日本カーリング選手権大会2024

2024/2/3 13:30

SC軽井沢クラブが決勝進出、3連覇に王手

13:30(準決勝)

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
SC軽井沢クラブ 1 1 0 0 2 0 0 3 1 × 8
LOCOSOLARE 0 0 2 0 0 2 1 0 0 × 5

総括

 北海道札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで開催中の第41回全農日本カーリング選手権大会は3日(土)に準決勝を迎え、LOCOSOLARE(予選2位)とSC軽井沢クラブ(予選3位)の対決となった。

 ポジション別のショット率としては大きな開きがなく、多くのエンドでリードが確実にセットアップに成功した締まりのある準決勝だった。

 勝敗を分けたのは経験だろうか。SC軽井沢クラブは一貫して冷静だった。2点を取られた3エンド、6エンドをはじめ、スチールを許した7エンドも劣勢ではあったが、特に7エンドはスチールを許しながらも傷口を最小限に済まし、偶数エンドで得点というカーリングの基本に立ち返る判断だった。

 その8エンドにはアイスの変化を捉えきれずにミスが続いてしまったLOCOSOLAREに対し、SC軽井沢にもミスは出たが少し様子見に回ったぶん、致命傷にならずに結果的に勝負を決めるビッグエンドを作った。チームとしてリスクマネジメント能力の高さが光ったが、日本代表としての活動も含め今季、100試合に迫る実践を経て得た経験値の賜物だ。リードの小泉は「カナダ遠征などの成果が今日の勝利に出た」と胸を張った。

「明日(の決勝で)勝つために1年間やってきた」と山本は言う。3連覇に王手がかかった。

テキスト速報

  • 1エンド

    予選上位のLOCOSOLAREが後攻で試合開始。先攻のSC軽井沢クラブはセンターに、LOCOSOLAREはコーナーにガードを設置。LOCOSOLAREリード上川の2投目、SC軽井沢クラブのセカンド山本の1投目などでセンターに石を積んでゆくが、以後はハウス内に強い石を作れない展開が続く。LOCOSOLAREサード中原が1投目でガードを払うと2投目でランバックを決めるが、SC軽井沢クラブ栁澤がタップを決めてNo.1ストーンを作る。LOCOSOLAREは前田拓海のラストロックでダブルを狙うもNo.1ストーンには届かず、SC軽井沢クラブが1点をスチールで奪った。

  • 2エンド

    1点をリードしたSC軽井沢クラブのリード小泉はセンターにセットアップ。LOCOSOLAREのリード上川は1投目でコーナーにガード、2投目はセンターにフリーズをした。SC軽井沢クラブのセカンド山本がさらにフリーズを重ねるとLOCOSOLARE前田拓紀がセンターガードをピール。山本は2投目でセンターにガードを置き直すが、前田拓紀がそのガードからランバックでハウスに自軍の黄石だけ残すナイスショット。LOCOSOLAREサードの中原がコーナーへのドロー2投でチャンスメイクを試みるも、SC軽井沢クラブ栁澤がレイズとヒットロールと、立て続けに好ショットを決め連続スチールに成功。リードを広げる。

  • 3エンド

    SC軽井沢クラブはリード小泉の2投、セカンド山本の1投目とセンターに3つの赤石を集めるも、LOCOSOLAREセカンドの前田拓紀がトリプルテイクアウトを放つ。綺麗になったハウスにSC軽井沢クラブはドロー、ヒットロールで2つの石を送ることに成功するが、続くLOCOSOLARE中原がこれをダブルで弾く。さらに中原はハウス内の自軍のNo.1ストーンをウィックしてNo.1とNo.2を作り、2点パターンを作ることに成功。SC軽井沢クラブのスキップ栁澤もNo.1を取り返すヒットステイで抗うが、最後は前田拓海がダブルテイクアウトで仕留め2点を獲得。同点とした。

  • 4エンド

    序盤は先攻のLOCOSOLAREのリード上川が置いたセンターガードの裏を巡っての攻防が続くが、SC軽井沢クラブはセカンド山本がセンターガードを払い展開をクリーンにした。ガードのないオープンなハウスで両チーム共にセカンド、サード、スキップまでヒットステイを続ける。先攻LOCOSOLAREの前田拓海が最終投でシューターを残せなかったが、SC軽井沢クラブの栁澤はラストロックをスルーさせてブランクエンドに。後攻の権利を持ったまま5エンドに進む。

  • 5エンド

    先攻LOCOSOLAREのリード上川によるセンターのセットアップを軸にフロントエンドで石を積んでゆく。SC軽井沢クラブは山本の2投をクリアリングに費やしてセンターガードを除く。空いたラインからLOCOSOLAREの中原がハウス内の形を変えにいくが当たりどころがズレてしまい、SC軽井沢クラブの赤石のみが残った。SC軽井沢クラブはサード山口のドローとヒットロールでハウス内でダブルテイクアウトのしにくいNo.1、No.2ストーンを持った好形を作り、最後は栁澤がドローを沈め2点を勝ち越しハーフタイムへ。

  • 6エンド

    5分間のハーフタイムを挟んで、2点リードを持ったSC軽井沢クラブ先攻で後半戦がスタート。リードの小泉はセンターライン、対するLOCOSOLAREの前田拓紀はコーナーにそれぞれセットアップする。SC軽井沢クラブのセカンド山本がコーナーの黄石を狙うもかすめただけで逸すると、すかさず前田拓紀がセンターとコーナーにカムアラウンドを投げ分けた。上川の好スイープも手伝って、LOCOSOLAREはNo.2とNo.3ストーンを保持し、複数点の足場を固めた。さらにサード中原がガードストーンから石ふたつを干渉させるソフトなランバックを決めてNo.1とNo.2を獲得。SC軽井沢クラブのスキップ栁澤も精緻なヒットロールで複数得点を阻みにいくが、LOCOSOLAREの前田拓海はしっかりと4フットドローを決めて2点を返し、再び同点とする。

  • 7エンド

    後攻を持ったSC軽井沢クラブは徹底してセンター戦を続けるが、LOCOSOLAREのセカンド前田拓紀とサード中原が精度の高いドローをハウスに送り込み、SC軽井沢クラブの山本がクリアリングに回る苦しい展開となる。さらにセンターに石を積もうとしたSC軽井沢クラブ、サード山口のカマーはガードをチップすると、それにつけ込むようにLOCOSOLAREはスキップ前田拓海の1投目までに相手の石を撃たずに、No.1とNo.2ストーンを作る強気な選択を見せた。SC軽井沢クラブのスキップ栁澤は1投目でランバック、2投目は1点スチール覚悟のレイズと難しいショットを投げさせられ最小失点でしのいだ。LOCOSOLAREはスチールでこの試合、初のリードを奪った。

  • 8エンド

    やや重くなりはじめたアイスの変化を両軍ともに捉えられず、ガードにひっかけたストーンの思わぬ挙動などで後攻のSC軽井沢クラブはサード山口の1投目までにハウスを広く使ったNo.1-3を持つ3点パターンができた。対してLOCOSOLAREのスキップ前田拓海は最終投のヒットロールで2点どまりにしたいところだったが、ロールが長くなってしまい、ラストロックで栁澤がコーナーガードをすり抜けるヒットステイを決めSC軽井沢クラブが3点獲得。三たび2点のリードとした。

  • 9エンド

    残り2エンドで両軍ともに残り7分と、タイムアウトの権利は保有しつつ、やや少ない持ち時間となっている。
    このエンドで絶対に複数点を奪いたいLOCOSOLAREのリード上川は両コーナーにガードを散らしたが、SC軽井沢クラブのスキップ栁澤は2投を使ってこれを着実にカットする指示を出した。ただ、山口のヒットロールのシューターが少し流れたところをLOCOSOLAREは見逃さず、そこを足掛かりにサード中原のヒットロールの2投でNo.2-No.4を作った。SC軽井沢クラブはスキップ栁澤がNo.2をヒットステイで取り返すも、LOCOSOLAREの前田拓海がラストロックでダブルを決めれば3失点という形だったが、惜しくも決まらず、虎の子のNo.1ストーンを守ってスチール。3点のリードで最終エンドへ。

  • 10エンド

    3点が必要な後攻のLOCOSOLAREは9エンド同様、左右にコーナーガードを配置。SC軽井沢クラブはフロントエンドではセンターに石を集めつつ、セカンドの2投目からはクリアリングを徹底してゆく。セカンド山本、サード山口共にシンプルショットを決めてチャンスの芽をしっかり摘んだ。LOCOSOLAREもなんとかハウスの中に石をためようと試みるが、最後はSC軽井沢クラブの栁澤が着実にテイクを決め試合終了。SC軽井沢クラブが決勝に進んだ。

見どころ

 予選2位のLOCOSOLAREと同3位のSC軽井沢クラブの一戦となった。

 LOCOSOLAREは今季、上川憂竜ー前田拓紀(バイス)ー中原亜星ー前田拓海という新オーダーを組んだ。上川のスイープを最大限に活用する狙いだ。カナダ遠征では3大会に出場して1度の優勝を含みすべてクオリファイ(プレーオフ進出)するなど結果がついてきた。今大会も大会序盤から好調で「アイスの状況がわかってきた」とは前田拓。3度目の日本選手権で初優勝を狙う。

 3連覇を狙う王者・SC軽井沢クラブは初優勝の2022年は予選全勝、連覇を達成した昨年も予選は1敗のみという結果でクオリファイしてきたが、今大会はこれまでに2敗を喫し3位に滑り込む苦しい道中となっている。それでも山口剛史は「これが日本選手権。チームの雰囲気もいいし課題も出た。大会後半に向けてコンディションを上げていくという話はチームでしていたので、もっといい試合ができると思う」と持ち前の明るさで巻き返しを誓った。

 両軍ともにシートに石をためて撃ち合うスタイルで、2次リーグの直接対決ではビッグエンドとスチールがそれぞれ3度も記録される乱戦となった。この準決勝でも先攻のSC軽井沢クラブの小泉がいつも通り丁寧なセットアップを遂行すれば、序盤から殴り合いになる可能性も十分だ。コンサドーレの待つ決勝に駒を進めるのはどちらのチームだろうか。

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