【二松学舎大付】大都会のど真ん中から東京王者が聖地へ乗り込む(東京都)
どこからでも点に しつこさ光る新スタイル
テーマを象徴する試合だったのが、延長十二回タイブレークまでもつれた早稲田実との東京大会決勝だ。放った14安打のうち、内野安打は10本を数えた。大黒柱になるような強打者はいないが、どこからでも得点につなげる新スタイルの野球を実践。市原監督は「決まった得点パターンが無く、何通りも試せる。良い意味で形がない」と自信をのぞかせた。
打のキーマンは1番の入山唯斗選手だ。身長170センチ、62キロと小柄だがバットコントロールにたけている。チームトップタイの5盗塁と俊足で、リードオフマンとしてチームを勢いづける役割が期待されており、「流れを引き寄せるプレーをしたい」と意気込む。
打率5割超をマークした6番・花沢莞爾選手は前のチームでも中軸を任された。2年生ながら4番を経験した福和田啓太選手、明治神宮大会で4番を任されて2安打を放った早坂選手も楽しみな逸材だ。安打だけでなく、小技と機動力をうまく生かして、泥臭く得点を狙う。
投手陣は河内投手、及川投手の両右腕の継投を軸で勝ち上がった。河内投手はチェンジアップやスライダーなど、多彩な変化球で的を絞らせない。「ピンチの方が好き」と話すようにマウンド度胸もある。
監督「采配楽しいチーム」 投手起用にも注目
1982年春の準優勝以降、センバツは5回の出場も白星からは遠ざかる。市原監督は「采配が楽しいチーム。難しい初戦を全員で乗り切りたい」。春の甲子園で43年ぶりとなる勝利を新スタイルでつかみとる。