【J1・広島】試合の見どころ J1リーグ第27節 vs.大分トリニータ

サンフレッチェ広島
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試合の見どころ

 広島にとって、一つの踏ん張りどころだ。敵地で戦った前節・浦和戦は前半の失点が最後まで重くのしかかり、0-1で敗戦。これで5試合連続で勝利のない(3分2敗)状況となった広島は順位も11位と少しずつ下に近付いてきている。課題となっている得点力不足もそうだが、5試合連続での失点が勝ち切れない一つの原因にもなっているだけに、「まずは失点ゼロの試合を90分やり切らないと、この苦しい状況を乗り切れない。全員でどうやってクリーンシートで終われるか。それは守備的に戦うことではないが、そこはもう一度、みんなで向き合いたい」(城福浩監督)。勝利に繋がるゴールはもちろん必要だが、まずは“無失点”でのゲーム運びが今の広島のポイントだ。
 停滞感を吹っ切る勝利が欲しい今節も決して簡単な戦いにはならないだろう。ホームに迎える相手は知将・片野坂知宏監督率いる大分。J1復帰3年目の今季、一時は7連敗を喫するなど苦しみ、現在は5試合勝利がなく(1分4敗)最下位に沈んでいるが、内容を見れば決してチーム状況は悪くない。前々節・札幌戦(1△1)、前節・神戸戦(1●3)と勝点3は奪えていないが、どちらもセットプレーで先制点を奪った他、その後もチャンスを作り出すなど、むしろ勝つチャンスは十分にあった。
「前節・神戸戦もそうだし、前々節・札幌戦も点を取って、2点目が入ってもおかしくない場面がいくつもあった。おそらく、どちらの試合も2-0になっていたら、大きく展開が変わっている。それぐらい、良い守備からのビッグチャンスは作れている。我々は大分のスコアだけを見たりすると、痛い目にあう」(城福浩監督)。
 就任6年目を迎えた片野坂監督が植え付けた最後尾から丁寧にビルドアップするスタイルはそのままに、前線からハードワークする組織的な守備も敵にしたら厄介だ。また、この夏に点取り屋の呉屋大翔や突破力のある増山朝陽を補強するなど、現在の順位とは裏腹に侮ることはできないチームである。
 お互いに中2日と同じ状況ではあるが、6試合ぶりの勝利に向けて広島はフレッシュな顔ぶれも入れつつ大分戦に臨むことになりそうだ。「人数的にも全員を替えるわけにはいかないが、暑い中でコンディションは大事な要素。スイッチを入れるところがフレッシュでないと、なかなか我々らしく試合を運べない。そこは大事にしたい」(城福監督)。無失点で試合を進めることもそうだが、やはり点を取るための攻撃的な守備をするためにも、アグレッシブにスイッチを入れられる選手が欠かせない。それがどの選手なのかはメンバー発表まで分からないが、機動力のある戦いで臨むことに変わりはない。大分撃破へ。広島は総力戦で勝利を掴みに行く。
城福浩監督 試合前日コメント

城福浩監督試合前日コメント

---中2日の連戦となるが。
「日程はみんな同じ。総力戦で戦うのみだし、その中でよりフレッシュかつ調子の良い選手を起用したい。人数的にも全員を替えるわけにはいかないが、暑い中でコンディションは大事な要素。また、スイッチを入れるところがフレッシュでないと、なかなか我々らしく試合を運べない。そこは大事にしたい」

---大分は最下位に苦しんでいるが、印象は?
「前節・神戸戦もそうだし、前々節・札幌戦も点を取って、2点目が入ってもおかしくない場面がいくつもあった。おそらく、どちらの試合も2-0になっていたら、大きく展開が変わっている。それぐらい、良い守備からのビッグチャンスは作れている。我々は大分のスコアだけを見たりすると、痛い目にあう」

---大分はセットプレーでも点を取っているが?
「結果的に得点パターンがセットプレーに偏っているという見方もできるが、実際にはGKと1対1になっている場面はいくつもある。タラ・レパを言わない監督だと思うが、ビッグチャンスを作り続けているこのほうが注意しないといけない。セットプレーは特に1本目、2本目にデザインしてくる中で、そこを忠実にみんながやってくる。注意しないといけない」

---前々節・川崎F戦や前節・浦和戦では前からの守備を意識していたが、大分戦での戦いについて。
「大分は稀に4バックもやっているし、少し変形の5バックもやっている。最近では2トップをやっているが、中盤の構成も三角形や逆三角形など変化をしてきている。我々としたら、『こうした時はこうしよう』ではなく、原則のところとして、プレッシャーに行ける時はいつなのか、行けない時にどうするべきなのか。戸惑った浦和戦の15分間ぐらいも、原則さえ誰かが踏襲していれば、失点はおそらく途中で防げた。戸惑ったと言っても、その前のいくつかの数シーンのところだった。そこは確認した。メンバー云々ではなく、全員がやってきたはず。ボールホルダーがヘッドアップしている時とヘッドダウンしている時にどういう共有ができるか」

---ボールを保持する試合ができている中で、あとはどうやってゴールへねじ込むか。
「浦和戦ではドウグラス(・ヴィエイラ)が入ってゴール前へ飛び込むようになった。あれをやりつつ、二人目、三人目がそのスペースをどう狙っていくか。あるいは、ボールを持っている選手が自信を持つこと。ペナルティーエリアの中で自分の特長を出し切るようなシーンを見せられると、もっと可能性が出てくると思う」
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著者プロフィール

東洋工業(株)蹴球部として1938年に創部。1992年にサンフレッチェ広島と改称し、1993年の初年度からJリーグに参戦している。サンフレッチェの名称は、日本語の「三」とイタリア語の「フレッチェ=矢」を合わせたもの。広島にゆかりの深い戦国武将、毛利元就の故事に由来し、「三本の矢」を意味している。本拠地はエディオンスタジアム広島。2012年にJ1リーグを初制覇、2013年、2015年も優勝し、4年で3度のJ1リーグ制覇を果たした。2015年には、FIFAクラブワールドカップで3位になるなど、育成型クラブとして結果を残している。

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