【J1・広島】試合の見どころ J1リーグ第28節 vs.横浜F・マリノス

サンフレッチェ広島
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【©2021 S.FC】

試合の見どころ

 終盤戦に向けて、手応えを結果に変えたい一戦だ。上位争いを繰り広げるタレント軍団・神戸と戦った前節は、後半にハイネルが退場して10人になりながら、粘り強く戦い抜いて1-1のドロー。4-1で勝利した前々節・大分戦に続いての勝点3とはならなかったが、11人の時間帯では高い組織力をベースに神戸に決定機を作らせず、攻撃では主導権を握って攻め続ける充実した内容だった。「ここ数試合、勝点3の時も勝点1の時も勝点ゼロの時もあったが、我々が目指そうとしているものをやれているうちは、どことやってもやれる手応えは持っている」とは城福浩監督。下位に敗れることもあった今季だが、最近では川崎Fなど上位相手にも互角以上の戦いができている。この内容を勝利へ繋げ続けたいところだ。
 その意味でも今節は自信を付けるには絶好の相手となる。ホームに迎えるのは、現在のJ1で最も勢いに乗っている2位・横浜FM。前節は鹿島に0-2で敗れて今季3敗目を喫したが、それまでは7連勝を含む13戦無敗(11勝2分)という圧巻の強さを見せていた。現在の横浜FMの代名詞となっている“攻撃スタイル”の礎を築いたアンジェ・ポステコグルー監督が海外クラブを指揮するために6月限りで退任する激震に揺れた今季だが、同じオーストラリア人である後任のケビン・マスカット新監督は前任者のスタイルを踏襲。ハイプレス・ハイラインを軸に攻撃力のある戦いを示し続けている。
 選手の顔ぶれを見てもやはり強烈だ。12得点を挙げていた得点源のオナイウ阿道が海外クラブへ移籍したものの、浦和から187cmの大型ストライカー・杉本健勇を獲得し、ドイツのFCザンクトパウリからスピードスター・宮市亮も加わった。既存の戦力でもセンターFWのレオ・セアラは直近の4試合で6得点と大暴れしている他、チームトップの14得点を奪っている前田大然やマルコス・ジュニオール、エウベルなども好調だ。さらに仲川輝人や水沼宏太、天野純らも攻撃陣に控える豪華な陣容。前線4枚を2セット揃えられる横浜FMの選手層は神戸以上だろう。
 では、そんな相手を広島はいかに攻略していくか。横浜FMの攻撃力が高いからと言って「自分たちがオーガナイズして、相手にやらせないことだけに注力すると、我々としたらやりたくない展開にエネルギーを使うことが多いと思う」と城福監督は守備だけに注力する考えは毛頭ない。逆に「横浜FMは前からプレッシャーをかけてくるチームなので、我々がそこを剥がした時に前の3人が起点になってくれたら一気にスピードアップできる」(同監督)と、相手のウイークでもある最終ラインの背後を果敢に狙う考えだ。横浜FMのハイプレスはJトップクラスであり、剥がすのは簡単ではないが、潜り抜けた時は大きなチャンスでもある。あとは、そこを仕留めるのみ。強豪・横浜FMを破って、ラスト10へ弾みをつけたいところだ。
城福浩監督 試合前日コメント

城福浩監督試合前日コメント

---横浜FMの現状について。
「基本的に志向しているサッカーは変わらない。特にスプリントをして、相手の裏を取っていく。地上戦でそれをやり抜いてくる。スピードを生かしたカウンターは、セカンドボールを拾うというよりは、それを理詰めでやってくるのが横浜FMの強みだと思う。出どころを潰すことと走り負けないところは、ベースにしたい。自分たちも良いボールの運び方がができればチャンスはできると思っている」

---横浜FMはCB畠中槙之輔がケガで長期離脱となったが?
「どこも全員のメンバーが揃っているチームはないし、シーズンが進むにつれて何かしらのアクシデントがある中でチームの総合力が問われる。元々、横浜FMは、各ポジションに特長のある、実績のある選手が揃っている。(横浜FMの)ある程度のメンバーの予想はしているが、畠中がいないことでチームに何か決定的な影響を及ぼすかと言ったら、ほとんどないと思う」

---広島の前線3人に期待することは?
「横浜FMは前からプレッシャーをかけてくるチームなので、我々がそこを剥がした時に前の3人が起点になってくれたら一気にスピードアップできる。そこは、ポジションをうまく取るシーンもあれば、体を張るシーンもあると思う。特長をそれぞれ生かしてほしい。守備も自分たちがオーガナイズして、相手にやらせないことだけに注力すると、我々としたらやりたくない展開にエネルギーを使うことが多いと思う。自分たちらしく主導権を握るための守備、そのアクションを起こす前線の3人になってほしい」
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著者プロフィール

東洋工業(株)蹴球部として1938年に創部。1992年にサンフレッチェ広島と改称し、1993年の初年度からJリーグに参戦している。サンフレッチェの名称は、日本語の「三」とイタリア語の「フレッチェ=矢」を合わせたもの。広島にゆかりの深い戦国武将、毛利元就の故事に由来し、「三本の矢」を意味している。本拠地はエディオンスタジアム広島。2012年にJ1リーグを初制覇、2013年、2015年も優勝し、4年で3度のJ1リーグ制覇を果たした。2015年には、FIFAクラブワールドカップで3位になるなど、育成型クラブとして結果を残している。

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