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【天理】伝統ある紫のユニホームを導く「ダブルキャプテン」(奈良県)

毎日新聞

新生天理 強打のイメージ一新

守備練習でかけ声を出す天理ナイン 【久保玲撮影】

 昨年1月に天理大から藤原監督が就任し、伝統的な強打のイメージを一新した。スローガンは「チームのために」。守りを中心に、チーム一丸で勝利を目指す野球が今のチームカラーだ。

 天理大を阪神大学リーグで11度の優勝に導いた藤原監督が一貫して掲げていたのが、守り勝つ野球だった。就任とほぼ同時に高校野球で低反発の新基準バットが導入されたこともあり、守備重視の方針へとチームのかじを切るのは理にかなっていた。

 攻撃ではサインを出し、チーム打撃を徹底する。これまでは基本的にノーサインで選手の判断に任されていたが、ベンチから状況に応じて犠打や進塁打のサインが出るようになった。「これまでは『個の打撃』になっていた部分があった。新基準バットでは、なかなか点には結びつかない」と藤原監督は狙いを語る。

守り勝つ野球 聖地で披露

共同主将としてチームを引っ張る天理の永末峻也選手(左)と赤埴幸輝選手(右) 【久保玲撮影】

 キーマンは主に1番を打ち、共同主将の一人でもある赤埴選手だ。安定したスローイングが武器の遊撃手として1年時から公式戦に出場し、経験豊富な攻守の要としてけん引する。もう一人の共同主将を務める永末選手や吉田泰輝選手ら上位打線は打力もありながら、要所で小技も決める器用な2人がつなぐ役割も果たす。4番の冨田選手は劣勢や試合がこう着した場面で、長打で局面を打開する力がある。

 投手陣は下坊投手、伊藤選手の両右腕の継投が軸だ。下坊投手は最速141キロの直球とキレのある縦方向のスライダーを操る。昨年3月に投手転向したばかりだが、昨秋にいきなりエースを任された成長株だ。伊藤選手は主に内野手として先発出場して救援でマウンドに上がり、181センチ、88キロの体格から力のある直球を投げ込む。

 伊藤選手は打者としても昨秋、中軸で2本塁打を放ち「二刀流」の活躍を見せる。下坊投手は負担軽減のために下位打線に回ったが「中軸でもいい打力」と藤原監督に評されるなど、打撃でも非凡な才能を持つ。

 昨秋の近畿大会準決勝では東洋大姫路に3-11で七回コールド負け。打撃で圧倒された経験から、冬場は多くの選手が体作りに力を入れた。鍛え直した体で、新たな「守り勝つ天理」を甲子園で披露する。

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