ファンが選ぶ!ワールドサッカー史上最高の名手ランキング・ボールハンター編

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 スポーツナビで投票を募った「ワールドサッカー史上最高の名手ランキング」企画。ゴールゲッター、パサー、ドリブラー、ボールハンター、ヘッダー、FKキッカーの6項目で、史上最高だと思う選手を投票してもらいました。
 今回はボールハンター編。1位に輝いた選手は!?

順位 選手名 POS 主な所属 得票率
1 エヌゴロ・カンテ MF レスター、チェルシーなど/フランス代表 13.4%
2 クロード・マケレレ MF R・マドリー、チェルシーなど/フランス代表 10.7%
3 ジェンナーロ・ガットゥーゾ MF レンジャーズ、ミランなど/イタリア代表 8.1%
3 パトリック・ビエラ MF アーセナル、インテルなど/フランス代表 8.1%
5 フィルジル・ファン・ダイク DF サウサンプトン、リバプールなど/オランダ代表 7.1%
6 パオロ・マルディーニ DF ミラン/イタリア代表 6.8%
7 エドガー・ダービッツ MF アヤックス、ユベントスなど/オランダ代表 6.2%
8 セルヒオ・ラモス DF R・マドリーなど/スペイン代表 4.7%
9 ファビオ・カンナバーロ DF パルマ、ユベントスなど/イタリア代表 4.0%
10 カルレス・プジョル DF バルセロナ/スペイン代表 3.8%
11 アレッサンドロ・ネスタ DF ラツィオ、ミランなど/イタリア代表 3.5%
12 ハビエル・マスチェラーノ MF リバプール、バルセロナなど/アルゼンチン代表 3.4%
13 カゼミーロ MF R・マドリーなど/ブラジル代表 2.9%
14 フランコ・バレージ DF ミラン/イタリア代表 2.6%
15 アルトゥーロ・ビダル MF バイエルン、バルセロナなど/チリ代表 2.2%

寸評

フランスでプレーしていた頃はほぼ無名の存在だったカンテ(写真右)だが、24歳で引き抜かれたレスターで大ブレイク。強豪チェルシーでも主力に上り詰め、ボールハントだけでなく攻撃の起点としても機能し、世界的な名声を勝ち取った(写真:ロイター/アフロ)

 エヌゴロ・カンテ、クロード・マケレレと、ともにアフリカにルーツを持つフランス人MFが1位と2位に並んだ。小柄な守備的MFという共通点もあり、カンテをチェルシーの先輩でもあるマケレレと比較する声がよく聞かれるが、実際2人のプレースタイルは似通っている。鋭い出足でボールホルダーに寄せ、小さい身体を巧みに滑り込ませてファウルを犯さずボールを奪い取る。中盤でのボール狩りという地味な仕事に人々の目を向けさせたのがレアル・マドリー時代のマケレレであり、カンテはその正統後継者と言えるだろう。

R・マドリー時代のマケレレ(写真左)は、「銀河系選抜」と称されたスター軍団にあって中盤の守備をほとんど一手に担っていた。この守備的MFの放出は、ペレス会長の重大な失策としてマドリディスタの批判の対象に(Getty Images)

 3位タイのパトリック・ビエラを含め、上位4人のうち実に3人をフランス人が占めた。ビエラはカンテ、マケレレのように、フランスで言うところの“レキュペラトゥール”(ボール回収者)のスペシャリストではないものの、強靭(きょうじん)なフィジカルと長いリーチを駆使して敵の足下からボールを刈り取った。フランス代表でのマケレレとのコンビはまさに鉄壁。ハイライトは2006年ワールドカップ・ドイツ大会で、特に優勝候補スペインの強力なアタックをことごとく食い止めた、ラウンド16での両雄のパフォーマンスは圧巻だった。

 そのビエラとともに3位にランクされたジェンナーロ・ガットゥーゾと7位のエドガー・ダービッツは、圧倒的な運動量と激しいチャージで中盤の守備を支えたファイター。この2人より攻撃的ながら、15位に入った現役のアルトゥーロ・ビダルも似たタイプだろう。

 DFでは7人がトップ15に食い込んだ。「ボールハンター」と言えば、中盤で守備的なタスクをこなす選手をイメージする人が多いだろうが、守備のスペシャリストであるDFはボールハントの達人ぞろい。その中で最上位にランクされたのが、フィルジル・ファン・ダイク。現役最強センターバックとの呼び声高いオランダ代表は、「DF大国」イタリアが生んだ4人のレジェンド、パオロ・マルディーニ(6位)、ファビオ・カンナバーロ(9位)、アレッサンドロ・ネスタ(11位)、フランコ・バレージ(14位)らを抑えて5位に入っている。

(企画構成:YOJI-GEN)

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