【千葉黎明】101年目の快進撃 「戦国千葉」からいざ初陣(千葉県)
敗者復活から粘り強く 勝ち取った関東4強
夏の厳しい練習が実を結んだ。昨夏の千葉大会は初戦敗退に終わった。新チーム結成後、取り組んだのが27個のアウトを続けて取れなければ終われない「ノーエラーノック」。徹底的に守備を鍛えた。我慢強さや集中力も培われ、秋は終盤の得点力が際立った。
4投手中心に守備を底上げ
左の米良康太投手は右打者の内角を突く強気の投球が持ち味だ。関東大会2試合で先発を務めた左腕・飯高聖也投手は制球とテンポが良く、センバツ優勝経験のある山梨学院を相手に四回途中1失点と粘り、主導権を渡さなかった。右の岩下竜典投手もマウンド度胸があり、厳しい場面で臆さず球を投げ込める。
打線の中心は昨秋に安打数、打点の二つでチーム最多を記録した山本選手、勝負強さが光る佐々木悠晴選手。大橋蓮選手も長打力がある。中軸3人の前に走者をためたい。
チームが何より重視してきたのが走塁と守備だ。昨秋の公式戦では14試合で計35盗塁をマークし、守備も千葉大会では6試合で1失策の堅守を見せた。ただ、関東大会では強豪相手に焦りが生まれ、3試合で7失策。冬場は守備力の底上げを図った。
ずば抜けた選手はいないが、中野監督は「野球は個々の技量が劣っていても、束になって戦えば対等に戦うことができる」と語る。アウトカウントや点差など、その場面の状況をしっかり理解した上で戦うことを日ごろから強く意識している。山本主将は「野球の質で勝つ姿を見せたい」と力を込める。地域密着をうたい、交流も盛ん。創部101年目でつかんだ初の甲子園切符だけに、地域の人々とともに勝利の校歌を響かせてみせる。