【ゴルフ】ヘッドスピードを上げるための身体の使い方

ココカラネクスト

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 トータルゴルフフィットネス トレーナーの谷崎です。

今回はヘッドスピードを上げるための身体の使い方について解説をしていきます。
ヘッドスピードを上げるために何が大事かというと『体重移動』がとてもカギになってきます。
体重移動を正しく理解するだけで格段にヘッドスピードを上げることが可能になります。

皆さんは体重移動がどのようなものかを把握していますか?

実は物理がとても体重移動には深く関わっていますのでそちらの説明をはじめにさせていただきます。
ゴルフバイオメカニクスについて研究をしているクォン教授という方の勉強会に参加した際にとても素晴らしいことを言っていましたので大事な部分を抜粋してお伝えします。
人間の動きは『並進運動』と『回転運動』の2種類あります。

・並進運動:①左右の動き、②前後の動き、③上下の動き

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・回転運動:①左右に回る、②前後に回る、③横に回る

のような運動があります。

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それと同様にゴルフにも『並進運動』と『回転運動』があります。

クォン教授はこの2種類の動きの中でも『回転運動』がメインの動きになると言っていました。

クォン教授はゴルフスイングを分析するために、何人ものプロゴルファーの身体にモーションセンサーをつけ、フォースプレートを使用しながら地面反力などを全て数値化したデータを出しています。

先程の全ての動きのどれがヘッドスピードを上げるのに一番貢献しているのかを教えてくれました。

回転運動(トルク)を生み出すのには必ず地面反力というものが必要になってきます。

壁を押した時に押した力と同じ力だけ風に押し返されるというのが反力です。

例えば反力を感じることが出来ない空中に浮いている時にゴルフスイングをしたらどうなると思いますか?

スイングすることは可能ですが反力のパワーを使うことが出来ず、自分の筋力だけでクラブを動かさないといけなくなり力強いスイングは出来ません。
回転運動についてもう少し詳しくご説明します。

この四角い物体を例にして説明をしていきます。

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この四角い物体の真ん中にある赤い点が重心だとした時この物体を回転させようと思ったら重心から横にズレた位置を押す必要があります。

押す位置に関しても重心からより離れた場所を押すことでレバーアームが長くなりより少ない力で大きな力を加えることが出来ます。

そしてもう一つ大事な事があります。

重心の位置から少し外れたポイントから少しずつ角度を変えて力を加えます。

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そうすると一番効率よく力を加える事ができるのは一番角度のついたCの線です。

物体を動かすときに斜めに力を加えることによって、より効率的に物に力を加える事ができるようになります。

これをゴルフに置き換えて解説していきます。

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バックスイングを例えに出しご説明をしていきます。

人間の重心はだいたい骨盤の真ん中にあります。
スイング時に前額面での回転運動が発生した時にこの動きをどこかで止めておかなければ身体が大変なことになってしまいます。

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その止める役割をするために、重心から真下に地面に下ろしスイングの回転方向とは逆に向かった力をかける必要があります。

ここで、でんでん太鼓を例にしてお話をしたいと思います。
でんでん太鼓は回している棒を止めることにより遠心力で紐の先についている球が回され太鼓にぶつかり音が鳴るという仕組みですね。

ではこれがどのようにゴルフスイングと結びついているかというと、バックスイングをする時に発生する回転の力を止めてくれているのが足です。

重心が骨盤の真ん中にあるので、そこよりもやや左に向かって力が働いてくれるのが理想です。
足は右左と2本あるので2つの場所から反力というものが働いています。
バックスイング時は右足を強く踏むため左足よりも反力が大きく働きます。
左足にも力は小さいですが反力が働いていてこの二つを合わせたものが地面反力となります。
右足側の方が大きな力が働いているため、地面反力は少し右寄りから左側にかけて発生します。

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この地面反力があるので右回りのトルクに対してブレーキをかける事ができ、骨盤は止まったまま上半身を捻るという身体の動きを作る事ができています。

もしこのトルクへのブレーキをかけてくれている地面反力が重心の方に向かったり地面と垂直に働いてしまうとスウェーしたような形になり、トルクのブレーキを自分の筋力でコントロールをしないといけないので身体にかかる負担が大きくなってしまいます。

これはダウンスイング時にも同じ事が言えます。
ダウンスイングもインパクト以降テイクバックの時と同じような姿勢になり、力のかかり方が左右変わります。

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しっかりと左足で斜めに地面を押して地面反力が重心よりも右側を通る形になることでエネルギーがとても効率的に使えるようになります。

悪い例を挙げますと、骨盤が左に流れてしまい地面反力が重心よりも左側を通ってしまうと全体的に流れやすく効率の悪いスイングになってしまいます。

体重移動という言葉に惑わされ何かが動くようなイメージを持ってしまいますが、ゴルフにおいての体重移動は『強く踏み込む』というようなイメージが正しいと理解していただいて方が良いです。

ですので、アドレスの時に構えた骨盤の位置、足の位置があまり変わりません。
そして骨盤の位置も大きく移動することはないイメージになるかと思います。
ただ、足の位置、骨盤の位置が大きく移動せずその場で打つと右足に体重が乗るのではないかと不安になる人もいるかと思います。

左足で強く踏んでいますが右足も少し踏んでいるのである程度右足も押しているという認識が正解だと思います。
踏み込み具合は圧倒的に左足の方が強いです。

そして、気をつけなければいけない最後のポイントは一番強く踏み込むタイミングです。
実際のスイングで一番強く踏み込むのはインパクトよりも前のタイミングだとクォン教授が言っていました。
インパクトの前に踏み込み、その踏み込んだ力によってヘッドが返ってくるという理解をしていただきたいです。

このように下半身から始動しその後に上半身がついてくる運動連鎖、下半身が一旦ブレーキをかけそれを上半身が追い越していくという事が結果としてヘッドスピードを上げることに繋がってきます。

この理解をしていただくだけでもヘッドスピードや飛距離が変わってくるかなと思います!
ではそのために必要なエクササイズをいくつかご紹介します。

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①アドレス姿勢になり重りを持ちます
②足踏みをし左右に体重を移動させながら重りも左右に振ります
③腕の動きはハーフスイングを意識します

★ポイント
・骨盤が横に流れないように意識します
・一回ごとに動きを止めるのではなく、左右の動きを連続して行います

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①アドレス姿勢になります
②左足でゴムバンドの端を踏み、右手でゴムバンドの反対側の端を持ちます
③右手でゴムバンドを引き上げ、左手を同時のタイミングで前に伸ばします

★ポイント
・身体が右側に流れないように行います
・左右逆でも行います

今回はヘッドスピードを上げるためのカラダの使い方をご紹介させていただきました。

体重移動の捉え方1つでヘッドスピードを上げることが可能になりますのでぜひ実践してみてください!
[文:トータルゴルフフィットネス – ゴルファーのための会員制フィットネスクラブ]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

※この記事は2024年1月28日の再投稿(再編集)記事です
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日々快適に、そして各々が目指す結果に向けてサポートするマガジンとして、多くの方々の「ココロ」と「カラダ」のコンディショニングを整えるのに参考になる媒体(誌面&WEB)を目指していきます。

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