【異競技対談】後藤陸翔は「石川祐希の食事スタイル」を参考 バスケ・大倉颯太もストイックさに感嘆

加賀一輝

コンディションを保つ秘訣は?

日々のコンディショニングがあってこそ、試合や練習に全力で臨めるのだ 【(c)TOKYO GREAT BEARS】

ーーコンディショニングについてはどうでしょう? 何か気をつけていることはありますか。

大倉 僕は食事の制限だったり、長く寝ようとしたりする方がストレスに感じます。ちょっとリズムを崩すので、自由に生きている感じなんですけど。連戦が続くと筋肉量も落ちてきて体重が軽くなっちゃうので、しっかり食べるようにはしていますね。

後藤 特に意図的にこの食べ物を摂るというより、量を食べる感じですか?

大倉 そうですね。お腹が空いてなくても、ある程度しっかり食べる。チームからプロテインやサプリメントを出されたりはするので、そういうのはしっかりやりつつ。

ーー体のケアで気をつけていることは?

大倉 トレーナー陣から与えられたエクササイズは欠かさずやるようにルーティン化しています。それをやらないと調子が悪くなるのは感じていて、だから今は体がフレッシュなんです。日々の積み重ねなのかなと思います。

後藤 僕はいつも10時間ほど寝ますね。あとは毎日交代浴に入るぐらいです。

大倉 温かいお風呂と水風呂を交互に入る?

後藤 そうです。8度ぐらいの水風呂で結構冷たいんですけど。

大倉 たまにサウナに行く時に水風呂入るけど、そこまでは冷たくないかな。

後藤 ですよね(笑)。血流を良くして疲労をすぐ取れるように、というのは意識しています。翌日の練習にしっかり100%出したいので。

大倉 それは学生時代からやってるんですか?

後藤 いや、プロになってからですね。それですごく自分の体が調子良いので、コンディションを保てている秘訣なんじゃないかなと思いますね。合う人・合わない人がいると思うので、僕はたまたま合っているから続けられています。

ーー聞いた話によると、後藤選手は石川祐希選手の食事スタイルを参考にされているそうですね。

後藤 はい、そうなんです。シンプルに「いらないものは摂らない」というスタイルで、鶏肉や野菜だったりと脂質が少ないものを選んで、ご飯も量って摂ります。シーズン中はホテルで食事をする機会もありますが、自宅で作って食べる時は極力そのスタイルですね。

大倉 例えば、どういうメニューなんですか?

後藤 鶏胸肉のソテーだったり、野菜を摂るためにポトフにするとか。それにフルーツとヨーグルト、みたいなシンプルなものなんですけどね。結構合ってました、自分の体には。

大倉 本当にストイックだ(笑)。外食や飲み会は?

後藤 行かないです。 今、自分の体には必要ないんじゃないかなと思って。

大倉 僕も別にお酒は好きじゃないです。外食のときは周りに合わせて飲みますけど、それ以外は基本飲まない。ただ、お酒をめっちゃ飲んで調子良い人もいるので、人それぞれかも(笑)。

お互いがお互いに聞きたいこと

後藤は大倉に「勝負どころの心得」を聞いた 【(c)TOKYO GREAT BEARS】

ーーお互いがお互いに聞きたいことはありますか?

大倉 聞きたいことというより、まず本当に競技に対してストイックだなと思いました。食事もそうだし、健康を保つためにやっていることだったり、すごくリスペクトだなと。感心しました。

後藤 嬉しいです! 大倉さんはどんな場面でも落ち着いているように見えますし、冷静だなと感じています。勝負どころでは何を考えてプレーしていますか?

大倉 本当に勝ちたいっていう気持ちだけでやっているかもしれないです。あまり気負いすぎずって感じ。上手くいっていても、そうでなくても、感情は常にニュートラルにいるようにしています。

後藤 自分は勝負どころでたまに焦ってしまう部分もあるので、すごく勉強になります。

ーー大倉選手のその冷静さは、もともと持ってる資質なのでしょうか? それとも、後から身につけていったもの?

大倉 大学生の時、周りに上手い選手がたくさんいる中でガードをやらせてもらったので、そこで身についたのかなと思っています。

後藤 高校まではそこまで冷静にやっている感じはなかったんですか?

大倉 そうですね。中学生や高校生の時は結構自分の好きなようにできていたので、あまりそういう感覚にはなかったです。

東京GBのホームゲームの魅力

2月20日には東京GBのホームゲームにA東京の選手、マスコットが来場。東京を本拠地とする両チームの今後に期待だ 【(c)TOKYO GREAT BEARS】

ーー後藤選手、グレートベアーズのホームゲームについて魅力を教えてください。

後藤 我々のホームゲームは、SVリーグの中でも演出に特に力を入れています。会場のファンの方々との一体感だったり、会場内の演出を見てほしいです。僕たちのバレーボールのスタイルはスピード感が溢れるスタイルなので、オフェンススピードの速さは魅力だと思います。あと、身長が高い選手が揃っていて、ブロックにすごく力を入れているので、そこを見てほしいですね。

ーーグレートベアーズは「10,000人プロジェクト」など、集客に力を入れている印象もあります。

後藤 そうですね。フロントスタッフだけじゃなくて、選手もチームの情報を発信する部分にすごく力を入れていますので、来ていただいたファンの方々に満足して帰ってもらえるようなパフォーマンスができればいいなと思っています。

ーー大倉選手、今の後藤選手のアピールを聞いてどうですか?

大倉 まずはきっかけがあって観に行きたいなとなるので、今の話を聞いて1回観に行ったらちょっとハマりそうだなという感じはしました。

後藤 何事もまず1回体感しないと分からないですもんね。

大倉 そうですね。本当にバレーを観に行ったことがないので、まずは会場の雰囲気から入ってみたいなと思います。

後藤 シンプルにボールが床に落ちれば得点が入るので、初めて観に来ていただいた方でもわかりやすいルールなんじゃないかなと思っています。

ーー最後に、お二人のシーズン終盤への意気込みをお願いします。 

大倉 自分たちの強みを毎週出し続けるために、1試合1試合勝つことだけじゃなくて、ステップアップできるように何が必要かを考えてやっていきます。もちろん、チャンピオンシップ進出や優勝することに向けてですね。

後藤 チャンピオンシップ進出をまずは目標にしています。僕たちは現在4位で、現実味が帯びてきている形になっていますので、まずはそこを達成することですね。あとはチャンピオンシップに行った時に、一発勝負で力を発揮できるチームになっていきたい。この後の試合を大事に戦いながら、目標に向けて調子を合わせていけたらと思っています。

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著者プロフィール

1988年3月6日、愛知県生まれ。成蹊大学卒業後、一般企業を経て独立。ライティング、MCなど幅広く活動する。2016年〜23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。

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