【J1・広島】試合の見どころ J1リーグ第14節 vs.徳島

サンフレッチェ広島
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【©2021 S.FC】

試合の見どころ

 上昇への流れに乗りたい一戦だ。6試合連続で勝利がない(2分4敗)状況で戦った前節・G大阪戦は、堅い守備組織をベースに攻守でまとまりのある内容を見せて2-1で撃破。「我々の望むステージでリーグ戦を戦うために、何かミラクルレシピがあるわけではない。やってきたことをさらに研ぎ澄ましていくことを確認して送り出した」と城福浩監督が語ったように、これまで積み上げてきたことの徹底が7試合ぶりの勝利に繋がった。0-0の引き分けに終わったものの前々節・鳥栖戦から原点である“堅守”は取り戻しつつあり、この戦いを継続してここから再浮上していきたいところだ。
 2連勝を目指す今節、今回もなかなか厄介な敵との対戦となる。ホームに迎える相手は昇格組の徳島。2014年以来のJ1を戦っている相手は、ここまでリーグ戦4勝2分8敗で現在は4連敗中と負けが続いているが、「自分たちがJ2の時から貫いてきたことをJ1でも臆することなく表現しようとしている。その中でより現実的な手法も使ってきている。外国籍選手を含めて、それを具現化できる能力を持った選手がいる」(城福監督)。J2時代から培っている後方からのパスサッカーをJ1でも貫き、ボールポゼッション率はリーグでも屈指だ。前節・札幌戦も1-2で敗れたとはいえ、先制して試合を優位に進めるなど勝点を取っていてもおかしくなかった。
 個々の選手に目を向けても、すでに5得点を挙げている20歳の宮代大聖や23歳の垣田裕暉といった若くてイキの良いストライカーに加え、イタリアの年代別代表経験のあるクリスティアン・バトッキオという質の高いパサーもいる。さらに札幌戦では、最終ライン4人の内3枚を外国籍選手が務めた。186cmのCBドゥシャンと183cmの左SBジエゴ、そして前節がJデビューとなった新加入のCBカカは187cmと上背に加えて身体能力も高く、3人の外国籍選手が並ぶ徳島DF陣を攻略するのは決して簡単ではない。
 広島の勝利のポイントは前節からの継続に加えて、やはり“総力戦”だ。今節は17連戦の13試合目。さらに徳島が5日間の間隔が空いたのに対し、広島は中2日と日程面で明らかに不利だが、もう試合は決まっている以上、嘆いてばかりもいられない。「ルヴァンカップも合わせると20チームでずっと連戦でやっているのは我々だけというのは分かっていたこと。20分の1になったのは、むしろ自分たちが“持っているな”と思ってやるしかない」と前を向く指揮官は、2連勝を掴んで上昇への空気に変えたい思いを強くしている。「今、空気を変える時だと思っている。自分たちの目指すステージで戦うのは諦めていないので、明日の試合は本当に勝点3を取りたい」。徳島撃破へ。ここから広島の反撃は始まる。

城福浩監督試合前日コメント

---徳島の印象は?
「自分たちがJ2の時から貫いてきたことをJ1でも臆することなく表現しようとしている。その中でより現実的な手法も使ってきている。外国籍選手を含めて、それを具現化できる能力を持った選手がいる。(1-2で徳島が敗れた)直近の札幌戦もどちらに転んでもおかしくなかった。むしろ、2失点目のミスがなければ、おそらく勝点は取れた内容の試合だった。それぐらい力のあるチームだと思っている」

---今季5得点を奪っている宮代大聖選手といった若くて力のあるストライカーもいるが?
「裏へ抜け出る動きもそうだが、そこにパスを供給するパサーもいる。走り込むスペースを作るために全体で相手を引き込んでくる。それがポゼッションの一つの狙いだと思う。彼のようなタイプが点を取っているということは、しっかりと引き込んで走り込むスペースを作れている証拠。そこは注意したい」

---徳島は中5日で広島は中2日とコンディションで差があるが?
「当初発表された日程だと1週間の間隔が空く時が2回あった。そこに両方、(リーグ戦の日程変更によって)入っているのは我々だけ。ルヴァンカップも合わせると20チームでずっと連戦でやっているのは我々だけというのは分かっていたこと。20分の1になったのは、むしろ自分たちが“持っているな”と思ってやるしかない。『20分の1になってしまった』と思うか、『見てろよ』と思ってやるかは、我々次第だと思う。簡単でないのは世の中の人が分かってくれると思う。『20分の1になってしまった』と我々が思わないようにすること」

---7試合ぶりの勝利によってチームの雰囲気も明るくなったのでは?
「やっている内容が変わったわけではない。準備の段階も何も変わるわけではない。ただ、勝つということ、勝点を積み上げるということがどれだけ選手の自信に影響するかは、現場にいればいるほどあらためて感じる。勝っていなければ、追い込んでいくのが周りの仕事だと思っている。それに打ち勝つのは自分たちしかいないし、だからこそ勝てた時の喜びも我々にしか分からないところもある。今、空気を変える時だと思っている。自分たちの目指すステージで戦うのは諦めていないので、明日の試合は本当に勝点3を取りたい」
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著者プロフィール

東洋工業(株)蹴球部として1938年に創部。1992年にサンフレッチェ広島と改称し、1993年の初年度からJリーグに参戦している。サンフレッチェの名称は、日本語の「三」とイタリア語の「フレッチェ=矢」を合わせたもの。広島にゆかりの深い戦国武将、毛利元就の故事に由来し、「三本の矢」を意味している。本拠地はエディオンスタジアム広島。2012年にJ1リーグを初制覇、2013年、2015年も優勝し、4年で3度のJ1リーグ制覇を果たした。2015年には、FIFAクラブワールドカップで3位になるなど、育成型クラブとして結果を残している。

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