日本カーリング選手権大会2024

2024/2/3 18:00

SC軽井沢クラブが逆転勝ちで決勝進出

18:00(準決勝)

チーム 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10
SC軽井沢クラブ 0 0 2 0 1 0 0 1 0 2 6
中部電力 0 1 0 1 0 1 1 0 1 0 5

総括

 北海道札幌市のどうぎんカーリングスタジアムで開催中の第41回全農日本カーリング選手権大会は3日(土)に準決勝を迎え、中部電力(予選2位)とSC軽井沢クラブ(予選3位)の対決となった。

 序盤から両チームともに慎重な作戦、ショットを選択。アイスの状況を探りながらチャンスがあれば複数得点を狙う堅い展開となった。中盤以降もどの選手にもミスは出るが、その後のショット、あるいは次の選手がカバーし均衡を保ったまま後半戦へ。

 試合後、SC軽井沢クラブのサード金井は「しっかりチャンスを待てたのが勝因」と振り返ったが、分水嶺となった9エンドでピンチを脱するダブルテイクアウト&ロール、続く最終10エンドのラストロックでピンポイントドロー、鍵はスキップ上野美が決めたスーパーショットだ。

 惜しくも及ばなかった中部電力の北澤も「私たちのイメージしたとおりに投げさせたいところに投げさせた」とコメントしたが、決めた上野美を褒めるしかない精度だった。

 この勢いを持ってSC軽井沢クラブは2年連続の決勝進出。相手は予選2次リーグを全勝で突破した平均年齢21歳の北海道銀行だ。「見ている方が楽しいカーリングをしたい」と上野美。同じく勝負強いショットが持ち味の北海道銀行・田畑百葉との新世代のスキップ同士の投げ合いに注目だ。

テキスト速報

  • 1エンド

    ハンマーを持ったのは予選上位の中部電力。先攻のSC軽井沢クラブのリード上野結生は1投目からハウスに入れ、中部電力はそれをヒットステイ。オープンなハウスを前にヒットステイの叩き合いとなる。セカンド、サード、スキップまで大きなミスをせずに、アイスの感触を確かめながらも時間を使わずにエンドを消化。最後は後攻の中部電力スキップ、北澤育恵が石のないハウスに向かってコーナーにスルーを投げ、ラインの情報を取りながらブランクエンドとした。

  • 2エンド

    1エンドに続きオープンな展開になるが、SC軽井沢クラブのサード金井にコーナーのクリアリングでミスが出てしまい、そこに中部電力のサード中嶋星奈がコーナードロー。続くSC軽井沢クラブの上野美がランバックを狙うも決まらずに、中部電力の北澤はハウス内で横に石を並べる2点パターンを作ったが、上野美が最終投で難易度の高いヒットロールでNo.1ストーンに寄せエンドセーブ。北澤はラストロックでやむをえず1点を取らされるドローを投げ中部電力が1点を先制した。

  • 3エンド

    先攻の中部電力はリードの鈴木がセンターラインにセットアップを試みるが、2投目をスルーしてしまう。対してハウスに自軍の赤石をためたいSC軽井沢クラブは、リード上野結のカムアラウンド、セカンド西室、サード金井のヒットロールなどでスコアに直結する石を作ってゆく。1投遅れた印象の中部電力はスキップ北澤が劣勢を打開すべく1投目で速いショットをハウスに放りセンターを空けたが、2投目で好位置を取れず。SC軽井沢クラブの上野美がヒットステイで2点を取って逆転した。

  • 4エンド

    逆転を許した中部電力はセカンドから仕掛ける。セカンドの江並が1投目でコーナーガード、2投目でその裏にカムアラウンド。SC軽井沢クラブは西室のランバック、金井のダブルテイクアウトで対応し、複数得点のリスクを減らしていく。中部電力も北澤の2投で2点目を模索するが、オープンなハウスとあって効果的な石は作れずに2エンド同様1点を取らされる結果となった。

  • 5エンド

    中部電力のリード、鈴木が置いたセンターガード裏を両軍フロントエンドで狙いにいくが有効な石は置けない我慢比べとなる。膠着(こうちゃく)状態を破ったのは中部電力サードの中嶋だ。センターガード裏にカムアラウンドを投じ、その石を江並がフルスイープでほぼ完璧な位置に運んだ。対するSC軽井沢クラブはサードの金井の2投でセンターラインを払うが上野美とのショットが繋がらず、No.1-3を作られて1点を取らされた。

  • 6エンド

    ハーフタイム明け、偶数エンドで複数点の欲しい中部電力だがリードの鈴木のセットアップに乱れが出る。続くセカンド江並、サード中嶋もセンターガードにつかまるミスショットを放ってしまい、スキップの北澤のラストロック時にはハウス内はSC軽井沢クラブの赤いNo.1-4ストーンが並んだ。北澤は冷静にセンターにドローを沈めるが、このエンドも1点どまりとなる。

  • 7エンド

    両チームのリードが4投をセンターライン付近に寄せるセンター戦という展開で中部電力の江並が痛恨のホグラインオーバーをしてしまうが、中部電力はタイムアウト。両角コーチと最善と最悪を確認したのちに、サードの中嶋星奈がフリーズ、ヒットロールと好ショットでピンチを脱し、逆にスチールのチャンスを生む。SC軽井沢クラブは上野美の1投目、アングルをつけた速いテイクが一気に盤面を動かす。No.1-3を獲得する形成逆転ショットで応戦するが、その空いたセンターに北澤がカムアラウンドを決めてスチールする結果となった。

  • 8エンド

    逃げる先攻の中部電力はセンターガード、追うSC軽井沢クラブはコーナーガードというセオリー通りのエンド構成を見せる。両チーム共にセカンドとサードでヒットロールを中心にいいポジションの取り合いを演じるが精度で中部電力が勝り、SC軽井沢クラブは1点を取らされるエンドとなった。同点で残り2エンド、持ち時間は中部電力が7分。SC軽井沢クラブは6分だがタイムアウトはまだ使っていない。

  • 9エンド

    リードからまたセンター戦となり、ハウス上部に石がたまりかけるがブランクエンドも視野にある中部電力はセカンド江並が2投をクリアリングに費やす。続く中嶋もテイクで石を減らしつつ、ブランクエンドと複数得点の両睨みで進行させながらも、スキップ北澤の1投目でNo.1-3を作り複数得点の形を作る。しかし、最後はSC軽井沢クラブ上野美がダブルテイクアウトした上にシューターをガードとして残すスーパーセーブを見せて中部電力が1点を取らされた。

  • 10エンド

    1点ビハインドながら、SC軽井沢クラブは後攻を持って最終エンドを迎える。両軍フォースの1投までの計14投はすべてドローという4フットの中に6つのストーンが入り乱れながら、さらに共に持ち時間が30秒を切る極限状態に。2点が欲しいSC軽井沢クラブは上野美がラストロックでセンチ単位の繊細なスーパードローを決め、2点をスコアして逆転勝利。上野美の勝負強さがすべてを凌駕した。

見どころ

 予選1次リーグ、2次リーグを通して勝ち星が並んだが、直接対決の結果で中部電力が2位、SC軽井沢クラブが3位となり、準決勝を戦う。

 今季から鈴木みのりをリードバイスに抜てきし、新加入の江並杏実をセカンドに固定した中部電力。今大会はサードの中嶋星奈が好調で、北澤育恵の決定力を際立たせている。1次リーグではフォルティウスに、2次リーグでは北海道銀行に黒星を喫したが「細かいミスを減らせばまだまだ調子が上がっていくと思う」とは北澤。札幌での日本選手権は2019年以来5年ぶりだが、その大会を制したのはこの中部電力。相性のいい会場で、SC軽井沢クラブ、そして北海道銀行の初優勝を阻めるか。

 対するSC軽井沢クラブは上野結生ー西室淳子ー金井亜翠香ー上野美優というオーダーで戦う。今大会は上野結と西室のフロントエンドのパフォーマンスの高さが目立つ。セットアップはもちろんだが、何度も氷をこするのではなく、ブラシに体重をかけて独特の動きでのスイープも注目だ。

 北澤、上野美という両フォースまでにいかにいい形を残すことができるか。リードからサードまでの6投で続けてミスをしないこと、ミスのダメージをスイープや素早いプランの切り替えなど最小限で止めることが勝負の分かれ目になりそうだ。

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