年末1億円GP出場権をかけた戦いが2.9岐阜から開幕 2024年最初のGI「全日本選抜競輪」を展望

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2月9日から岐阜で今年最初のGI「全日本選抜競輪」が開幕、年末の大一番グランプリ出場権を誰よりも早く手にするのはどの選手か(写真は昨年の全日本選抜) 【写真は共同】

 2024年最初の競輪GIレース「全日本選抜競輪」が2月9日(金)~12日(月・休)の4日間にわたり岐阜競輪場で開催される。公営競技の口火を切って開催される1年最初のビッグレースとあって、ファンも待ちきれない思いでいっぱいだろう。

 今年も競輪界最高峰のS級S班9選手をはじめ全国各地区からトップ選手が集結。この中から全日本選抜を制し、いち早く年末の大一番・KEIRINグランプリの切符をつかむのは誰になるのか。有力選手をピックアップしていきたい。

GP覇者・松浦、絶好調・清水ら中四国ラインに注目

昨年のグランプリ覇者・松浦悠士(写真は昨年のKEIRINグランプリ会見) 【写真:中原義史】

 まず注目一番手に挙げるのは、昨年のグランプリ王者にして賞金王・松浦悠士(広島/98期)だ。GP5度目の挑戦でついに頂点に立ち、今年はすべてのレースで1番車の看板を背負う栄誉を得た。自力、番手と自在に機動力を発揮できる総合力の高さが松浦の持ち味だが、それに加えて中四国ラインはゴールデンコンビの盟友・清水裕友(山口/105期)をはじめ、ヤンググランプリ5着の犬伏湧也(徳島/119期)、昨年初の記念競輪優勝を達成した町田太我(広島/117期)など期待の若手も育っており層が厚い。清水らとの好連係を発揮して、松浦がGP王者としての貫禄を見せつけたいだろう。

 その意味でも初日特選から中四国の連携を堪能したいところだったが、松浦が登場する最終12レースの想定番組ではラインの選手が不在。単騎での戦いも予想され、松浦にとっては少々厳しい初日となりそう。しかしながら、そこは持ち前の総合力と機動力でどうカバーするのか、GP王者の底力に注目したい。

 松浦にとって最大のライバルとなるのは、“身内”の清水になるかもしれない。2年ぶりにS班復帰となった2024年は年明けから精力的に記念競輪に出走し、大宮記念、静岡記念と早くも2勝をマーク。賞金ランキングでもトップを快走している。昨年のGPでは松浦の戴冠をアシストする役目に回ったが、今年は俺が主役とばかりに2020年以来2度目の全日本選抜タイトルを手中に収めGP切符をゲットするか。

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昨年のMVP古性優作、史上初の3連覇を狙う

 松浦、清水の前に大きく立ちはだかるのはやはりこの男、古性優作(大阪/100期)だろう。全日本選抜は22年、23年と連覇しており、昨年は1997年神山雄一郎以来となる史上6人目のGI年間3勝を達成。この実績が評価され、松浦を差し置いて2023年の競輪MVPに選出された。GPでは2度目のVに届かず4着と悔しい思いをしたが、今年は1月和歌山記念でVと幸先の良いスタートを切っている。史上初の3連覇へ、今年も最強オールラウンダーの脚力を披露する。

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 不安があるとすれば、同じ近畿ラインの偉大な先輩・脇本雄太(福井/94期)の状態だ。これまでGI通算7勝、2022年にはGPを初制覇し獲得賞金も史上初の3億円超え。また、自転車競技も両立しリオデジャネイロ、東京とオリンピックにも2大会連続で出場した競輪界のスーパースター。しかし、昨年8月GIオールスターでの落車で「自分の競輪人生の中でも類を見ない大きな怪我」という右肩甲骨骨折、右肋骨骨折の重傷を負い、そこから復帰を果たして年末GPに乗ることはできたものの、今年1月のいわき平記念2日目に再び落車し3日目以降を欠場。今回はそれ以来のレースとなる。体調の回復次第にはなると思うが、逆境を跳ね返す復活劇を見たいというのがファンの思いだ。

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