“開心那スタイル”で2大会連続銀メダル 荒畑潤一が語るスケボー女子パークの本質
常に意識すべきはスケーティングを楽しむこと
特に今回のパリ五輪は練習の時間が少なかったように思えました。その状況で滑る構成を決めるのは大変なことです。いかに普段からいろんなスケートパークで滑っているのかも試されます。1つのパークばかりで滑っていたら順応性がなくなってしまうので、いろんなパークで滑った経験を活かして引き出しを増やすことも大切です。
また、パリ五輪のパークは、こぶの上にアーチ型のレールがありますが、このレールはストリートの要素になります。つまり、パークだけでなくストリートも滑れないと高得点が狙えません。実は、パークとストリートで畑は異なりますが、男子ストリートに出場した堀米雄斗選手(三井住友DSアセットマネジメント)やジャガー・イートン選手(アメリカ)はパークも上手に滑ります。
スケートボードは、自分なりに探究心を持って自らのスタイルを追求するスポーツです。そのため、切羽詰まって滑るのではなく、楽しみながら滑るほうがモチベーションの向上や新しいトリックの閃きにつながります。スケートボードのレベルは上がっていますが、まずは自分なりに楽しむことが大切です。開選手、草木選手、四十住選手は4年後のロサンゼルス五輪も目指すと思いますし、そこまでの過程でどうスケートボードに向き合っていくか、いかに自身のスタイルを楽しんで表現できるのか――。そうしたスケーターの本質に注目してもらえると、観戦する側もより楽しめるはずです。
荒畑潤一(あらはた・じゅんいち)
【株式会社SFIDA】