【J1・広島】試合の見どころ J1リーグ第16節 vs.浦和

サンフレッチェ広島
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試合の見どころ

 勢いをつける戦いだ。公式戦2連敗の中で臨んだ前節・C大阪戦では、今季取り組んできた4バックスタイルから昨季まで慣れ親しんだ[3-4-2-1]システムへ変更すると、序盤から攻守で安定した戦いを見せて2-1で勝利。「4バックで目指したモノがあり、ここで変えたというのは『何かを諦めた』とか、『これじゃできなかったんだ』と我々は思いたくない。その思いは強いと思う。だからこそ、システムに関係なく『我々がやろうとしているサッカーをやるんだ』という精神的な思いをみんな持ってC大阪戦のピッチに立ってくれたと思う」(城福浩監督)。システムを変更したからと言って、広島が目指す戦いは変わらない。自分たちからアクションを起こしていく前線からの鋭いプレスや組織的な堅い守り、連係・連動を駆使した相手の隙を突いていく攻撃など、4バックの時から積み上げてきたスタイルを今後も続けるだけだ。
 2連勝を目指す今節、C大阪戦で掴んだ自信をぶつけるにはもってこいの相手だ。ホームに迎えるのは、現在リーグ戦3連勝中と勢いに乗る浦和。昨季までの4年間指揮を執った徳島でJ1昇格を果たしたスペイン人の知将・リカルド・ロドリゲス監督を迎えた今季、序盤の6試合こそ1勝2分3敗と苦戦が続いたが、第7節からの3連勝を皮切りに、直近の9試合は7勝2敗と大きく持ち直した。
 そのスタイルは、スペインの指揮官らしく後方からボールを保持するアクションスタイルだが、「最終ラインの4枚やボランチで何とか防ぎ切った後、ボールを繋ぐところもそうだが、意外と裏に抜けてそこにボールを入れてくる。そこからサイドハーフのスピードを生かしてくる形を持っている」(城福監督)。槙野智章&岩波拓也のCBやボランチ・阿部勇樹らの守備の能力は相変わらず高く、そこから攻撃に移った際にもサイドMFには汰木康也や田中達也という個で打開できる強力なアタッカーがいる。そして得点源は何と言ってもデンマーク人のキャスパー・ユンカーである。186cmの大型ストライカーは、5月9日のJ1デビュー戦から3試合連続ゴール中で4得点。高さあり、強さあり、左足のシュートありと万能型で、彼が出場した3試合で3連勝中とまさに好調・浦和をけん引する働きを見せている。高い実力に加えて、勢いもある浦和との対戦は、広島の一つの試金石だ。
 サンフレッチェにとっては、17連戦の16試合目。大型連戦も終盤を迎え、疲労も溜まっている中での強豪との戦いとなるが「個のレベルは高いが、我々は自分たちのやろうとしていることにエネルギーを注力したい」と指揮官。もちろん、相手の特長は頭に入れて試合に臨むが、自分たちのスタイルを発揮して勝利を目指す姿勢に変わりはない。ここで浦和を倒し、チームとしてさらなる自信を手に入れたいところだ。

城福浩監督試合前日コメント

---勝点3を取った後はやはりチームの雰囲気は良いのでは?
「自分たちは結果に左右されない準備と空気を作る努力はするが、勝点3に勝るモノはない。もちろん、明日は15連戦をやった中での中2日の試合なので、最初の2、3試合目の後の中2日とは訳が違うと思っている。ただ、我々はこの日程が組まれた時から全員で準備していく覚悟は言っていた。彼らであれば、やってくれると思う」

---システムを変えて臨んだC大阪戦について。
「[3-4-3]システムという表現を使わせてもらうと、戦術的な面ではプレーするエリアやタスクがハッキリはする。ハッキリはしている分、窮屈に感じながらやるか、ハッキリしている中でアイディアを持って大胆にやるか。私は後者のメンタルを持ってやろうと。それこそが楽しいではないかという思いで臨んだ。そういう意味では、可変(システム)に見えたと思う。4バックでやった横ズレや縦ズレについても元々ポジションがフレキシブルでないとあんな縦ズレはできない。そこは4バックでやってきたからこそ、どのタイミングで横ズレや縦ズレをやれば効果的かをみんなが声をかけながらやれたと思う。もう一つは、選手と話したわけではないが、4バックで目指したモノがあり、ここで変えたというのは『何かを諦めた』とか、『これじゃできなかったんだ』と我々は思いたくない。その思いは強いと思う。だからこそ、システムに関係なく『我々がやろうとしているサッカーをやるんだ』という精神的な思いをみんな持ってC大阪戦のピッチに立ってくれたと思う」

---浦和は調子を上げてきているが?
「コンディション的に我々より良いのは間違いない。今は失点もせずに3試合勝っている。そういう意味では、ノビノビと今年目指しているものでやってくると思う。ただ、個のレベルは高いが、我々は自分たちのやろうとしていることにエネルギーを注力したい」

---浦和の新戦力ストライカーであるキャスパー・ユンカー選手について。
「(ゴール前に)入っていく形は持っているし、ヘディングもそうだが、左足での形もある。そこはマークするCBなどが注意しないといけないし、そこにボールを供給するシチュエーションは気を付けないといけない。ただ、そこを特に意識して何かを変えることではない」

---浦和の崩すポイントは?
「一見、ゴール前まで行けているように見えても、やはり個のレベルが高いので防ぎ切るところがある。最終ラインの4枚やボランチで何とか防ぎ切った後、ボールを繋ぐところもそうだが、意外と裏に抜けてそこにボールを入れてくる。そこからサイドハーフのスピードを生かしてくる形を持っている。自分たちがボールを握っているから自分たちのペースというよりは、やはり最後はゴールマウスを割るところまで行かないといけない。おそらく、ここ何試合か浦和と対戦したチームは、攻めていていつかは点を取れるという感触を持ったと思う。直近の神戸もそう。ただ、気が付いたら浦和に点を取られて負けたというような、そういうゴール前の粘り強さ、そこから選手交代を含めて持ち直していく力は持っていると思う」
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著者プロフィール

東洋工業(株)蹴球部として1938年に創部。1992年にサンフレッチェ広島と改称し、1993年の初年度からJリーグに参戦している。サンフレッチェの名称は、日本語の「三」とイタリア語の「フレッチェ=矢」を合わせたもの。広島にゆかりの深い戦国武将、毛利元就の故事に由来し、「三本の矢」を意味している。本拠地はエディオンスタジアム広島。2012年にJ1リーグを初制覇、2013年、2015年も優勝し、4年で3度のJ1リーグ制覇を果たした。2015年には、FIFAクラブワールドカップで3位になるなど、育成型クラブとして結果を残している。

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