年末1億円GP出場権をかけた戦いが2.9岐阜から開幕 2024年最初のGI「全日本選抜競輪」を展望

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深谷、郡司、松井、北井……南関東は自力選手が強力

 ラインとして中四国、近畿に劣らないどころか、それ以上とも思わせるのが南関東だ。6年ぶりにS班復帰を果たした“平成の怪物” 深谷知広(静岡/96期)を筆頭に、S班復帰を目指す21年全日本選抜覇者の郡司浩平(神奈川/99期)、2020年ヤンググランプリ覇者・松井宏佑(神奈川/113期)、元Jリーガーのオールドルーキー・北井佑季(神奈川/119期)など強力な自力選手が豊富。初日特選の第10レースではさっそく深谷と松井の連携が見られそうで、どのようなレースを組み立ててくるのか注目したい。

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 北日本からは47歳の大ベテラン・佐藤慎太郎(福島/78期)、突っ張り先行を代名詞としている新山響平(青森/107期)のS班2名のほか、昨年の全日本選抜決勝2着の守澤太志(秋田/96期)、そして新田祐大(福島/90期)が1月いわき平で初の地元記念Vで好調をアピールしている。新田は現行のGI・6レースをすべて制覇する史上4人目のグランドスラム達成者で、オリンピックにもロンドン、東京と2大会出場した第一人者。昨年は思うように成績が上がらずS班から陥落したものの、地元記念初Vの勢いそのままに全日本選抜で完全復活をアピールしたい。

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地元期待の山口拳矢、ホームバンクで本領発揮

 また、S班からは昨年GI・2勝で大ブレークした25歳の眞杉匠(栃木/113期)も出走予定。年明けの怪我の影響もあり、2024年はここまで未出走。全日本選抜が今年初のレースとなるため仕上がり具合がカギになるが、万全ならば昨年同様に縦横無尽の戦法を見せてくれるはず。

 昨年のGPに出場選手がいなかった九州ラインは、総大将の荒井崇博(長崎/82期)、昨年GIII・2勝の山田庸平(佐賀/94期)、将来のエース候補・嘉永泰斗(熊本/113期)らの奮起に期待したいところだ。

地元・岐阜の期待がかかる山口拳矢(写真は昨年のKEIRINグランプリ会見) 【写真:中原義史】

 そして、忘れてはいけないのが地元・岐阜の山口拳矢(岐阜/117期)。父は1998年、2011年のグランプリ覇者でもある山口幸二氏、祖父も元選手、叔父の富生も2002年高松宮記念杯覇者の現役選手という競輪一家の生まれ。2020年にデビューし、翌年には早くも共同通信社杯を制して史上最速のGII優勝、そして昨年5月の日本選手権を初出場で制し史上3組目となる親子GI制覇を達成した。落車の影響もあり調子が上がらなかった昨年後半の分まで、地元のホームバンクで本来の切れ味抜群の脚力を発揮してくれるだろう。

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 優勝賞金1億円を超える年末のKEIRINグランプリに向けた戦いが早くも始まり、その本格的な開幕戦となるGI全日本選抜競輪。週末3連休を含む9日からの4日間は、寒風を切り裂くレーサーたちの強靭な脚、そしてスピードをぜひともその目で見ていただきたい。なお、今開催は令和6年能登半島地震復興支援競輪として行われる。

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