新しいヒロイン2025《97期生・吉田 鈴》

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吉田 鈴 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 2025シーズンがまもなく開幕する。最終プロテストの難関を突破した97期生が希望を胸にデビューを待つ。2024年の総受験者は695人、合格率はおよそ3.7パーセントだった。今年、羽ばたく26人を紹介する。

 よしだ・りん=2004年2月21日

 今月21日は21歳の誕生日。3月、ルーキーとして新しいスタートを切る。年明けから用具、ウェアなど新しいスポンサー契約が決まった。調整にも熱が入るといものだろう。

 姉・優利はひと足早くUSLPGAツアーでシーズンをスタート。妹もJLPGAツアーで注目が集まるひとりだろう。「姉はアマチュアの時から、トップで戦っていた。マネをしているわけではないけど、近くにいると参考にすることが多い。プレースタイルは似ていないと思います。思考、コースの攻め方などは違う。でも、いろいろなことでプラスになる面が多い。ありがたいと感じます」と話した。

 とはいえ、傍目からみていて、似ているなぁ、と思うことが。トークだ。質問をよく聞いて、理路整然と説明する。常々、たいしたものだ-と吉田姉妹を取材するたびに感心することのひとつ。「私の考えていることを、わかりやすく言葉にして伝えることが大切です。そうすれば、アスリートとして応援してくださる方が多くなるでしょう。プレーする立場として、そうすることでものすごく励みになります」と説明した。

吉田 鈴 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 24年、JLPGAツアー8試合に出場。7月、大東建託・いい部屋ネットレディスでは自身初のトップ10フィニッシュを決めている。一方で、出場試合はホールアウト後、サインを求めるファンが列をなす。知名度を生かし、アマチュア時代から着々とプロフェッショナルの気構えを養ってきた。

 しかし、目標とする選手は、古江彩佳。「メジャーで優勝する勝負強さ。それからプレーを拝見しているとスイング、リズムなど、あこがれるプレーヤーです。また、世界に出てみると、それほど体形に恵まれているわけではありません。それでも、トップに。本当にお上手です。あのうまさが私もほしい」と、いう。

 得意クラブはユーティリティーだ。とりわけ、7Wが最大の武器。「長めのミドルホールなどに使う。距離が180ヤードぐらい。クラブを握ると良いイメージが、すぐにわいてきます。しかも、ハイボールで、グリーンにボールを止めることができる確率が高い」と、ひと息ついて、「4Uも」と加える。

 「それほど、飛距離が出るほうではないし、テクニックとマネジメントでどう補うかがポイントでしょう。パー5でバーディーをとる。ギャラリーの皆さんが盛り上がります。細かいところを武器にしてツアーを戦う。迷ったら、いいショットを打てません。だから、キャディーさんのアドバイスは大切ですけど、自分のジャッジを大切にします。攻めることを第一にする姿勢を忘れずに」と、腹を据えた。

吉田 鈴 【Photo:Atsushi Tomura/Getty Images】

 一方で、「実るほど、頭を垂れる稲穂かな、という言葉が好き。姉をみていて感じます。ひとつ目標を達成したら、次から次へとステップアップする。慢心することがありません。これはゴルフだけではなく、人生でもそうありたいと願っています」と、かみしめるようにもらした。

 最終プロテスト、QTファイナルステージなど、最終日のチャージが目を引く。謙虚に精進。あきらめない-。(青木 政司)
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