相撲部屋潜入企画 お相撲さんの生活に迫る

宮城野部屋自慢のちゃんこ、その中身とは? 元横綱・白鵬も「全部おいしい」と太鼓判

飯塚さき

厳しい稽古のあとは、和気あいあいとした雰囲気の中、米と肉と野菜をもりもり食べます! 【スポーツナビ】

差し入れの多さも横綱級!

 師匠と関取衆の食事中は、若い衆は周囲に立って給仕に勤しむ。偉い人から順にちゃんこを済ませると、ようやく自分たちが食べられる番。こんなところにも、厳しい番付社会の片鱗が見られる。

 和気あいあいとした若い衆たちの食事風景。聞くと「たまに出るキムチ鍋が人気です。おかずの人気は麻婆豆腐」と、箸を止めることなく答えてくれる。

 ちなみに、宮城野部屋では定番となっている「夜食」。皆どんなものを食べているのか。高馬鵬さんに尋ねてみる。

「どこか外に食べに行く人もいますが、部屋ではその日残ったちゃんこの汁にごはんを入れて雑炊にしたり、うどんを入れたりしています。親方の提案ですが、みんな積極的に夜食も参加して食べていますね」

宮城野親方の勧めもあり、野菜炒めは毎食出されるという 【スポーツナビ】

 料理のレパートリーが豊富な高馬鵬さん。レシピは「携帯で検索して作っています」と、今風の答えが返ってきた。また、毎日部屋のちゃんこを作っているマネジャーの岩崎さんは、「親方は知り合いが多いので、差し入れの量が多いんです」と補足する。

「特に、お米やお肉の差し入れが多いですね。倉庫に冷凍庫が5台あるんですが、全部埋まっています。ほかの部屋より、差し入れの量はかなり多いと思いますよ」

 さすがは元横綱の部屋。鶏肉と豚肉は常にあり、時には牛肉の差し入れが届くため、たくさんの食材をありがたく、余すことなく調理に励んでいるのだそう。こうして、後援者の温かいサポートと、ちゃんこ番たちの手によって、日々の食事が充実しているのだった。

 朝稽古して、風呂に入って、皆でちゃんこを囲んで。そんな日々を送っている力士たちだが、普段はいったいどんな生活をしているのだろうか。次回は彼らの「日常」にフォーカスする。

<第3回「力士の生活編」へ続く>

2/2ページ

著者プロフィール

1989(平成元)年生まれ、さいたま市出身。早稲田大学国際教養学部卒業。ベースボール・マガジン社に勤務後、2018年に独立。フリーのスポーツライターとして『相撲』(同社)、『大相撲ジャーナル』(アプリスタイル)、スポーツ庁広報ウェブマガジン『Deportare』などで執筆中。2019年ラグビーワールドカップでは、アメリカ代表チーム通訳として1カ月間帯同した。著書『日本で力士になるということ 外国出身力士の魂』、構成・インタビューを担当した横綱・照ノ富士の著書『奈落の底から見上げた明日』が発売中。

新着記事

編集部ピックアップ

コラムランキング

おすすめ記事(Doスポーツ)

記事一覧

新着公式情報

公式情報一覧

日本オリンピック委員会公式サイト

JOC公式アカウント