュースグッズは10/11(月)まで受付中!ご購入は下記関連リンクから!

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著者プロフィール

1991年10月、地元5自治体43企業の出資を経て、茨城県鹿島町(現鹿嶋市)に鹿島アントラーズFCが誕生。鹿角を意味する「アントラーズ」というクラブ名は、地域を代表する鹿島神宮の神鹿にちなみ、茨城県の“いばら”をイメージしている。本拠地は茨城県立カシマサッカースタジアム。2000年に国内主要タイトル3冠、2007~2009年にJ1リーグ史上初の3連覇、2018年にAFCアジアチャンピオンズリーグ初優勝を果たすなど、これまでにJリーグクラブ最多となる主要タイトル20冠を獲得している。

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