【エナジックスポーツ】はじける「スマイルポップコーン」 ノーサイン野球で初切符(沖縄県)
「相手の予測をこえたプレーが可能に」
主催者のアンケートで、チームの首脳陣が指導方針や信条を書く欄に見慣れない単語があった。「スマイルポップコーン」。チームの造語で、フライパンの上のポップコーンのように、はじける笑顔を連想させるポップで活気に満ちたキーワードだ。
試合スタイルにも、そんな信条は表れている。2014年春に同県の美里工を春夏通じて初の甲子園に導いた実績がある神谷嘉宗監督が掲げるのは「ノーサイン野球」。練習でも試合でも、神谷監督はサインを出さず、選手たちが集中力を研ぎ澄ませ、アイコンタクトでコミュニケーションして次のプレーを決めている。
連携ミスも時にあるが、「型にはまらない自由な発想で相手の予測を超えたプレーが可能になる」と自信に満ちた言葉がアンケートには記載されていた。
情報系の検定取得多数 趣味は「エイサー」に「沖縄闘牛」
スポーツに特化した学校をうたうが、資格取得も重視している。選手23人に実施したアンケートでは、取得した資格として「日本語ワープロ検定3級」と記した選手は10人おり、「情報処理検定3級」も5人。情報系の初歩から勉強を重ねている選手が多い。
選手の大半は沖縄出身で、趣味を尋ねる質問では、伊佐英太選手と宮城飛斗選手が沖縄の伝統芸能「エイサー」を挙げ、瀬良垣壱瑠投手は「沖縄闘牛」と答えた。将来の夢は「未定」が6人で最も多く、エースの久高颯投手やイーマン琉海(るかい)選手らが書いた「プロ野球選手」が5人で続く。
まだ卒業生は少なく、アルプス応援も初めて。これまでの大会では、地域の小中学生で構成されたチアリーディングチーム「ハニーズ」が応援に駆けつけてくれた。地元の応援を背に、初の大舞台でも、はじける笑顔を野球ファンに焼き付ける。