スキッベ・サンフレッチェの集大成 「新スタ元年」に優勝へ邁進するサンフレッチェ広島の強さとは

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誰が出ても「強い紫熊」へ。優勝奪還へ最大のポイントは?

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 その爆発的な攻撃力の「屋台骨」となっているのがハイプレス。広島は相手陣でのボール奪取数が1位で、ボール奪取位置の平均の高さも2位と高い。守備でも前向きな「矢」で相手を封じている。広島と対戦するチームは前方ロングパス数が多い傾向があるが、その成功率は29.6%で3番目に低く、そのロングパスがインプレーで相手の攻撃に切り替わる割合であるボールロスト率は1位となっている。プレッシング時などで相手にロングボールを蹴られても、後方の選手たちが回収して自チームの攻撃につなげているシーンが多いことが読み取れる。また、ディフェンシブサードでのファウル数(37回)と相手に与えたPK数(1回)はどちらもリーグ最少。たとえ押し込まれたとしても、クリーンな守備で対峙し、不用意なファウルを与えず切り抜けていると言えるだろう。

本職のボランチだけでなく、今季は2シャドーの一角としても活躍している松本泰志(右) 【Photo by Hiroki Watanabe/Getty Images】

 最後に、選手別の先発数に注目したい。昨季から在籍し、先発出場数を伸ばしている選手に共通するのは「複数ポジションでの高パフォーマンス化」だ。松本泰志は本職のボランチに加えて今季は2シャドーの一角でも出場数を増やし、中野就斗は荒木の離脱期間にセンターバックを務めてチームの危機を救った。東俊希もボランチとウイングバックで活躍を見せるなど、ケガなどの離脱を選手のポリバレント化でカバーしてチーム力低下を防ぎ、ここまでたどり着いた。

 広島の残る対戦相手は対戦順に湘南ベルマーレ、京都サンガF.C.、浦和レッズ、北海道コンサドーレ札幌、ガンバ大阪となっている。下位チームとの対戦が多いが、残留争いに巻き込まれたチームの粘り強さは甘く見ると痛い目に遭うということを、過去の歴史が証明している。さらに、広島はこの間にAFCチャンピオンズリーグ2の4試合を並行して戦わなければならず、より一層の総力戦を求められる。果たして、残り5試合も広島らしさを貫き続け、「街の中心」でシャーレを掲げることが出来るだろうか。

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