【世界パラ陸上】パリでブレイク必至! 視覚障がいクラス・三者三様の銀メダル
【photo by X-1】
100mでアジア記録更新の川上「パリでは金メダルを」
「そのときは嬉しいなって思ったんですけど……」
100m(T13)に出場した川上秀太は、自らが持つアジア記録を更新する10秒70で2位。予選後、動画を確認して4、5歩目で崩れていた姿勢を修正し、見事2位以内に与えられるパリ2024パラリンピック日本代表の座に内定した。
「少し時間が経った今は、負けた悔しさの方が大きい。パリでは金メダルを獲得してこのモヤモヤをなくしたい気持ちです」
優勝したアスマニスカンデル・ジャミル・アスマニ(アルジェリア)の記録は10秒44。川上は、過去に健常者の大会で10秒61、今季も10秒69をマークしているといい、勝てなくともベストを出したい気持ちがあった。
大会4日目の夜(20日)、決勝を走った川上 【photo by X-1】
「健常者と変わらないタイムで走れる選手がいると伝えて、パラ陸上をさらに盛り上げていきたいです」
昨年は世界選手権直前のケガで欠場しただけに、日本代表のユニフォームを着て走る喜びを噛み締めた。
「ようやく世界の舞台のスタートラインに立てた。今後の人生において大きなターニングポイントになったと思います」
初出場の世界選手権で自信をつけた25歳の川上。メダルセレモニーでは銀メダルを胸に笑顔を見せた。
川上は初出場で銀メダルを獲得した 【photo by X-1】
400mで連覇を逃した福永「パリの目標は世界一と世界新」
メダルセレモニーでアルジェリアの国歌を聞く福永 【photo by X-1】
そして出身の滋賀県に近い神戸で迎えた今大会。「ダメダメだった」という予選のあと、金メダルを獲れるかどうかは「自分との勝負」としつつ、「世界記録を持つ彼を倒さなければならない」と意気込んだ。
決勝は立て直して47秒86で2位。だが、前をいくアスマニが自身の世界記録を更新(46秒44)し、「おめでとう」とハグするしかなかった。
パリの目標である「世界一になることと世界記録更新」は変わらない。大きな舞台であるほど輝くに違いない福永の挑戦がまた始まる。
大会7日目の23日、ゴール直後の福永 【photo by X-1】
走り幅跳びで自己ベストの石山「パリでも記録を伸ばしたい」
「いくっきゃない、と思って。(日本記録更新となる7m08をマークした)6本目は自分に出せるフルマックス120%が出たんじゃないかな」
その大ジャンプで3位から2位に逆転。すでにモーニングセッションの他の競技が終了していたため、静かだった競技場は日本選手の活躍で一気に沸いた。
大会4日目の20日午前、走り幅跳び(T12)に出場した石山 【photo by X-1】
6本とも観客に拍手を求め、最終跳躍では助走前に両ひざをついて瞑想するようなポーズで集中力を高めるなど、自分の気持ちもコントロールして跳んだ。
パリに向けては「記録を伸ばすことだけ考えて」走りも跳躍も磨いていく。
銀メダルを手にした石山(写真左) 【photo by X-1】
text by TEAM A
photo by X-1
※本記事はパラサポWEBに2024年5月に掲載されたものです。
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