阿部一二三「最高の嬉しさと最高の悔しさを味わった」 柔道混合団体、あと1勝届かず無念の銀メダル
混合団体決勝でフランスに敗れ、銀メダルとなった日本の(左から)村尾三四郎、斉藤立、角田夏実、阿部一二三、高市未来、高山莉加 【写真は共同】
現地情報を伝える、LINEオープンチャット「スポナビ 現地取材情報」では、試合後の阿部一二三のコメントを掲載。
「もっと強くなった阿部一二三を見せられるように」
金メダルまであと1勝届かず。阿部一二三は「この悔しさがあるからもっと成長すると思う」と雪辱を誓った 【写真は共同】
本当に悔しい気持ちと、申し訳ない気持ち。
――相手が開催国フランスで完全アウェーの中で戦うのはどうだったか?
いや、意外とアウェーとは感じなかったし、そんなに影響はなかった。(決勝で対戦した73キロ級の選手のような)一階級上の選手とも、僕は試合形式の練習や練習試合をしているし、日本のトップの選手と組んだりしている。ただ、普段の66キロ級だったら決められているところを決め切れなかったという甘さがあったのかな。シンプルに自分が未熟だったというだけなので、そこで決められる強さをもっと追い求めないといけないと思った。
――普段あまり対戦しない相手だったが、それは割り切って臨んだか?
思い切っていこうと。ある程度研究というか、どういう柔道をしてくるかというのは頭に入れていたけど、それ以前に自分の感覚を信じていきたいというのが一番だった。
――相手の階級が上の選手だったものの、久しぶりの敗戦になった。
負けてしまったので何とも言えないけど、自分がまだ66キロ級の体で、今日は73キロ級の選手に挑んでみて、勝負はできているのかなという感覚はあった。
――団体戦の決勝で高山莉加選手が強い相手に勝利したが。
いや、すっごいパワーをもらって「もう僕が行くしかない」「僕が決めるしかないだろう」と思っていた。気持ちもすごく上がっているし、なおかつ落ち着いて冷静に始めも入れたが、時間が経過していくにつれて相手の勢いも出てきた。そこで勝負はしたけど、なかなか決め切るところまで持っていけなかった。
――個人戦と比べて団体戦は背負うものが違ったか?
やはり重圧が違った。僕が決めたら日本が勝つという場面で「絶対に決めてやる」という思いだったが、及ばなかった。
――団体戦の初戦で阿部詩選手が勝って勢いをつけたところは、お兄さんから見てどうだったか?
しっかり詩自身が切り替えて、自分の柔道をできていたので良かったなと思った。
――久しぶりの団体戦はどうだったか?
すごい楽しかったし、 僕はけっこう好き。ただそのぶん悔しさは何倍、何十倍というか。でも、この経験ができて良かったと言えるようにしたい。
――この試合の経験は今後に生きてきそうか?
正直、めちゃくちゃ今後の自分に生きてくる試合だと思うし、この五輪で最高に嬉しい気持ちと、最高に悔しい気持ちを味わえた選手はたぶん僕しかいない。この悔しさがあるからもっと成長すると思うし、またたくさん努力する。もっと強くなった阿部一二三を見せられるんじゃないかなと思う。
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