芦沢宗臣がしぶとくバーディーを重ね、8アンダー首位タイ

チーム・協会

【©PGA】

第88回日本プロゴルフ選手権大会 第2ラウンド

 
 通算5アンダー・2位タイでアウトコースからスタートした芦沢宗臣、26歳は、2番パー4ホールで躓いてしまった。ピンまで109ヤードの2打目を左に引っ掛け、3打目のラフからのアプローチショットを寄せ切れず、ボギーにしてしまったのだ。

 「出だしから、流れがあまり良くないな」と感じる。

 それでも次ホールからはしぶとくパーセーブし続けた。6番パー4ホール。ピンまで残り130ヤードの2打目を「外してはいけないエリアに打ってしまいましたが、10ヤードほどの寄せ(3打目)がチップインして良かったです」

 このバーディーで流れが一気に良くなった。7番ホールで8メートル、9番ホールでは1メートルのバーディーパットを決める。10番パー4ホールで3パットのボギーを打ってしまうが、15番ホールで再びチップインバーディーを決め、16番パー3ホールでは5メートルのバーディーパットをねじ込んだ。スコアを通算8アンダーにまで伸ばせた。

 芦沢はスコア速報版で自分の順位を確認した。自分の名が最上段に掲げられている。首位タイ。17番パー4ホールをパーとして迎えた最終18番パー4ホール。ティーショットでフェアウエイを確実にキャッチする。グリーン左サイドのピンまで残り160ヤード。9番アイアンを選択し、ドローボールでピンに絡めるショットをイメージした。バーディー奪取で単独首位に立てるチャンス。

 大会2日目にして早くもアドレナリンが出たとは「思いたくありません。単に力が入ってしまっただけです」と芦沢は苦笑い。

 ボールはグリーン左奥のエッジとラフの境目に転がり落ちた。ボールの真後ろにはメジャー大会ならでは長い芝草があった。決してやさしいアプローチショットではない。スピンを効かせたショットが打ちづらい。それでも、ピン3メートルに寄せ切った。そして芦沢はそのパーパットをねじ込むと右手拳で地面を何度も叩くような力強いガッツポーズを取ったのだった。

【©PGA】

 大阪府で生まれ育った芦沢はPGAティーチングプロである父・和久から本格的にゴルフの手ほどきを受けたのは小学4年生の時だった。同志社大学ゴルフ部時代には関西アマチュア選手権2位、日本学生ゴルフ選手権5位などの戦績を残している。2016年にプロ転向した。本大会には昨20年の最終予選会34位に入ったことで出場している。
 
 今年はツアー出場予選会に失敗していたことから、本大会に照準を絞って来た。前週のAbemaTVツアー大山どりカップでは5位タイとなり、その好調さも持続させている観もある。

 「ロングヒッターではなく、アイアンショットでバーディーチャンスを作っていくタイプです。ティーショットでフェアウエイをキープできているのが、好スコアにつながっていると思います」

 ツアーで首位に立ちながらも謙虚な話しぶりが、その人柄を表している。
 
 リーダーズボードの左サイド最上段にその名を掲げ、この日みせた18番グリーンでのガッツポーズを36ホール後も再現したい。

【©PGA】

  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

PGAはゴルフの正しい普及と発展を願い、誰にでも愛される「国民のスポーツ」「生涯スポーツ」となるため、日本ゴルフ界のリーダーとして活動しています。PGAの使命は、トーナメントプレーヤーの育成、ゴルフ大会の開催・運営に加え、ゴルフの正しい普及と発展を具現化するために、ティーチングプロ資格を付与したゴルフ指導者を育成しています。さらにPGAでは幅広い分野で積極的な取り組みを行い、地域に密着した社会貢献活動、ジュニアゴルファーの育成など多方面にわたる取り組みを日々歩み続けています。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント