アルコールは胃腸や肝臓にどんな害を及ぼす?「少量でもがんリスク高める」と消化器内科医も警告

MELOS -メロス-
お酒を飲む機会が多くなるシーズン。飲み過ぎを防ぐためにも、あらためてアルコールの知識を知っておきましょう。

まきこ胃と大腸の消化器・内視鏡クリニックの消化器内科医師の視点から見た『アルコールの害』について紹介します。

監修者プロフィール
まきこ胃と大腸の消化器内視鏡クリニック院長 船越真木子(ふなこし・まきこ)
総合内科専門医、消化器病専門医、消化器内視鏡専門医

【MELOS】

アルコールが胃腸や肝臓に及ぼす害

胃の粘膜を傷つける
アルコールは胃の粘膜を直接刺激し、炎症を引き起こします。胃の粘膜が炎症を引き起こすと、胃もたれ、胃痛、胃炎、胃潰瘍などを招くこともあります。

とくに、空腹時に飲むアルコールは胃を傷つけるリスクが高いと言われています。

腸内環境への影響
過剰なアルコール摂取は腸内細菌叢(腸内フローラ)のバランスを乱し、下痢や便秘を引き起こす原因になることがあります。

また、腸の免疫力が低下し、炎症性腸疾患の症状を悪化させる可能性もあります。

アルコール性肝疾患
アルコールを分解する肝臓にも当然影響が及びます。慢性的な飲酒は脂肪肝、アルコール性肝炎、さらには肝硬変や肝がんへと進行する可能性があります。

食道がんや大腸がんのリスク
飲酒は、食道がんや大腸がんの発症リスクを高めると言われています。

国立がん研究センターによると、1日のアルコール摂取量の平均が23グラムを超えると大腸がんになりやすく、さらには男性の大腸がん患者さんの約1/4が、適量を超えるアルコール摂取(1日あたり23グラム以上)が原因で大腸がんになったと考えられるそうです。

ビールの中ジョッキ2杯でアルコール26グラムとなり、『23グラム』というのは決してすごく多い印象ではありません。

とくにアルコールだけではなく、喫煙を併用する場合、リスクはさらに増加します。自分の健康状態や生活習慣を見直しながら、適度にお酒と付き合うことが大切です。

(※1)
国立がん研究センターがん対策研究所 飲酒とがん全体の発生率との関係について
国立がん研究センターがん対策研究所 飲酒とがんリスクについて

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