【J1・広島】試合の見どころ J1リーグ第18節 vs.柏

サンフレッチェ広島
チーム・協会

【©2021 S.FC】

試合の見どころ

 サンフレッチェの真価が問われる戦いだ。16日(水)の天皇杯2回戦・おこしやす京都AC戦はまさに屈辱的なゲームとなった。カテゴリーが4つも下である関西リーグ1部所属のクラブに1-5というまさかの大敗。主力組を温存していたとはいえ、アマチュアクラブ相手に5失点での敗戦はプロとしてのプライドが打ち砕かれるだけでなく、応援してくださる方々を失望させてしまう不甲斐ない戦いだった。全国的に不名誉な敗戦と印象付けられた16日の一戦から、今節の広島はどう立ち直った姿を見せられるか。「我々に残されたのはもうJリーグしかない。我々が何を見せられるかというところが本当に大事になる」(城福浩監督)。チーム全員の意地が求められている。
 もっとも、負けられないのは相手の柏レイソルも同様だ。2011年にJ1制覇へ導いた実績を持つ名将・ネルシーニョ監督率いる強豪は、今季ここまで4勝2分11敗と大苦戦。順位もJ2降格圏の17位と苦しみ、現在はリーグ戦6試合連続で勝利がない(1分5敗)状況だ。3週間の中断期間を終えて迎える今節は、そこから這い上がるべく気持ちを新たに仕切り直してくるのは必至であり、中断期でチームの修正も施しているはずだ。「なかなか読みづらい」と城福監督も警戒するレイソルのメンバー&システムも含めて、難しい戦いになるのは間違いない。
 また、今は下位に沈んでいるとは言え、「日本人もそうだが、外国籍選手も相当実績のあるメンバーが揃っている」(城福監督)。昨季のリーグMVPである点取り屋・オルンガが移籍したのが大きな痛手になっているが、他には驚異的なシュート力を備えるクリスティアーノをはじめ、ヒシャルジソン、アンジェロッティ、ドッジなど力のあるブラジル人が揃っている。日本人も万能型アタッカーの江坂任を筆頭に質は高く、各ポジションにタレントはいる。元々、地力のあるチームなだけに、武器であるカウンターを含めた対処を広島は怠ることはできない。
「これまで取り組んできたものもあれば、中断期に新たにトライしているものもある。とにかく、そこを研ぎ澄まして、良いレベルを見せたい。メンタル的には、ここでやらないはずがない状況。そこは心配していない」と城福監督。レイソル戦は天皇杯で示せなかった“積み上げ”を披露して勝利を掴むことが再起への一歩となる。京都AC戦での汚名を晴らせるのは、まさに自分たちだけだ。

城福浩監督試合前日コメント

---柏レイソルの現状について。
「なかなか読みづらいと思っている。立ち位置もいろんなバリエーションを持っているし、相手に合わせる手法を取る監督。前半と後半で立ち位置やメンバーを変えてきたりもする。これをどう読むかというのはあるが、基本的に人を掴みにくる守備をするので、そこを我々はうまく突ければと思う。逆に言えば、そこでうまくハメられてしまえば、相手のカウンターは非常にクオリティーが高い。そこは気を付けたい」

---なかなか相手はリーグ戦で勝てていない状況だが?
「日本人もそうだが、外国籍選手も相当実績のあるメンバーが揃っている。コロナ禍というのもあるが、(新外国籍選手は)日本のサッカーやリズムにアジャストするのに、おそらく時間がかかったと思う。中断期やあるいは合流してから時間が経てば経つほど、チームの要求を理解するし、日本のサッカーにも慣れてくる。そういう意味では、実績十分の外国籍選手の力は非常に脅威。各ポジションにいるので、そこは気を付けないといけない」

---クリスティアーノも脅威だが?
「彼の一振りは強烈。ブレ球だけでなく、落とすようなボールも蹴れるし、彼に自由にクロスやシュートを打たせると本当に危ない。そこはチーム全員でコンパクトに守れるようにしたい」

---相手を警戒しつつも、広島はどのように戦っていくか?
「これまで取り組んできたものもあれば、中断期に新たにトライしているものもある。選手は今日もそこをよく表現してくれたと思う。とにかく、そこを研ぎ澄まして、良いレベルを見せたい。メンタル的には、ここでやらないはずがない状況。そこは心配していない。もちろんクオリティーを目指さないと結果も付いてこないので、ビルドアップのところもそうだが、特にゴール前は意思統一を含めてクオリティーを高めてより良いシーンを多く作りたい」

---明日の試合は懸けるものがあるのでは?
「チームの今年の目標としてタイトルを獲るという意味では、もう二つ失ってしまった。残りはリーグ戦しかないし、どのステージで戦うかという意味でも負けられない状況。(最近は)ホームでも勝っていない。天皇杯の負け方云々は別としてもリーグ戦を考えたら、我々は勝点3を積み上げていくのみ。今、どんなメンタリティーを見せるかチーム全員が問われている」
  • 前へ
  • 1
  • 次へ

1/1ページ

著者プロフィール

東洋工業(株)蹴球部として1938年に創部。1992年にサンフレッチェ広島と改称し、1993年の初年度からJリーグに参戦している。サンフレッチェの名称は、日本語の「三」とイタリア語の「フレッチェ=矢」を合わせたもの。広島にゆかりの深い戦国武将、毛利元就の故事に由来し、「三本の矢」を意味している。本拠地はエディオンスタジアム広島。2012年にJ1リーグを初制覇、2013年、2015年も優勝し、4年で3度のJ1リーグ制覇を果たした。2015年には、FIFAクラブワールドカップで3位になるなど、育成型クラブとして結果を残している。

新着記事

編集部ピックアップ

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着コラム

コラム一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント