『ウマ娘』オーナー、初のGI級レースVへ勝機到来! 全日本2歳優駿ほか12月ダートグレード競走展望
全日本2歳優駿が12月13日(水)に川崎競馬場で開催、今年の2歳ダート王者に輝くのはどの馬か 【写真は共同】
日本の競馬ではJRA、地方競馬を通じて唯一の2歳ダートのGI級レース。と言って早熟馬のためのレースというわけではなく、過去の勝ち馬からは1997年アグネスワールド、99年アグネスデジタル、2000年トーシンブリザード、02年ユートピア、06年フリオーソ、08年スーニ、17年ルヴァンスレーヴをはじめ、3歳・古馬になっても重賞で息長く活躍する馬が続出している出世レースだ。
また、同レースは米国ケンタッキーダービー出走馬選定ポイントシリーズ対象レースの1つであり、昨年の勝ち馬デルマソトガケはここをステップに米国3歳最高峰レースに挑戦して6着と善戦。そして秋には再び米国に遠征し、ブリーダーズカップ・クラシック2着と大健闘したのは記憶に新しいところだろう。
今年も過去の勝ち馬に劣らないスター候補の誕生を期待するのは当然。さらに、2024年からは「3歳ダート三冠」が創設されるなど、令和のダート競馬改革元年を迎える。現体系の最終年となる今年は南関東から無敗の三冠馬ミックファイアという超大物が飛び出したが、記念すべき改革初年度の旗振り役が全日本2歳優駿から現れるのかという点にも注目したい。
末脚一級品のフォーエバーヤング、馬主は藤田晋氏
10月の京都デビュー戦、前走11月3日のJpnIII・JBC2歳優駿を連勝し2戦2勝。いずれのレースも鋭い末脚で直線一気に突き抜ける強い内容だった。この決め手の威力はメンバー随一。直線の追い比べになれば三度(みたび)、強烈な差しが決まるだろう。この中間も坂路、CW追い切りで好時計をマークするなど、出走態勢は整っている。
一方、デビューからの2戦は1800mで今回は1ハロン短縮の1600m戦。特に前走のJBC2歳優駿はスタートダッシュが利かず道中は後方3番手からの競馬になっただけに、初めてのマイル戦の流れにどう対応するかがポイントとなりそうだ。今年初のJRA年間100勝を達成し、またレモンポップとのコンビでダートGI級レースを3勝した坂井騎手の手腕にも期待したい。
もう一つ、フォーエバーヤングの注目点はオーナーが大ヒットゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』を運営するサイバーエージェントの藤田晋代表取締役社長ということ。藤田氏は2021年に馬主デビューし、これまで国内・海外の競走馬セールで高額馬、良血馬を次々と落札するなどリアル競馬界にも話題を振りまいてきた。重賞はフォーエバーヤングのJBC2歳優駿のほか、ジャングロ(22年GIIニュージーランドトロフィー)、シンエンペラー(23年GIII京都2歳ステークス)ですでに通算3勝を挙げているが、馬主デビューわずか3年目にして初のGI級タイトルをも手にしてみせるか。ここを勝てば新ダート三冠はもとより、海外へと夢は広がっていく。
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兵庫ジュニアGP1着イーグルノワールが厩舎の先輩に続く
1着馬のイーグルノワールは芝のデビュー戦こそ4着に敗れたが、次戦ですぐさまダートに転向してからは一気の3連勝で重賞タイトルを手にした。同馬の長所は何といってもセンスの良さ。ダートでの3戦は小倉1800m、東京1600m、園田1400mと距離もコース形態も全て違うのにも関わらず、そのいずれにも難なく対応した競馬の上手さが目を引く。大外に入ったフォーエバーヤングに対し、最内の1枠1番を利した立ち回りを存分に生かせれば、GIタイトルにも十分に手が届くだろう。厩舎の先輩デルマソトガケに続く快走を見せたいところだ。
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