ドラフトの目玉・関西大の金丸夢斗 早川隆久、武内夏暉らの大学時代と比べても成績が突出
アマ球界最高の左腕と評される関大の金丸。侍ジャパンでの活躍もあり、いまや明大のショート宗山と並ぶ今秋ドラフトの目玉と目される 【写真は共同】
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近年の目玉左腕の活躍も金丸人気高騰の要因
金丸が注目を集めている理由の一つには、右投手より希少価値の高い左投手であるということが挙げられる。そこで今回は、近年のドラフトで目玉と見られていた大学生左腕と比べて金丸のどんな点が優れているのか、その投球や成績から探ってみたいと思う。
過去10年間のドラフトで最初の入札で複数球団による1位指名があったのは、早川隆久(早稲田大→楽天/2020年4球団競合)、隅田知一郎(西日本工業大→西武/2021年4球団競合)、武内夏暉(国学院大→西武/2023年3球団競合)の3人だ。
早川と隅田はすでにローテーションの中心となりつつあり、新人の武内もプロ初登板となった4月3日のオリックス戦で7回を無失点の好投で早くも初勝利をマークしている。プロの世界は過去の成功事例が選手の評価に影響することが多分にあり、彼らが期待通りの活躍を見せていることが、「大学生の目玉左腕」である金丸の人気高騰につながっている部分もあるはずだ。
早川らと比較しても成績が突出している
2020年のドラフトで4球団が1位入札した早大の早川。プレーしていたリーグが異なる点は考慮すべきだが、現在は楽天に在籍するこの左腕と比較しても金丸の成績は圧倒的だ 【写真は共同】
■早川:53試合14勝12敗・防御率2.51(東京六大学)
■隅田:42試合14勝7敗・防御率1.96(九州地区大学野球)
■武内:36試合14勝7敗・防御率1.58(東都大学)
■金丸:34試合19勝3敗・防御率1.02(関西学生野球)
早川、隅田、武内のいずれもが金丸とは違うリーグでプレーしていたため単純な比較はできないが、関大が加盟している関西学生野球は全国でも上位レベルのリーグであり、それを考えてもいかに金丸の成績が突出しているかがよく分かるだろう。
リーグ戦デビューした1年秋は規定投球回数に未到達ながら防御率は1点台を記録。その後の4シーズンでは全て規定投球回に到達して防御率1点台を2度、0点台を2度マークしている。
また先発した22試合のうち6回以上を投げて自責点3以下の“クオリティ・スタート”は19試合、そのうち7回以上を投げて自責点2以下の“ハイ・クオリティ・スタート”が15試合を数え、いかに高いレベルで先発投手としての役割を果たしているかがよく分かる。4月6日の今春リーグ開幕戦は京都大を相手に0-1で敗れてリーグ戦の連勝は18でストップしたが、この試合も8回を投げて自責点0であり、これで昨年秋から7試合連続での“ハイ・クオリティ・スタート”となった。