セパ12球団・補強診断

セパ補強診断ー西武、オリックス、楽天編 弱点強化で上位進出を目指す!注目の新戦力は?

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オリックス 評価C

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 リーグ3連覇から一転し、昨季は5位に終わったオリックス。投手陣では山下舜平大、山﨑颯一郎、宇田川優希、山岡泰輔といった主力が相次いで離脱する苦しいシーズンとなったものの、チーム防御率はリーグ2位の2.82を記録。強みである投手力は健在だった。今オフはカスティーヨが退団したが、エスピノーザ、ぺルドモ、マチャドの助っ人3人が残留。また、海外FA権を行使していた広島・九里亜蓮の獲得にも成功している。昨季は規定投球回到達者がいなかったチームにとって、8年連続で110イニング以上を投げている九里は非常に頼れる存在になるだろう。さらに、ドラフト会議では2位の日本体育大・寺西成騎をはじめ、1年目から一軍での活躍が期待できる即戦力投手を複数人指名しており、今季も選手層は充実しているといって良いはずだ。

 一方でチーム打率、OPSともにリーグ5位と低迷した野手陣からは、昨季チーム最多本塁打を記録したセデーニョが西武へ移籍。加えてT-岡田、安達了一、小田裕也が引退を決断するなど、これまでチームを支えてきた選手の退団が目立つ。こうした状況の中、新戦力として注目されるのがドラフト1位の新人外野手である麦谷祐介だ。既存の主力外野陣は年齢層が高く、昨季は得失点の貢献度がリーグ平均を下回っていた。ルーキーが新風を吹かせることで、チームを活性化させたいところだ。また、新外国人選手として、一昨年にメジャーで10本塁打を記録した実績を持つディアスを獲得した。昨年は3Aのパシフィックコーストリーグでプレーし、102試合の出場で22本塁打を放っている。このリーグは打高投低の環境であるため、打撃成績はそれを踏まえた上で見たいところだが、昨季記録したOPS.891はリーグ平均の同.798を大きく上回っており、打力が売りの選手であることは確かだ。今年25歳を迎える若さも魅力で、NPBで成功を収めるだけの素質は十分に持っている。新助っ人野手についてはさらなる獲得に向けた調査を進めている模様で、これらの補強の成否が今季のチーム順位を左右することになりそうだ。実力が未知数の新戦力には不安も残るが、彼らがセデーニョの抜けた穴を埋め、それ以上の成績を残すことができれば、チームは再び上位に返り咲くことができるだろう。

楽天 評価B

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 昨季は4位でフィニッシュし、3年連続でBクラスに沈んだ楽天。退団選手に目を向けると、今オフは功労者の田中将大が巨人へ、FA権を行使した茂木栄五郎がヤクルトへ移籍している。投打に実績のある選手がチームを去ったというインパクトはあるが、両者はここ数年成績不振に苦しんでいたこともあり、戦力面の損失はそれほど大きくないともいえる。一方で新加入選手を見てみると、投手の補強を積極的に行ったことが分かる。昨季ヤクルトで23試合に登板して防御率3.34をマークしたヤフーレ、同じくヤクルトで活躍を見せて古巣・楽天に復帰した今野龍太、ソフトバンクと阪神で通算222試合に登板している加治屋蓮と、他球団で実績を重ねた投手の加入によって選手層は確実に厚みを増したといえるだろう。また、新助っ人としてローテーション入りが期待されるハワードを獲得。メジャーデビュー前にはリーグ有数の若手有望株と評価されていた右腕だ。残念ながらメジャーでは期待通りの成績を残せなかったものの、マイナーでの奪三振数はイニング数を大きく上回っており、NPBの舞台で才能が開花するかもしれない。

 さらに、ドラフト会議では5球団競合の末、大学No.1野手と評された宗山塁の獲得に成功した。侍ジャパンのトップチームに選出された経験もある逸材は、特にショートの守備が評価されており、その実力は現時点でプロの上位レベルとの見方もある。チームのショートには侍ジャパンの一員としてプレミア12を戦った村林一輝がいるが、三木肇新監督は2人をショートで競争させると明言しており、キャンプからその動向に注目したいところ。ここまでの補強では、昨季リーグワーストのチーム防御率を記録した投手陣へのテコ入れが順調に進んだ反面、野手陣はドラフトを除くと茂木の人的補償として獲得した小森航大郎のみというやや物足りない状況だ。現在所属する助っ人野手はフランコのみだが、石井一久ゼネラルマネジャーは外国人選手の調査を継続する意向を示唆している。開幕までに新たな選手をチームに加え、打線の強化を図る可能性がありそうだ。

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日本で唯一のスポーツデータ専門会社。 野球、サッカー、ラグビー等の試合データ分析・配信、ソフト開発などを手掛ける。

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