【早稲田実】鮮烈だった昨夏の熱戦 「考える野球」で挑む春(東京都)
昨夏の経験者は11人 中村主将・山中選手が投打の軸
二松学舎大付との決勝は、昨夏の大社(島根)戦を想起させた。先制されながらひっくり返すも、終盤に追いつかれ、延長タイブレークの末にサヨナラ負けした。展開は同じで今回は5-6で敗れて準優勝だったが、タイブレークの延長十回、十一回はいずれもピンチで併殺を完成させるなど、粘り強い守備を見せた。
エースの中村主将は最速145キロの伸びのある直球を生かした投球で、秋の公式戦は5試合に投げて3完投。準決勝の淑徳戦では10奪三振の力投で完封するなど、防御率1・13と安定感が光った。ただ、中村主将頼みの側面もあり、和泉監督は「中村を使わずに(他の投手で)試合を作れると上位も見えてくる」と話す。決勝で好救援した右横手の田中投手らの成長が、トーナメントを勝ち進む鍵を握りそうだ。
下位まで切れ目ない打線 打率4割以上が5人も
昨夏の主力、宇野真仁朗選手(ソフトバンク)らが抜けて内野陣の顔ぶれは大きく変わったが、守備では遊撃の川上選手、三塁の喜沢選手らが東京大会決勝の緊迫した場面で球際の強さを示すなど、着実に力をつけてきた。
清宮幸太郎選手(日本ハム)らを擁した2017年の第89回大会(2回戦敗退)以来のセンバツ。甲子園経験者が多く、新チームの発足時にミーティングでスローガンを「同心」に決めた。「早実で野球をやるからには日本一を目指す」との思いは一致している。
中村主将は「去年は3年生が引っ張ってくれた。今度は自分たちが引っ張る番」と、先輩が果たせなかった全国の頂点を見据える。