愛情不足で育ってきても、問題なく成長している人もいる?その理由とは

MELOS -メロス-
親からの愛情が足りなかった人は、すべて問題行動や思考の偏りを抱いてしまうかというと、そうではありません。愛情不足で育ったとしても、問題なく成長する人もいます。それはどういうパターンでしょうか。

監修は、親子関係心理学の専門家・合同会社serendipity代表の三凛さとしさんです。

親以外の大人から愛情を受けて育ってきた場合

親以外の大人(祖父母、親戚、教師など)から愛情や支援を受けた場合、その愛情が子どもの成長に大きなプラスの影響を与えることがあります。

【MELOS】

もともとレジリエンス(心の回復力)が高い場合

過酷な状況でも、逆境を乗り越える力(レジリエンス)が高い人は、自分を肯定し、成長することができます。この力は遺伝的要素や環境による影響を受けます。

三凛さん:
私は長年、アダルトチルドレン(いわゆる毒親育ち)として生きていましたが、30代前半の頃に心理学やメンタルトレーニングと出会い、自身のメンタル改善に取り組んできました。

3歳前半までは人生がうまくいかず、ついには海外でホームレス寸前の生活になってしまったのですが、自身がアダルトチルドレンだということを知り、ケアするようになってから、人間関係も仕事もとてもうまくいくようになりました。

自身がアダルトチルドレンだということを自覚せず放置し続けると、どうしても人生のあらゆる物事がうまくいかない状態が続きますが、大人になってから正しくケアしていくことで自身の思考の癖も行動も変えることができます。

幼少期において、愛情は「実の親」から与えられなければいけないのか。祖父母や他人からでも問題ない?

幼少期における愛情は、実の親でなくても十分に機能します。

愛情や安全感を与えてくれる大人が、祖父母や養育者、他の信頼できる人物であれば、子どもの心は十分に育まれます。重要なのは、安定した愛情と安心できる環境です。

三凛さん:
発達心理学の分野では「両親でなくても幼少期に接点を持つ祖父母や教師など重要な他者からの愛情は、健全な発達につながる」「複数の愛着対象を持つことは、むしろ望ましい」「とくに幼少期においては、一貫した愛情表現を示す大人の存在が重要」だということが示されています。

つまり、実の親でなくても、幼少期に接する大人との関係はとても重要だということです。


ただし、生みの親と育ての親がいたとしても、生みの親との関係性が本人のメンタルヘルスや自己肯定感に影響するということも指摘されています。
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