【スキー】2人の侍に期待!アルペンスキーW杯バンスコ(ブルガリア)に加藤聖五と小山陽平が挑む

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加藤聖五、2戦連続のGSW杯ポイント獲得に期待がかかる

2月4日、フランス・シャモニで行われたSL第7戦は、1回目30位で2回目に進んだダニエル・ユーリがW杯史上初の29人「総まくり」で大逆転優勝、約1年ぶりのW杯通算7勝目を挙げました。「SNOW JAPAN」日本チームは、56番スタートで加藤聖五選手(野沢温泉SC)、63番で小山陽平選手(ベネフィット・ワンSC)が出場しましたが、加藤はポールをまたいで途中棄権、小山は41位で2回目に進めませんでした。

加藤聖五は前戦シュラトミングで日本人選手最高位タイの20位。シャモニのSLで股関節を痛めましたが、SL出場を回避し今週はGSに集中して臨みます 【写真/Shinichiro Tanaka】

加藤聖五は、シュラトミングGSで日本人選手最高位タイの20位、今世紀に入っては2004年10月セルデン開幕戦の佐々木明選手24位以来、20年ぶりの快挙を成し遂げ、日本アルペンスキー界の歴史を塗り替えました。
シャモニのSLではコース中盤でポールをまたいで途中棄権に終わり、その際、股関節を痛めました。バンスコのGS出場に大きな影響はありませんが、身体への負担を考慮して、今週はGSのみの参戦となります。
「目標はオーダーマットを倒して世界一」とレース後に語ってくれた加藤聖五、バンスコでシュラトミングの再現を期待します。
また、加藤と共にここまでGS5戦に出場してきた若月隼太は直近のポイント改訂で、W杯男子出場基準であるFISポイント150位以内から漏れ、151位となってしまったため出場することができず、「SNOW JAPAN」は加藤聖五のみの出場です。

好調の小山陽平、W杯ポイント獲得で起死回生を図る

気温の高いシャモニ、1回目41位で2回目に進めなかった小山陽平 【写真/Marco Trovati】

キッツビュールでポールをまたいで右足首の前距腓靱帯(ぜんきょひじんたい)部分損傷を負った小山陽平は、シャモニSLは痛み止めを飲んでの出場となりましたが、1回目41位で2回目に進めませんでした。
しかし、痛みの残る中でも、シャモニの翌日から連戦で行われたスイスのヨーロッパカップではそれぞれ7位、20位とヨーロッパカップポイントを獲得する成績を残しました。
シャモニの第7戦まで、日本チームは加藤聖五、小山陽平の2人が出場してきましたが、今回バンスコのSLから出場枠が一つ減り、どちらかが出場できない事態となっています。
ここまで7戦、一度も2回目に進んでいない小山に対し、加藤はウェンゲンで29位と結果を残しました。
今季の成績から見れば、加藤がSLにも出場するのが順当ですが、河野恭介チーフコーチは小山陽平の滑りの状態、直近のヨーロッパカップの成績と、加藤聖五の股関節の状態を天秤にかけ、加藤ではなく小山のSL出場を選択しました。
バンスコの結果に拠りますが、今後のW杯の日程を考えると、小山にとっては今季最後のW杯出場となる可能性もある11日のレース、「起死回生」の滑りを期待します。

ブルガリアのバンスコは首都ソフィアから車で2時間、2012年がW杯初開催で、その時、湯淺直樹さんがSLで5位となっています。欧州のW杯会場では最も日本に近く、親日家も多いブルガリア・バンスコ、GS加藤聖五、SL小山陽平、2人の侍の活躍を期待します。

文:田中慎一郎
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著者プロフィール

公益財団法人全日本スキー連盟は、日本におけるスキー・スノーボード競技を統括すると同時に、普及・振興の役割も担う競技団体。設立は1925年、2025年には設立100周年を迎える。スキージャンプ、ノルディック複合、クロスカントリー、アルペン、フリースタイル、スノーボードの6競技において、世界で戦う選手たち「SNOW JAPAN」の情報や、FIS(国際スキー・スノーボード連盟)ワールドカップなどの大会情報をお届けします。

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