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「応援を力に。信頼関係で築かれた“連携”を見てほしい」古賀紗理那&山田二千華&曽我啓菜 NECレッドロケッツ・日本代表座談会【Vリーグ/女子バレー】

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本来であれば、東京オリンピックが開催される予定だった2020年夏。
レッドロケッツから2020年度女子日本代表登録メンバーに選出された古賀紗理那、山田二千華、曽我啓菜は、チームの本拠地である川崎市の玉川体育館でトレーニングに励んでいた。

10月に開幕するV.LEAGUEは入場者数を50%に制限する方針が発表され、日本代表の中心メンバーだった新鍋理沙選手(元久光スプリングス)は現役引退を表明。目まぐるしく変化する状況の中、3選手にレッドロケッツのこと、日本代表のこと、そして新たに始まるシーズンへの思いを聞いた。

相手の弱点を探すスペシャリスト

――まずはお互いの印象を。チームメイトになる前、山田選手、曽我選手は古賀選手に対してどんな印象を持っていましたか?

山田 高校生の頃は「日本代表の古賀さん」として見ていました。NECに入ってからも、常に代表に選ばれて、ずっと活躍している選手なのですごい人だといつも思っています。

ミドルブロッカー・山田二千華選手 ミドルブロッカー・山田二千華選手 NECレッドロケッツ

曽我 私も同じです。日本代表の古賀紗理那さん、というイメージが強くて、特に高校を卒業してすぐにワールドカップで活躍している姿をテレビで見ていたので、今一緒にプレーするようになって、距離は近づいたかもしれませんがそれでも遠い存在。経験も違うし、同じチームにいて憧れる人。紗理那さんはそういう存在です。

古賀 照れるけれど、素直に嬉しいです(笑)。私も2人のことは前から知っていました。二千華は春高(全日本バレーボール高等学校選手権大会)前にNECで合宿をしていて、豊橋中央高が点数を取ったらみんながコートの中に入って喜ぶのが面白かった。その中に大きい子がいるな、と思ったら二千華で当時から迫力がありました(笑)。啓菜は高校2年の春高で初めてプレーを見たけど、当時からワンレッグ(※注)がすごかったね。

(※注)スパイカーが大きく左右に回りこんで攻撃(ブロード攻撃)する際に片足で踏み切るジャンプ

アウトサイドヒッター・古賀紗理那選手 アウトサイドヒッター・古賀紗理那選手 NECレッドロケッツ

山田 高校時代は全国大会で啓菜と対戦することはなかったけれど、もちろん知っていました。ユースやジュニア、アンダーカテゴリーの合宿で一緒になって、改めてすごくうまいし器用だな、と思っていました。

曽我 二千華さんは学年では1つ先輩だけれど、お姉さんというよりも一緒に戦ってきた仲間という感じ。今も一緒に戦えて心強いです。

アウトサイドヒッター・曽我啓菜選手 アウトサイドヒッター・曽我啓菜選手 NECレッドロケッツ

――改めてバレーボールの話を。まだバレーボールを見たことがないという方も多くいるので、お3方の目線でバレーボールの魅力、面白さを教えて下さい。

古賀 語りたい! バレーのこと、しっかり語りたい。いっぱいバレーのことをしゃべろうよ(笑)。このメンバーだったらテーマは何だろうな。オフェンスとブロックかな。

山田 紗理那さんは、相手に合わせて自分のスタイルを変えますよね。最近、少ない人数でミニゲーム形式の練習をしている時も、相手の特徴をとらえてここが穴だというところを見つけて徹底的に狙うのがすごく上手だと思います。

古賀 そう。私、人の弱点を探すのが大好き(笑)。

ミニゲーム形式の練習の様子(6/9更新の公式Twitter) ミニゲーム形式の練習の様子(6/9更新の公式Twitter) NECレッドロケッツ

曽我 試合中も、ここが空いているよ、とか、相手がこう入ってくるから(ブロックでは)ここを締めたほうがいいよ、と相手の情報を教えてくれますよね。相手からすれば、そうやって話しているのを見るだけでも「何かやってくるんじゃないか」と警戒するだろうし、すごく嫌だと思いますよ。

古賀 試合前のミーティングで入る情報と、試合でのプレーが違うことは結構あって、たとえばこの選手はクロスヒッターだ、という選手でもその日の試合ではセッターのトスが伸びていて、ストレートに打ってくる日もある。だから逆に、ちょっと気持ちよく打っているところにあえて誘い込んで、自分たちがレシーブで拾って、切り返して攻撃を決めたらめっちゃ気持ちいい。

しかもそれは1人でできることではないから、チーム全体で相手がやりたいことをやらせて、それを封じる組織的なプレーで自分たちが点を取れたら「ハマった!」と思えてすごく楽しい。だから試合中もずっと相手を見て、何を考えているのか、次は何をしてくるのかずっと想像しているんだよね。そこで気づいたことを共有して、チームメイトがこう動いてくれたおかげで相手をシャットできたとか、ストレートを打ってきたけれどそこはあえてブロックでは抜かせて、レシーブでつないだボールを決めました、というシチュエーションが大好き。そうなると最高でしょ(笑)。

笑みを浮かべる古賀&山田選手 笑みを浮かべる古賀&山田選手 NECレッドロケッツ

「チームとして動く姿を見てほしい」

――相手との駆け引き、という点でよく「ブロックが見えた」と表現されることがあります。実際スパイクを打つ際の視界、視点は?

曽我 私は指の先まで見えたことはないです。でも、調子がいい時は何も考えなくても相手の穴、空いているところが見えるんです。誰がどこにいるからここに打とう、ではなく、空いているところだけが見えるので、ここに落とせば決まる、というイメージです。

ジェスチャーを交えてスパイクを打つ際の視界・視点を語る曽我選手 ジェスチャーを交えてスパイクを打つ際の視界・視点を語る曽我選手 NECレッドロケッツ

山田 私はクイックに入る時、相手がどれだけ自分の攻撃に対してマークについてきているか、トスが上がる前にブロックを見ながら攻撃に入ります。その時にブロッカーの圧迫感を感じたら、マークが来ているからコースを変えることもありますが、相手の圧をそれほど感じなかったら、レシーバーが後ろにいてもそのまま思いきり打ち切ります。

古賀 私も啓菜と一緒。小指の先まで見えるということはないけれど、調子がいい時は相手のブロックがトスにつられて勝手に跳んでいるから前に詰めているな、とか、そういうところまで細かく見えます。ブロックが前で張り付いていると思ったら奥にプッシュしたり、その状況で打ち分けますね。でも結局ブロックが見える、見えないというのは私だけではなくセッターのトスも大事。

自分の調子が悪くても、セッターがブロックの見やすい状況を作ってくれる時はブロックが見えるし、実際私も高校までは何も考えていなかったけれど、アキ(秋山美幸=2007/08〜2014/15在籍)さんのトスを打つようになったら、何も意識しないでも勝手にブロックが見えた。それはアキさんのおかげだし、アタッカー側としても自分の調子に合わせて「ここに上げてくれればブロックが見える」と伝えるとか、セッターとのコミュニケーションも大事なんだな、って最近はすごく思うかな。

曽我 紗理那さん、やっぱりすごいですよね。ものすごく考えているから勉強になります。


――特に見てほしいポイントを挙げるとしたら、どんなところですか?

古賀 プレーの面で言うなら連携ですね。たとえば二千華がブロックしようと一生懸命手を伸ばしたけれど届かなかった。だけどその後ろに私や啓菜がいてボールがつながった。それは組織的なディフェンスができているということだと思うし、別の例を挙げるなら、味方のブロッカーが「こう跳ぶ」とわかっているからこそこのポジションにいた、という場所でちゃんとレシーブできた時。目立たないプレーかもしれませんが、チームとして動いている私、チームとして動いている二千華、チームとして動いている啓菜。その姿を見てほしいですね。

山田 私も同じです。自分がブロックで抑えなければいけないところもあるけれど、あえて抜かせてレシーバーに上げてほしいところをリベロと連携して上げられたら気持ちいい。お互いの役割を分担してやることはやる、任せるところは任せる。中途半端にならず、ここは上げるから思い切って跳んでいいよ、という信頼関係が連携につながると思います。

古賀&山田選手が見てほしいポイントとして挙げた「連携」 古賀&山田選手が見てほしいポイントとして挙げた「連携」 NECレッドロケッツ

曽我 お2人がプレーの話をしてくれたので、私はあえて表情。ここ1本、という大事な場面での1人1人の顔つき、そこで大事な1点を取るための信頼関係を築くためには、言葉にしなくてもアイコンタクトをしたり、いろんな思いが飛び交っているので、ボールだけを追うとわかりづらいかもしれませんが、表情も見てほしいです。実際私も誰かの顔を見て「今この人はスイッチが入っているな」と思って、自分もやるぞ、といい雰囲気が伝染することがあるので、その空気感を感じてほしいです。

コート上の各選手の表情にも注目 コート上の各選手の表情にも注目 NECレッドロケッツ

――試合中に自分のパフォーマンスが悪くてネガティブ思考に陥った時、心がけていることはありますか?

古賀 試合中は引きずらないように、深呼吸をします。呼吸が浅くなると考え方もネガティブになりがちなので、大きく酸素を取り込んで二酸化炭素を出す。ネガティブになるといろいろなことをやらなきゃ、と考えてしまうのでまずはサーブレシーブ、とか、なるべく1つのことに集中するようにしています。

山田 ミドルはブロックに跳んですぐ開いて、と素早く動かなければならないので、もし遅れてしまったとしても、あー、と思うのではなく、テンポを変えて違う位置に入るようにしています。全部がぐちゃぐちゃになりそうな時もありますが、そういう時はセッターのサインを見て「私のやるべきことの準備をしなきゃ」と切り替える。啓菜は運動量が多いから、余計に大変そうだよね?

曽我 (昨年の)世界ジュニアの時は後衛にいても、攻撃のおとりとして相手をかく乱するために前衛まで上がってきていたので、体力的にはめっちゃきつかったから考える暇もなかったです(笑)。最初は「後衛の選手が前衛のおとりに入っても引っかかってくれないだろう」と思っていたんですけど、フルセットになると頭もめいっぱいになるから意外と引っかかってくれる(笑)。いろいろやってみることも大事だと思いましたね。

古賀 絶対そう。いろいろやってみるのは本当に大事。私はバックアタックに入るコースが今は限られているけれど、ブラジルのガビ(ガブリエラ・ギマラエス)のように、いろいろな位置から打てるようになると攻撃パターンも増えるし、何より楽しそう。誰かの後ろに隠れていてバッと入ってくるとか、いろいろなことをしてみたい。だから啓菜もたとえ最初の約束事になかったとしても突然入ってほしいな。全然OKでしょ。

自身の心がけと曽我選手への期待を語る古賀選手 自身の心がけと曽我選手への期待を語る古賀選手 NECレッドロケッツ

曽我 ミドルだから速攻、レフトだから平行、とパターンを決めるのではなく、攻撃もいろいろあっていいと思います。それが試合で急にできるかというと難しいかもしれないですが、イメージはできているので頑張ります。

山田 攻撃に入ってくる啓菜の邪魔にならないように頑張ります(笑)

悔しさも強くなるチャンスに

――本来だったら今夏、東京オリンピックが開催される予定でした。2021年に延期が決定した時の心境は?

山田 私は足首をケガしていたため、ベストパフォーマンスを発揮できるか不安な状態でしたので、ポジティブに捉え気持ちを切り替えることができました。

古賀 私もポジティブに捉えるしかないと思っていましたね。今年はオリンピックがないから強くなるチャンス。やろう!と思ったので、今必死で取り組んでいます。

曽我 私もケガをしていたため、代表候補に選んでいただいたことは嬉しかったのですが、スタートラインにも立てていないと焦っていた状況でしたので、私としては前向きな気持ちで捉えています。せっかくのチャンスなので、運を味方にしたいです。


――東京五輪だけでなく、インターハイや全国中学校体育大会など試合ができない中学生、高校生もいます。コロナウイルスの感染拡大に伴う緊急事態宣言が発動され、ボールに触れない、練習ができない時期もあった中、皆さんは今の状況でどんなことを考えますか?

古賀 今は大変な時期だと理解はしていますが、中学生、高校生は本当に悔しいだろうな、と。私たちは次のリーグに向けて頑張る、という目標があるけれど、その目標もないまま最後になってしまったら本当に悔しいと思います。

曽我 私も高校の後輩から大会がなくなったと連絡が来たので、元気づけるために動画を撮って送ったり、自分が後輩たちにできることをやろう、と思っていましたが、自分の立場に置き換えて考えようとしても想像できないぐらい、悔しくて仕方ないと思います。

山田 私は啓菜や紗理那さんのように連覇や優勝を目指すような学校ではなくて、春高もインターハイも行けるか行けないかの瀬戸際だったし、そこに向けて一生懸命やっていたので、それが突然なくなってしまったら、と考えるだけで悔しいし悲しいです。大きな目標が消えてしまうと自分もチームもモチベーションが落ちてしまって立て直すのは難しいと思うけど、できることを頑張ってほしいです。

中高生に向けてエールを送る山田選手 中高生に向けてエールを送る山田選手 NECレッドロケッツ

新規ファン獲得の秘策は「曽我ちゃんねる」?!

――昨シーズン、男子のV1決勝は無観客試合でした。応援の力や観客の力など、改めて感じたことはありましたか?

山田 率直に、お客さんがいない中で試合をするのは寂しいと感じました。NECのホームゲームはたくさんの方が来てくれて、会場の一体感、空気全体をつくりだしてくれるおかげで自分を盛り立てられる時もあったので、どんな環境でもプレーするのは同じですが、声援がないのは精神的にもつらいのかな、と思いました。

曽我 お客さんがいっぱいいたほうが燃えますよね。たくさん声援があるおかげでいつも出せないプレー、アドレナリンが出るのは確かだし、応援の力は大きいと思います。

古賀 NECのホームゲームはたくさんのお客さんが来てくれるので、本当にありがたいです。正直に言うと、会場によっては全然お客さんが入っていない時もあります。どんな環境でも左右されず自分のパフォーマンスを出すことは大前提としても、人に見られるのはすごく大事だし、ホームゲームは音でも盛り上げていただいていますが、その中でも「打て!」とか「ナイスサーブ!」という声はすごくよく聞こえるし、背中を押してくれる。今の状況を考えると、これまで通りの環境は難しいかもしれませんが、応援の力はとても心強いです。

Vリーグ屈指の集客数を誇るレッドロケッツのホームゲーム Vリーグ屈指の集客数を誇るレッドロケッツのホームゲーム NECレッドロケッツ

――今季は非常事態で、無観客や観客数の制限なども考えられます。とはいえ長期的な視野より多くの方に来てもらう、集客という面で選手にできることは何だと思いますか?

山田 SNSを通して自分たちのことを知ってもらうのも1つだと思います。ちょっとずつでも配信して、自分たちのことを知ってもらって、足を運んでもらえると嬉しいです。

SNSで公開した自粛期間中の「おうち時間」で山田選手はバランスボールを使ったトレーニングを披露 SNSで公開した自粛期間中の「おうち時間」で山田選手はバランスボールを使ったトレーニングを披露 NECレッドロケッツ

曽我 テレビ放送をしてほしいです。全く知らなくてもテレビでやっていれば試合も見るだろうし、興味も沸きやすい。密着番組とかも面白いと思うので、紗理那さんどうですか?

古賀 私はいい(笑)。あ、こうやって無理とか言っちゃうからダメなんだ(笑)。SNSもチーム全体として頑張っているし、私は試合で一生懸命頑張るので、啓菜が「曽我ちゃんねる」とかつくればいいんじゃない?(笑)

「おうち時間」で古賀選手は二重跳びを披露 「おうち時間」で古賀選手は二重跳びを披露 NECレッドロケッツ

曽我 ユーチューバーですか? 喜んでやりますよ(笑)。

古賀 「曽我ちゃんねる」が始まったら、絶対にゲストで出演します(笑)

「おうち時間」で曽我選手はスクラッチアートに挑戦 「おうち時間」で曽我選手はスクラッチアートに挑戦 NECレッドロケッツ

曽我 本当ですか? 紗理那さんが出てくれるなら、オープニングから凝りましょう(笑)。若者の間ではTikTokが流行っているので、バレーボールのプレーとリンクした短い動画をポンポンポンと載せるのも面白いですよ。Twitterやインスタはフォローしてくれている人には届くけれど、なかなかそこから広がりにくい。でもTikTokはフォロワーも関係なく、オススメ表示されればバレーボールを全然知らない人にも届く。

バレーボールに関心があるのは、もともとバレーボールが好きな人や、バレーボールをやっていた人がまだまだ多いと思うし、それもすごく大事だけれど、全くバレーボールを知らない人に届く機会だと思うので、新しいファンを増やしたいですね。

山田 そのための「曽我ちゃんねる」だよ(笑)。

古賀 ここで宣言しよう。私も協力します。

曽我 え〜(笑)。わかりました。「曽我ちゃんねる」、頑張ります!(笑)

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クラブ名
NECレッドロケッツ
クラブ説明文

女子バレーボール、V.LEAGUE DIVISION1(V1リーグ)に所属するNECレッドロケッツ。 日本リーグ優勝1回、Vリーグ優勝6回、黒鷲旗優勝2回の実績がある。 チーム名の『レッドロケッツ』とは、チームカラーでもある『レッド』の「炎」「情熱・上昇」を表していて、『ロケッツ』は21世紀をリードするNECのイメージでありパワー・スピードを備えて未来へと力強く上昇していくことを意味している。 ホームタウンは神奈川県川崎市。サブホームを東京都大田区に置き、スポーツを通じ地域に根ざしたチーム作りとNECレッドロケッツの歴史を紡ぐ「堅守速攻」で日本一へと挑む。

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