日本カーリング選手権大会2024

2024/2/4 14:30

SC軽井沢クラブ、最後の1投で逆転し初優勝

14:30(決勝)

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
SC軽井沢クラブ 0 1 0 0 0 2 0 0 0 2 5
北海道銀行 0 0 0 2 1 0 0 1 0 0 4

総括

 北海道札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで開催中の第41回全農日本カーリング選手権大会は4日(日)に準決勝を迎え、北海道銀行(予選1位)とSC軽井沢クラブ(予選3位)の対決となった。

 終始アイスの様子を探りながらの硬い展開となったが、安定感という意味でSC軽井沢クラブはリードの上野結、セカンドの西室のフロントエンドに分があった。各エンドのセットアップでガードとカムアラウンドが2本揃わなくても、スコアに直結する石をバックエンドに託し、上野結と西室は屈強なスイーパーとしての役割をまっとうした。それもフィニッシュに今大会随一の決定力を見せた上野美が控えているからこそだろう。

「SC軽井沢クラブさんのほうがいい位置に石を置いて主導権を握られていた」とは北海道銀行のスキップ仁平のコメントだ。北海道銀行も初の決勝の舞台で臆することなく持ち味を存分に発揮したが、最終エンドをはじめ、キーショットでのあと数センチという精度の部分でまだ突き詰めることはできた。

 それでも、最大の勝因は今大会の主役となった上野美だろう。準決勝の中部電力戦、決勝の北海道銀行戦と連続でラストロックを沈め逆転勝利を決めるなど、その存在感は際立っていた。ジュニア世界選手権の金メダルに続き、今度は世界選手権でどこまで駆け上がるか注目だ。


テキスト速報

  • 1エンド

    予選首位の北海道銀行が後攻で試合開始。先攻のSC軽井沢クラブのリード上野結が1投目をハウスに入れると、北海道銀行のリード中島がヒットステイをし、その後もハウスをクリーンに保ちながらアイスの状況を確かめつつエンドを消化。最後は北海道銀行の田畑が相手の石を叩いてシューターも出すピールでブランクエンドとした。0-0で北海道銀行が後攻を持ったまま2エンドへ。

  • 2エンド

    SC軽井沢クラブのリード上野結が再びセンターガードを置き北海道銀行のリード中島がそれを打つ、1エンドと同じ展開になりそうだったが、中島は2投目でコーナーガード。続く山本がその裏にドローを投げスコアが生まれそうな状況に。バックエンドはそのコーナーガードの裏を巡っての攻防となるが、北海道銀行の田畑が投げたカムアラウンドに、先攻ラストロックでSC軽井沢クラブ上野美が完璧なフリーズを決め、1点スチールとなった。

  • 3エンド

    SC軽井沢クラブは3エンド連続でリード上野結の1投目をセンターへドロー。どちらかいえば守備的な印象を受ける。北海道銀行はそれを叩いて投げたストーンをハウスに残したいところだが、狙い通りにいかずハウスはオープンなままバックエンドへ。ヒットステイが何度も交わされて、北海道銀行の田畑がピールを決めブランクエンドに。

  • 4エンド

    センターへセットアップしたSC軽井沢クラブだが、北海道銀行のリード中島がその裏に2投を送り込む。セカンド山本とサード仁平のところで強い石を作れずに我慢の展開となったが、スキップの田畑が1投目でヒットロール、2投目で使っていないラインからドローを決める好ショットで魅せ2点を獲得。この試合、はじめてのリードを奪った。

  • 5エンド

    初の先攻となった北海道銀行はセンターにセットアップ。後攻のSC軽井沢クラブはコーナーにガードを配置。SC軽井沢クラブのセカンド西室がコーナーにドローを送るが、すかさず北海道銀行のサード仁平がフリーズとレイズを決め、ハウス内は北海道銀行の黄石のみとなる。フォースの田畑もセンターへ強い石を送り、SC軽井沢クラブの上野美のラストロックが及ばず北海道銀行がスチール。バックエンドで投げ勝った結果となった。

  • 6エンド

    複数点が欲しいSC軽井沢クラブはコーナー戦、ハウスを狭めて相手に1点を取らせたい先攻の北海道銀行はセンター戦を求めるセオリーどおりの展開で進む。SC軽井沢クラブはサードの金井がガードの裏にカムアラウンドで攻めるが、北海道銀行の田畑がすぐさまそれを処理。しかし、SC軽井沢クラブの上野美がさらにカムアラウンドを続け、田畑は2投目で触れずにSC軽井沢クラブが2点を獲得。振り出しに戻した。

  • 7エンド

    両チームともリードの2投をセンターラインに寄せるセンター戦が展開されるが、北海道銀行のセカンド山本がランバックでハウスをオープンに。ハウスは北海道銀行の黄石がふたつ残るが、SC軽井沢クラブは金井が2投目で難易度のあるダブルテイクアウトで一掃した。両フォースの上野美と田畑は1回ずつのヒットステイの後、田畑がピールでブランクエンドとした。

  • 8エンド

    複数点が欲しい北海道銀行はTライン奥ながらフロントエンドでNo.1とNo.2ストーンを作ることに成功。しかし、SC軽井沢クラブがセカンド西室のヒットロールなどで盛り返す。それでも北海道銀行はセカンド山本のヒットステイなどで再びNo.1とNo.2を確保。SC軽井沢クラブは上野美のNo.1を狙った1投目がショートし3失点のピンチを招くが、2投目でピンポイントでフリーズを決め1失点にまとめた。北海道銀行が1点を取らされる形で1点勝ち越す。

  • 9エンド

    先攻の北海道銀行はリードの中島がセンターラインにセットアップ。両軍セカンドの山本と西室がその裏を奪い合う展開になる。山本の2投目が有利なアングルになったため、SC軽井沢クラブは西室の2投目でセンターガードをカットしオープンになった。両軍バックエンドが速いウェイトのショットで相手の石を叩き合い最終的にはブランクエンドに。

  • 10エンド

    1点を追うSC軽井沢クラブが後攻で最終エンドを迎えた。1点に抑えてエキストラエンドで勝負したい、あるいはスチールで勝ちたい北海道銀行はリードの中島がセンターガードを置きセンター戦を挑む。2点が欲しいSC軽井沢クラブはリード上野結、セカンド西室がセンターガード裏に赤石を送り、北海道銀行のセカンド山本、サード仁平がそれを叩く。最後は両軍スキップの投げ合いになったが、SC軽井沢クラブの上野美がセンターにドローを投げて2点。逆転で優勝を決めた。

見どころ

 北海道札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで開催中の第41回全農日本カーリング選手権大会は4日(日)に決勝を迎える。

 やはり注目は両チームの誇る若きフォース、北海道銀行は21歳の田畑百葉、SC軽井沢クラブは22歳の上野美優、勝負強い2選手の投げ合いだ。

 田畑率いる北海道銀行は予選1次リーグでLOCOSOLAREにこそ惜敗したが、2次リーグではフォルティウス、中部電力、SC軽井沢クラブという難敵に3連勝。すべて接戦を競り勝つ粘り強さを発揮した。「しっかり勝ち切るのは上に行くのは必要なこと」とは田畑のコメントだが、若いチームながら劣勢でも落ち着いて現状を分析できる胆力も備わってきた。

 勢いという意味では準決勝、上野のスーパーショットで中部電力を退けたSC軽井沢クラブに分があるかもしれないが、そのぶん疲労も蓄積しているだろう。「自分たちから先にミスをしないようにしたい」とは決勝を見据えた上野の談話だが、集中力の持続は鍵となるだろう。

 いずれにしても両エースにビッグショットを狙える形を作れるか。リードからサードまでのショットの繋がりは不可欠だ。2019年以降、日本選手権優勝を分け合ってきたLOCOSOLAREもフォルティウスも中部電力も大会を去った。初優勝はどちらになるだろう。

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