超プロ野球 ULTRA 出場選手に聞く

巨人・丸佳浩「復活したとは思っていない」 最高のプレーは意外な好走塁から

加賀一輝

ベテランの域に入る丸だが、向上心を持ち続けている 【写真は共同】

 DeNAの「下剋上日本一」や、プレミア12における侍ジャパンの奮闘に沸いた2024年の野球界。オフに入ってもその熱は冷めやらず、新たな1年を迎えようとしている。

 そんな中、スポーツナビでは新年1月5日14時から読売テレビ・日本テレビ系で放送される『大和地所スペシャル 超プロ野球 ULTRA』の収録現場を取材。収録に参加する12球団計26人の選手にインタビューを行った。

 本稿では巨人・丸佳浩のインタビューの模様をお届けする。

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前年を上回る成績を残すも本人は…

 プロ17年目の昨季は138試合に出場。前年(94安打)を大きく上回る146安打を放ち、復活を印象付けるシーズンだった。ただ、本人はこう話している。

「特に復活したって言えるほど数字残してないので。自分の中で復活したとか、そういうのはあまりないですね」

 2度の最優秀選手、6度のベストナイン等に輝いた選手に対して「復活した」は失礼な表現だったかもしれない。

「足りないものだらけなので、何を言っていいか分からないですけど。他に出る選手がいないから、代わりに出たら誰でも残せそうなぐらいの数字を収めたぐらいかな。たまたまそれを出したのが僕だった」

ベストパフォーマンスは走塁面から

 そんな中、2024年の丸にとって「ベストパフォーマンス」と呼べるプレーはあったのか。

「2024年はやっぱり守備・走塁の部分ですかね。阿部(慎之助)監督からも『高い走塁意識を持って臨んでほしい』と言われていたので」

 一つ例を挙げたのが、9月18日のDeNA戦(東京ドーム)でのプレーだった。

「投手が(アンドレ・)ジャクソンの時に僕が一塁走者で、ランエンドヒットの形で坂本(勇人)選手がピッチャーゴロを打ちました。その送球間に三塁に行った走塁は、自分でも咄嗟の判断でしたがうまくできたと思いますね」

 巨人が1点をリードした3回、丸が先頭打者で出塁。続く坂本が追い込まれながらも変化球に食らいついて、投手前にゴロを転がす。丸は投球と同時にスタートを切っており、ノンストップで三塁へ。1死三塁のチャンスを演出した。

 その後得点にこそつながらなかったが、丸は吉川尚輝の内野ゴロの間にも挟殺プレーで粘り、打者走者の三進を助けている。

「こういうことをやり続けていれば得点効率は上がると思っているので。もともとジャイアンツは走塁の指標がそこまで高くないチームでしたが、2024年はそこまで悪くなかった。足が速い・遅い関係なく、意識を高めて継続したいですね」

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著者プロフィール

1988年3月6日、愛知県生まれ。成蹊大学卒業後、一般企業を経て独立。ライティング、MCなど幅広く活動する。2016年〜23年まで『スポーツナビ』にて編集・編成を担当。在職中に五輪・パラリンピックへの派遣、『Number』『文春オンライン』等への寄稿を経験。趣味は草野球で、1週間で20イニング投げることも。

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