日本カーリング選手権大会2024

2024/2/4 10:00

コンサドーレが3年ぶり優勝 世界選手権へ

10:00(決勝)

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
SC軽井沢クラブ 0 1 0 0 0 1 1 0 0 × 3
コンサドーレ 0 0 2 3 1 0 0 1 1 × 8

総括

 北海道札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで開催中の第41回全農日本カーリング選手権大会は4日(日)に決勝を迎え、コンサドーレ(予選1位)とSC軽井沢クラブ(予選3位)の対決となった。

 序盤の3エンドはSC軽井沢クラブのペースだった。安定感という意味ではフロントエンド、特にリードの小泉は出色の出来で攻守のベースを作る活躍だったが、中盤以降はそれを補って余るコンサドーレのバックエンド、阿部と清水のショットの繋がりが得点に直結していった。

 試合後「4エンド目までは予定通りにゲームを進めることができた」とSC軽井沢クラブの栁澤が悔やんだが、勝負を分けた4エンドの3点スチール以降、阿部と清水のショットは冴えを増していく。スイーパーとして今季、成長を見せた敦賀爽と大内のハードワークも手伝って、以降は大きなピンチを迎えることなく10エンド途中までリスクマネジメントを完遂した。

 終わってみれば8戦全勝で3年ぶりの優勝。ミスは出ても続けてミスはしないメンタルの切り替え、攻守のスイッチングやプラン変更など随所にスキップの阿部の知略も光る戦いぶりだった。日本代表として世界選手権に挑む。

テキスト速報

  • 1エンド

    予選1位通過のコンサドーレが後攻で試合開始。先攻のSC軽井沢クラブのリード小泉が1投目をハウスに入れると、コンサドーレのリード敦賀爽がヒットロールで石を入れ替える。その後も両チームともにアイスの状況を確かめながらヒットステイ、ヒットロールが繰り替えされ、最後はコンサドーレ清水が相手の石を叩いてシューターも出すピールを決め、ブランクエンド。0-0のままコンサドーレは後攻で2エンドへ。

  • 2エンド

    先攻のSC軽井沢クラブはリード小泉がセンターガードを置くと、その裏のハウスのいい位置を陣取るためのドローを投げ合う展開に。ハウスに石を残していくSC軽井沢クラブに対してコンサドーレはミスが出てしまい後手に回るが、サードの阿部が2投目でほぼ完璧なカムアラウンドをおく。2点が狙える形を残すが、フォース清水のヒットロールでシューターがピールアウトしてしまい、ラストドローもショート。SC軽井沢クラブが1点をスチールで先制した。

  • 3エンド

    1点をリードしたSC軽井沢クラブはリード小泉が2投ともセンターに寄せるドロー。コンサドーレのリード敦賀爽は1投目をコーナーガード、2投目はテイクを投げた。両セカンド、山本と大内も相手の石を出しながらハウスに自身の石を残すが、SC軽井沢クラブの山口がダブルテイクアウトでハウス内を自軍の赤石のみとした。それでもコンサドーレはサード阿部のヒットロール、フォース清水のレイズと好ショットが繋がり、2点を獲得し逆転。

  • 4エンド

    フロントエンドではセンターへの投げ合いが続く。SC軽井沢クラブはセカンド山本、サード山口がガードストーンを飛ばしてハウス内の形を変えようとするが、イメージどおりに石が動かない。対照的にコンサドーレは3エンド同様サード阿部、フォース清水が効果的なヒットロールを続け、SC軽井沢クラブのラストロックにプレッシャーをかける。その栁澤はテイクを狙うも当たりどころが悪く、3点スチールを許す痛恨のエンドになった。

  • 5エンド

    4点のビハインドを負ったSC軽井沢クラブはコーナーガードを利用してハウスを広く使い複数点を取りに行く構えを見せる。コンサドーレはサードの阿部にこの試合、初めてといえるミスが出てSC軽井沢クラブがチャンスを広げるが、フォースの清水がランバックでハウス内のいいポジションを強奪。SC軽井沢クラブもセンターにドローを狙うが栁澤の1投目が氷上のゴミを噛むトラブルに遭うなどして、さらにスチールで1点を奪われた。

  • 6エンド

    ハーフタイムを挟んで5点を追うSC軽井沢クラブはコーナーにガードを配置するも、コンサドーレがセンターに集めた石をうまく処理できずに後手に回る。コンサドーレはフォース清水の1投目の時点でNo.1とNo.2を確保する形を作り、SC軽井沢クラブのスキップ栁澤はNo.1だけフリーズで取るも二の矢がなく1点どまりに終わる。

  • 7エンド

    センターにガードを置いて、できればスチールを望むSC軽井沢クラブだが、なかなかコンサドーレの黄色の石を処理し切れない。シンプルショットを確実に重ねるコンサドーレが盤面を優位に進めるが、SC軽井沢クラブはフォース栁澤がカムアラウンドとヒットロールを決め、No.1とNo.2を確保。コンサドーレ清水のラストロックはダブルテイクアウトを狙うもシングルとなり、SC軽井沢クラブがスチール。1点を返し3点差とした。

  • 8エンド

    3点を追うSC軽井沢クラブは連続スチールを狙って、リード小泉とセカンド山本がほぼ完璧なセットアップでセンター戦で優位に立つが、コンサドーレのセカンド大内の2投目と、サードの阿部の1投目でセンターライン上の石をすべて排除。コンサドーレは清水がソフトウェイトのレイズ、SC軽井沢クラブは栁澤がダブルという、それぞれ好ショットの応酬を見せながら、ラストロックで清水がドロー。コンサドーレが1点を取る。

  • 9エンド

    ハウス中央に石を集めるコンサドーレに対して、後攻のSC軽井沢クラブはコーナーに丁寧にセットアップを成功させた。さらにセカンド山本の2投目、サード山口の1投目のドローで中央に寄せ、複数得点の足場を求めるがコンサドーレ阿部はピール、ダブルテイクアウトと2本のテイクで阻んだ。SC軽井沢クラブは山口のコーナーへのドローで食い下がるが、コンサドーレは清水のヒットステイで相手のチャンスを潰した。コンサドーレのリスク管理が光り、この試合3度目のスチールで5点差とした。

  • 10エンド

    5点のリードを持ったコンサドーレはリード敦賀爽の2投をスルーさせ、ハウスをクリーンに保つ。SC軽井沢クラブは小泉が諦めずにセンターへ丁寧なセットアップをするが、コンサドーレのセカンド大内が冷静に相手の石を叩く。さらに大内は2投目でセンターガードも払い、続くサードの阿部も残ったSC軽井沢クラブの赤石を2投連続で弾き出したところでSC軽井沢クラブが握手を求めて試合終了となった。

見どころ

 北海道札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで開催中の第41回全農日本カーリング選手権大会は4日(日)に決勝を迎える。

 予選1次リーグ2次リーグの7戦を全勝で抜けてきたコンサドーレが3年ぶりのファイナルの舞台に進んだ。挑むのは予選3位でクオリファイしてきた2連覇中のSC軽井沢クラブだ。

 1次リーグでの直接対決は常に先手をとったコンサドーレが8-1で快勝。サードでスキップの阿部晋也が「ミスは出るがキーショットを決めることができている」と語るように勝負強いカーリングで勝ち星を重ねてきた。今季から敦賀爽太ー大内遥斗という若手コンビをフロントエンドに置き、チャンスができれば阿部と清水徹郎のバックエンドで仕留める。ピンチになればバックエンドの4投でエンドセーブに回る戦術が効果的に作用している。特に今大会、絶好調の清水はラストロックで難易度の高いショットを決めているだけに、その存在が相手にとってはプレッシャーとなっている。

 3連覇を狙うSC軽井沢クラブは、コンサドーレと対戦した1次リーグこそサードの山口剛史が「まだアイスを読み切れてない部分がある」と振り返ったように、氷の状況を把握するのに時間がかかった。ただ、それでもベースとなる技術の高さは連覇をした2大会で折り紙付き。粘り強く上位戦線に残り、準決勝では2次リーグで敗れたLOCOSOLAREと対戦したが、安定したショットとリスク管理に優れたショットを選び、試合巧者ぶりを見せつけた。

 3年ぶりの優勝か。3連覇か。経験豊富な両チームだけにまずはどちらが仕掛けるか注目だ。

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