週刊MLBレポート2024(毎週金曜日更新)

大谷、古巣帰還の一戦で両軍ファンの逆鱗に触れた「まさかの敬遠」 ブーイングとエ軍ファンの思い

丹羽政善

大谷が敬遠されても後続がいる

大谷翔平かムーキー・ベッツか――。後者との勝負を選んだエンゼルスはファンの怒号だけでなく、ダメ押しとなる3ランも浴びて勝負が決した 【Photo by Meg Oliphant/Getty Images】

「Pick Your Poison(飲みたい毒を選べ)」

 奇しくもワシントン監督も、デイブ・ロバーツ監督も、あの状況をそう形容した。

 いずれにしても悪い結果が待っていることを、アメリカではそう表現する。大谷と勝負しても、ベッツと勝負しても、厳しいことには変わりない。それでもどちらかを選ばなければいけない、ということを言いたかったのだろうが、それならなおさら、である。

 結果は、ベッツがダメ押し3ラン。奇しくも、そこでもエンゼルスとの違いが見られた。エンゼルス時代、大谷が敬遠されれば、そこで打線が途切れた。ドジャースにはベッツがいて、フレディ・フリーマンがいるのである。

 ちなみにベッツの前の打者が敬遠されたのは、今回が3回目だという。

 過去2回は、いずれもデビッド・オルティーズが目の前で歩かされた。最初は2016年9月16日で、そのときベッツは併殺に終わっている。2回目は同じ年の9月28日。このときは二塁打を放ち、二走者を迎え入れた。そして今回が3回目。試合が決まった。

 ドジャースファンは歓喜の雄叫びを上げた。エンゼルスファンは席を立ち、帰路を急いだ。

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著者プロフィール

1967年、愛知県生まれ。立教大学経済学部卒業。出版社に勤務の後、95年秋に渡米。インディアナ州立大学スポーツマネージメント学部卒業。シアトルに居を構え、MLB、NBAなど現地のスポーツを精力的に取材し、コラムや記事の配信を行う。3月24日、日本経済新聞出版社より、「イチロー・フィールド」(野球を超えた人生哲学)を上梓する。

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