【独占】元東京ヴェルディ・藤本寛也、特別インタビュー(1)。欧州初挑戦、ポルトガル生活を語る

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【©LigaPortugal】

 2020年夏にJ2の東京ヴェルディからポルトガル1部リーグのジル・ヴィセンテへ移籍した藤本寛也は、チームの主力選手の1人として活躍を続けている。初の海外挑戦で何を感じ、どんな思いでプレーしているのだろうか(インタビューは2021年3月中旬に収録)。

――藤本選手がポルトガルに渡って半年以上が経ちました。ご自身の現状やパフォーマンスをどのように捉えていますか?

「すごくパフォーマンスが良くなってきていて、自分のプレーや、いいところを多く出せるようになってきているので、満足しています。けど、まだ足りないところは多いと思うので、そういうものを毎試合見つけて、克服しながら、今はサッカーを楽しめている状態です」

――最初はなかなか試合に出られませんでした。チームが守備的な戦い方だったのもあって苦しかったと思います。ただ、年明けくらいから先発出場の機会も増えてきました。

「シーズン前半戦はあまりチャンスがなく、出場機会もなかったので、今振り返ってみると、自分としてもいろいろ心身ともにすごくキツかったな……と思います。その中でも練習から他の選手に負けない気持ちを持ちながら、いいプレーをしていったことで、シーズン後半戦になってからチャンスをもらえるようになってきました。やっぱり自分が試合に出られなくて苦しい時に、そこで下を向かず、なるべく踏ん張れたのが今の自分につながっていると思います」

――初めての海外挑戦でポルトガルに渡り、言語面や文化面で難しいこともあったと思います。新しい環境に適応するにあたって、どんな努力をしてきたのでしょうか?

「サッカー面と、サッカー以外の面で適応する必要があると思います。サッカー面ではスピードだったり、強さだったり、プレー速度だったりは日本の時と違うものなので、そこにまず慣れる必要がありました。生活面ではなるべく考えすぎないように。わからないことも多かったですけど、それに対してもチャレンジしていきました。チャレンジして失敗してもいいと思っていたので、それでどんどん慣れていけました」

――日本語が通じず、ポルトガル語が中心の生活になって大変だったことはありますか?

「英語がある程度できるので、コミュニケーションは基本的に英語で取っていました。ポルトガル人にも英語を話せる選手が何人かいるので、ピッチ外でもあまり困らなかったです。ピッチ内でも選手たちは自分に対して基本的に英語でコミュニケーションを取ってくれて、スタッフもコーチも監督もそういう気遣いをしてくれたので、問題はありませんでした。でも、ポルトガル語ができた方がいいかなとは思います。まだ簡単に言葉を発したり、聞いたりするのも難しいですし、今も取り組んでいるところですけど、これからも勉強を続けていく必要があると思っています」

――ジル・ヴィセンテに加入した当初、チームには元横浜F・マリノスのウーゴ・ヴィエイラ選手が所属していました(※2020年10月に退団し、北海道コンサドーレ札幌へ移籍)。彼は欧州初挑戦の藤本選手にとってどんな存在でしたか?

「一緒にプレーする時間は少しだけでしたけど、すごく面倒を見てくれて、日本語も少し話せましたし、英語も話せるので、当時は自分にとってコミュニケーションを取れる唯一の存在でした。本当に助けになってくれた人だと思っています。もっと一緒にプレーしたかったですけど、これからもお互いに頑張っていけたらいいと思います」

<<特別インタビュー パート(2)へ続く>>

藤本寛也はジル・ヴィセンテで奮闘中 【©LigaPortugal】

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藤本寛也(ふじもと・かんや)
1999年7月1日生まれ、山梨県出身。ジュニア時代から東京ヴェルディに所属し、ジュニアユースやユースを経て2018年にトップチーム昇格。プロ1年目からヴェルディの主力選手として活躍し、2019年にはU-20日本代表としてFIFA U-20ワールドカップにも出場した。2020年8月からポルトガル1部のジル・ヴィセンテへ期限付き移籍。技術レベルの高さや視野の広さが光る左利きの攻撃的MF。Jリーグ通算49試合出場4得点。ポルトガル1部通算25試合1得点(※成績は2021年5月12日現在)。
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著者プロフィール

ポルトガル・リーグはポルトガルのプロサッカーリーグです。プリメイラ・リーガ(またはリーガ・NOS)とも呼ばれる1部リーグは1934年に開設され、現在18クラブで構成されています。

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