さあ、大ブレイクの時! 山崎郡(前編)

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【(C)BOATRACE】

オートバイレース出身

元オートバイレーサーだ 【(C)BOATRACE】

 この稿が公開された頃には、G3イースタンヤングとG3ウエスタンヤングが佳境を迎えている。イースタンはボートレースびわこで、ウエスタンはボートレース丸亀での開催だ。このレースが開幕し、また結果が出ると、今年もヤングダービーの季節が近づいてきたことを実感させられる。この両レースは、優勝者にヤングダービーへの優先出場権を与えられるレースだ。同時にこの開催中に、ヤングダービーの出場予定選手が発表される。ヤングダービーは前年7月1日〜当該年6月30日の勝率が選考基準(9月1日時点で30歳未満に出場資格)。イースタンにもウエスタンにも勝率上位でヤングダービーに出場を決めた選手はもちろん出場している。一方、勝率では出場がかなわなかった選手も多数おり、彼らにとっては両レースは最後のチャンス。優勝条件という勝負駆けに、気合パンパンで臨むわけだ。そうした状況がまた、ヤングダービー近しの気分を煽ってくれる。ボートレース界の夏は、まさにビッグレースラッシュとなるアツい時期だが、同時に若き力のフレッシュなバトルへの期待感が一気に高まっていく時期でもある。
 昨年のヤングダービーは、G1初出場の関浩哉が優勝した。もちろんG1初出場で、しかもデビュー初優勝でもあった。115期の関は出場選手のなかで登録番号が下から2番目という新兵でもあり、その前年が104期の中田竜太だったことを考えれば、一気に若い王者が誕生したといえる。今年はさらに下の世代、117期や118期生から出場者が出そうな状況で、ヤングダービーの世代感はどんどんと更新されていきそうだ。そうなると、その先輩の世代も負けてはいられない。ルーキー世代でいえば112〜114期あたりの選手が気合の入る一戦となりそうだ。特に112期と113期は今年でルーキー世代を卒業するだけに、その前にひとつの成果を手にしたいところだろう。
 今回取り上げるのは112期の山崎郡。勢いに乗る大阪ヤングの主軸の一人だ。

優秀な成績でやまと学校(現ボートレーサー養成所)卒業 【(C)BOATRACE】

 山崎は2012年春に112期生としてやまと学校(現ボートレーサー養成所)に入学。それ以前は先月取り上げた金児隆太と同じく、オートバイレースで活躍するレーサーだった。05年には鈴鹿選手権125ccクラスでチャンピオンになり、全日本選手権でも3位に入るトップレーサーだ。その一方で関西大学にも通い、在学中に112期の試験に合格した。やまと学校入学のため休学したが、プロデビュー後に復学し、卒業している。
 やまと学校での成績は優秀で、リーグ戦の勝率は7.26。馬場剛に次ぐ在校2位の成績だった。デビューは13年5月の地元住之江。デビュー節でいきなりフライングを切るなど、いきなり順風満帆とはいかなかったが、デビュー2節目に2着をあげるなど舟券には絡むこともあり、非凡な素質は見せつけている。それでもなかなか初勝利の機会は訪れなかったが、デビュー1年後の尼崎で5コースまくり決めて1着。嬉しい水神祭を果たしている。
 この初勝利がきっかけとなって、山崎は成績を伸ばしていく。それまでは(デビュー3期目までは)勝率は2〜3点台に甘んじていたものが、4期目には4点台に乗り、5期目には5点台にアップ。6期目には5.62という勝率で、初のA級昇級を決める(A2級)。
 さらに目覚ましい成長を遂げたのは7期目のことだ。1着数もグンと増え、勝率は6.44にアップしてA2級を1期経験しただけでA1級昇級を決めた。16年5月の若松ルーキーシリーズでは念願の初優出も果たしている。豪快なまくり、まくり差しを武器に、一気に存在感を増していったのだった。
 そんな山崎の名前を、ボートレースファンに一躍知らしめる出来事が、初優出から半年後に起こる。唐津G2モーターボート大賞。初めて出場したG2以上のレースで、山崎は大仕事を果たしたのだ。
 (後編に続く・・・)7/15(月)更新予定

2019年7月1日更新 文:黒須田守(BOATBoy) 写真:池上一摩(BOATBoy)
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