頂を目指す車いすラグビー日本代表 “全員出場”の初戦から見る日本の強みとは

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金メダル候補の車いすラグビー日本代表が初戦を白星で飾った 【写真は共同】

 8月28日(現地時間、以下同)に開幕を迎えたパリパラリンピックは競技も続々とスタート。金メダルの期待がかかる車いすラグビー日本代表(世界ランキング3位)は、ドイツ(同9位)との1次リーグ初戦に55-44で勝利した。

 大会前にエースの池崎大輔が「間違いなく世界一になれる強さを持っている」と表現した今回の日本代表。パラリンピックの頂に向けて、着実に一歩を踏み出した。

試合の序盤は硬さがあったが…

 試合の序盤を橋本勝也は「チームとして硬かった部分はあった」と振り返った。初トライをドイツに許し、すぐに池崎がトライを取り戻すスタートで、そこから両チームともにペースを握れない展開だった。
 
 膠着(こうちゃく)した第1ピリオドの中盤、日本は選手交代からリズムを作ると、スティールや連続トライで点差を広げたものの、流れをつかみきることはできなかった。リードは作ったものの、終盤にドイツに連続得点を許して13-12の1点差に詰め寄られて第1ピリオドを終えた。

“硬さ”が取れて、試合が動いたのは第2ピリオド。選手を入れ替えてスタートすると、すぐさま日本が守備にいいプレーが生まれた。2本のスティールを立て続けに決め、そこからペースを握り、橋本がスピードを生かしてこのピリオドで7得点を決めるなど、28-19と大きくリードを広げて試合を折り返した。

 しかし第3ピリオドはドイツに一時5点差まで詰められる。橋本は「トランジションの遅さの部分で、相手の流れになってしまっていた」と振り返ったが、最終の第4ピリオドとの間で修正し、再び点差を広げた日本が55-44で初戦の勝利をつかんだ。

 主将の池透暢は初戦を「70点」と評価。池崎は「勝ちはしましたけれども、いろいろと気付かされるところがたくさんあった」と振り返り、チームオフェンス、ディフェンスの精度の向上をポイントに挙げた。

 また多くの日本ファンが駆け付けた試合会場について、池崎は「これがパラリンピックだなという感じもするし、やっぱり遠い中でも日本からたくさんの人が応援に来てくれた、そういった環境の中でプレーができている自分たちは本当に幸せだなと思う。だからこそ自分たちの強さ、パラスポーツの魅力だったり、車いすラグビーという競技の魅力を結果でもって発信をする、恩返しをするという舞台はもう整っているので、あとはしっかり自分たちのプレーをする、そこだけです」と感謝とともに、恩返しを誓った。

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