パリ五輪アジア最終予選がいよいよ開幕 大岩ジャパンを深く知るための5つの焦点
【焦点5】アジア最終予選に臨む23人の顔ぶれは?
今季加入したFC東京で5ゴールと絶好調の荒木遼太郎(写真)は、鈴木唯人や斉藤光毅、三戸舜介といった海外組のアタッカーに代わる攻撃の核として期待される 【Photo by Koji Watanabe/Getty Images】
鈴木唯人、斉藤光毅、三戸舜介、小田裕太郎、鈴木彩艶、福田師王、福井太智……いずれも海外でプレーする選手たちである。
U-23アジアカップはインターナショナルマッチデーでの開催ではなく、アジアカップのようにA代表の大陸別選手権でもないため、所属クラブに選手の派遣義務がない。
Jクラブは各クラブ3名までという条件付きで招集に協力するが、ヨーロッパはシーズン佳境を迎えたところ。前述の選手たちがクラブに欠かせぬ戦力となったことにより、招集に応じてもらえなかった。これも、U-23アジアカップでの苦戦が予想される大きな要因だ。
鈴木彩が合流できなかったGKには、小久保玲央ブライアン、山田大樹、野澤大志ブランドンの3人が選ばれた。招集歴が長いのは小久保だが、J1での出場経験を増やしている野澤が正GKの最右翼だろうか。
右サイドバックは半田陸と関根大輝。左サイドバックは大畑歩夢と内野貴史。左サイドバックでA代表歴のあるバングーナガンデ佳史扶が選外となったのは意外だったが、FC東京からは前述の野澤、松木玖生、荒木遼太郎の3名を選出したため、大岩剛監督としても苦渋の決断でバングーナガンデを外したのだろう。右サイドバックが本職の内野を3月シリーズで左サイドバックとして試していたのも、その布石だったわけだ。
センターバックは西尾隆矢、木村誠二、鈴木海音、高井幸大の4人。このポジションの主軸を担ってきた木村がプレシーズン中に負傷し、4月7日の浦和レッズ戦で今季初スタメンを飾ったばかりというのは不安材料だが、昨季まで所属クラブで控えだった西尾のスタメン出場が増えているのは好材料だ。
中盤は、川崎颯太、山本理仁、藤田譲瑠チマ、田中聡、松木、荒木の6人。アンカーは藤田を軸に川﨑、田中の3人。インサイドハーフに山本、松木、荒木の3人。川﨑と田中はインサイドハーフでの起用も見込まれ、6人の中で最も攻撃力のある荒木はウイングやトップ下、2トップ採用時にはその一角でも起用されそうだ。とりわけ荒木には、鈴木唯や三戸に代わって攻撃の核となることが期待される。
ウイングは平河悠、山田楓喜、佐藤恵允の3人。右に山田、左に佐藤、スピードが武器の平河は左右両サイドでの起用が考えられる。
センターフォワードには藤尾翔太、細谷真大、内野航太郎が選ばれた。絶対的なエースは細谷だが、藤尾も今季のJ1リーグで3ゴールと好調なのが心強い。内野航は唯一の大学生だ。23年9月のアジア競技大会で4ゴールと結果を残し、10月のアメリカ遠征でも追加招集で合流してメキシコ戦でゴールを決めている。シュートの正確さと強気の性格が魅力で、ラッキーボーイ的な存在として期待される。
選考には指揮官の苦難が見て取れるが、招集できない選手がいることはチーム立ち上げ当初からわかっていたこと。それも見据えてチーム作りを進めてきたに違いない。選ばれた選手がベスト――。この23名でオリンピックの出場権をつかみにいく。
U-23日本代表メンバー
GK 12 野澤大志ブランドン(FC東京)
GK 23 山田大樹(鹿島)
DF 2 半田陸(G大阪)
DF 3 西尾隆矢(C大阪)
DF 4 関根大輝(柏)
DF 5 木村誠二(鳥栖)
DF 15 鈴木海音(磐田)
DF 16 内野貴史(フォルトゥナ・デュッセルドルフ)
DF 21 大畑歩夢(浦和)
DF 22 高井幸大(川崎F)
MF 6 川崎颯太(京都)
MF 7 山本理仁(シント=トロイデン)
MF 8 藤田譲瑠チマ(シント=トロイデン)
MF 10 佐藤恵允(ブレーメン)
MF 11 山田楓喜(東京V)
MF 14 田中聡(湘南)
MF 17 松木玖生(FC東京)
MF 20 平河悠(町田)
FW 9 藤尾翔太(町田)
FW 13 荒木遼太郎(FC東京)
FW 18 内野航太郎(筑波大)
FW 19 細谷真大(柏)
グループステージ日程
4月19日(金) 18:30(日本時間24:30) UAE戦
4月22日(月) 16:00(日本時間22:00) 韓国戦
(企画・編集/YOJI-GEN)