頂を目指す車いすラグビー日本代表 “全員出場”の初戦から見る日本の強みとは
金メダル候補の車いすラグビー日本代表が初戦を白星で飾った 【写真は共同】
大会前にエースの池崎大輔が「間違いなく世界一になれる強さを持っている」と表現した今回の日本代表。パラリンピックの頂に向けて、着実に一歩を踏み出した。
試合の序盤は硬さがあったが…
膠着(こうちゃく)した第1ピリオドの中盤、日本は選手交代からリズムを作ると、スティールや連続トライで点差を広げたものの、流れをつかみきることはできなかった。リードは作ったものの、終盤にドイツに連続得点を許して13-12の1点差に詰め寄られて第1ピリオドを終えた。
“硬さ”が取れて、試合が動いたのは第2ピリオド。選手を入れ替えてスタートすると、すぐさま日本が守備にいいプレーが生まれた。2本のスティールを立て続けに決め、そこからペースを握り、橋本がスピードを生かしてこのピリオドで7得点を決めるなど、28-19と大きくリードを広げて試合を折り返した。
しかし第3ピリオドはドイツに一時5点差まで詰められる。橋本は「トランジションの遅さの部分で、相手の流れになってしまっていた」と振り返ったが、最終の第4ピリオドとの間で修正し、再び点差を広げた日本が55-44で初戦の勝利をつかんだ。
主将の池透暢は初戦を「70点」と評価。池崎は「勝ちはしましたけれども、いろいろと気付かされるところがたくさんあった」と振り返り、チームオフェンス、ディフェンスの精度の向上をポイントに挙げた。
また多くの日本ファンが駆け付けた試合会場について、池崎は「これがパラリンピックだなという感じもするし、やっぱり遠い中でも日本からたくさんの人が応援に来てくれた、そういった環境の中でプレーができている自分たちは本当に幸せだなと思う。だからこそ自分たちの強さ、パラスポーツの魅力だったり、車いすラグビーという競技の魅力を結果でもって発信をする、恩返しをするという舞台はもう整っているので、あとはしっかり自分たちのプレーをする、そこだけです」と感謝とともに、恩返しを誓った。