【J1・広島】試合の見どころ J1リーグ第31節 vs.名古屋グランパス

サンフレッチェ広島
チーム・協会

【©2021 S.FC】

試合の見どころ

 今季の行方を占う勝負の秋だ。9月の5試合を2勝1分2敗で終えた広島は、ちょうど中間地点の10位に位置し、ここからラストに向けて一つでも順位を上げたいところ。前節は敵地で札幌を2-0で下すなど、ここ最近は内容と結果が伴ってきた。リーグ戦は残り7試合。今季まだ一度しかない“連勝”の達成を含めて、勝ち続けるのみだ。
 ただし、今回の相手も強敵である。ホームに迎えるのは、3位・名古屋。リーグ戦は川崎Fが独走状態となっているため、ほぼ優勝の芽はなくなってしまっているが、その他の大会であるルヴァンカップ、天皇杯、ACLとすべてにタイトルの可能性を残しているのは名古屋のみだ。リーグ戦でも来季のACL出場圏の順位をキープしていることを考えれば、やはり勝負強さは健在。それも納得の戦力は十分に揃っている。
「Jリーグの中で(選手層は)突出している」。そう城福浩監督も話すとおり、前線の顔ぶれはJトップと言っていい。実績十分な齋藤学や阿部浩之でさえなかなかベンチ入りできない層の厚さを誇る攻撃陣には柿谷曜一朗や前田直輝、相馬勇紀、マテウス、ガブリエル・シャビエルといった豪華な名前がズラリと並び、一時は不足していた1トップでもケガによる長期離脱から復帰した金崎夢生に加え、7月には現役ポーランド代表FWのシュヴィルツォクを獲得した。特にこのストライカーには注意が必要であり、184cm、86kgの強靭な体躯を武器にすでにリーグ戦8試合の出場で3得点を挙げるだけでなく、ACLラウンド16では大邱FCを相手にハットトリックを達成してチームの8強進出に貢献。強烈なシュートもそうだが、鋭い抜け出しや力強いポストプレーも備えており、まさに力はワールドクラスだ。元々備えていた豪華絢爛なアタッカー陣のスピーディーなカウンターに加え、シュヴィルツォクの個も確実に封じなければならない。
 その上で、広島はいかにリーグ随一の“堅守”を攻略するかだ。守備の柱である丸山祐市がケガで離脱中なのに加え、前節はキム・ミンテも負傷離脱するアクシデントに見舞われた名古屋だが、大分相手に得意の“ウノゼロ”で勝利し、今季19度目の無失点試合というJ1新記録を更新した。「2トップを含めた4人で攻め切るのと、6人で守り切る分業制の分担が物凄くハッキリしている」(城福監督)と言うボランチ・稲垣祥を筆頭とした中盤と最終ラインの組織は堅く、打ち破るのは当然ながら簡単ではない。名古屋のカウンターは脅威ではあるが、広島としてはやはり「我々らしく押し込んだ後にボールを回収していくことを目指したい」と指揮官が語る“攻守で主導権を握るスタイル”を貫き、勝点3を奪いたいところだ。

城福浩監督試合前日コメント

---名古屋は堅守に加えて、カウンターも強烈だが?
「前線だけ見ても、シュヴィルツォク、金崎夢生、柿谷曜一朗、前田直輝がいる。選手層という意味では、リーグで一番だと思う。J1で実績を積んだ選手で言えば、齋藤学がなかなかメンバーに入れていない。Jリーグの中で(選手層は)突出していると思う。その中でシュヴィルツォクはタイプが違う。シュートに重さがある選手なので、そこは良さを出させないようにしないといけない」

---シュヴィルツォク選手には前を向かせないことも大事になる?
「彼の背負い方は外国籍選手特有のモノがある。ただ、我々の3バックは経験豊富なので、どういうモノが得意かはすぐ掴めると思う。彼はFKも蹴るし、こぼれ球の反応もある。また、彼は典型的なボックスプレーヤー。少し歩いて様子を見ているようなフリをしてスペースに動き出す鋭さは、やはりヨーロッパでやっていただけある。ポーランド代表選手でもあるので、そこは注意したい」

---名古屋の堅守を崩すには?
「相手のサイドハーフは献身的。かつ、2トップを含めた4人で攻め切るのと、6人で守り切る分業制の分担が物凄くハッキリしている。逆に言えば、我々は粘り強く押し込むような形でボールを持てば、彼らのカウンターの力も落ちると思う。我々らしく押し込んだ後にボールを回収していくことを目指したい。また、ボランチの守備力で言えば、そこに一番重きを置いているチーム。彼らをいかに無力化していくかは工夫していきたい」
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著者プロフィール

東洋工業(株)蹴球部として1938年に創部。1992年にサンフレッチェ広島と改称し、1993年の初年度からJリーグに参戦している。サンフレッチェの名称は、日本語の「三」とイタリア語の「フレッチェ=矢」を合わせたもの。広島にゆかりの深い戦国武将、毛利元就の故事に由来し、「三本の矢」を意味している。本拠地はエディオンスタジアム広島。2012年にJ1リーグを初制覇、2013年、2015年も優勝し、4年で3度のJ1リーグ制覇を果たした。2015年には、FIFAクラブワールドカップで3位になるなど、育成型クラブとして結果を残している。

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