J1月間MVP 福岡・紺野和也が切り開いた新天地での新境地「今までで一番充実している」
三笘、旗手、上田らともう一度一緒に
三笘(左)や旗手(中央)らと共に出場した19年のユニバーシアードでは主力として金メダル獲得に貢献した 【写真:森田直樹/アフロスポーツ】
怪我をしてしまった時期もありましたけど、万全の状態であればいいプレーができていますし、本当に充実した日々を過ごせています。プロ4年目にして、今までで一番充実しているかもしれないです。なので、最後にタイトルを獲ってシーズンを終えたいですね。そして、この流れを続けてさらにレベルアップしていけば、もっと活躍できると思いますし、もっと活躍しなければいけないとも思っています。
チームとしてもタイトル争いをする中で自信に満ちた雰囲気が出てきています。同時に緊張感も一体感もあって、それらをピッチ上で表現できている実感もある。本当にいいチームで、強豪と言われるチームにも徐々に近づいていると感じています。
――この充実感や自信を次のステップにつなげたいですね。
アビスパはまだタイトルを獲ったことがないので、ルヴァンカップ優勝に懸ける思いは強いです。自分としても、アビスパでタイトルを獲りたい。FC東京ではプロ1年目にルヴァンカップ優勝を経験していますけど、当時はほとんど試合に出ていなくて、あまり嬉しさを感じられませんでした。でも、もし今年のルヴァンカップで優勝できたら、絶対に嬉しい気持ちが湧いてくると思います。自分がしっかり関わって、貢献できたと胸を張れるタイトルを獲得するのが今の目標です。
――プレーヤーとしてはどんな形で成長していくことを目指していますか?
前線の選手なので、ゴールやアシストといった目に見える数字はまだまだ足りないと思っています。もちろん数字以外のところでも、もっとチームに貢献したい。試合中にボールを一度も失わないレベルの選手になりたい。そうなってくればもっと上も見えてくるかな、と。まだ日本代表はまったく現実的ではないと感じていますけど、そこに近づくために、少しずつステップアップしていければいいかなと思います。
――2019年のユニバーシアードで共に戦った三笘薫選手や旗手怜央選手、上田綺世選手などがすでに日本代表で活躍しています。彼らは紺野選手にとってどんな存在ですか?
本当に刺激を受けていますね。普段から彼らの試合をよく見ますし、日本代表戦も必ず見ています。ただ、正直なところプロになってから遠い存在になってしまった感覚があります。彼らとの離れた距離をここからどうやって少しずつ埋めていくか、そして埋めることが僕の目標です。できればユニバーシアードで戦ったメンバーたちともう一度、今度は日本代表として一緒にプレーできたら最高です。その場所に近づくためには努力し続けるしかないと思っています。
父のアドバイスが活きるシーンも
リーグ戦残り5試合での目標は「1ゴール1アシスト」と控え目だが、それは最低限の数字だ 【(C)J.LEAGUE】
まずはシンプルに「月間MVPをもらったよ」と伝えようかなと思っているんですけど、何と返ってくるかは想像できないですね。たぶん「え、お前が?」みたいな感じになると思うんですけど(笑)。でも、父は僕の試合を全てチェックしていて、試合後にLINEで「これはもっとこうした方がいいんじゃない?」というアドバイスを送ってくれます。「わかってるよ!」と感じることもありますけど、実際に「確かにな」と頷くときもあるので、いろいろな人のアドバイスを聞きながら成長していければ一番いいかなと思っています。
――最近で最も心に響いたお父さんからのアドバイスを挙げるなら?
最近「もうちょっと強引に仕掛けてもいいんじゃない?」と言われました。半分くらいは「わかってるよ!」と言いたくなってしまうようなものですけど、それでも毎試合チェックして自分のために助言してくれるのは本当にありがたいです。
――個人タイトルだけでなく、チームとしてもタイトルを獲得して「お父さんのおかげで獲れました」と報告できるといいですね。
シーズンオフにそうやってタイトル獲得を報告できたら最高だと思います。
――シーズンも終盤に差し掛かりましたが、アビスパはタイトル獲得の可能性を残しています。最後に改めて今シーズンの残り試合に向けた意気込みを聞かせてください。
リーグ戦終盤の対戦相手は上位が多いので、そこで勝てれば順位も上げられますし、3位くらいまでは狙える位置につけています。チームの目標は8位以上ですけど、それ以上、できるだけ上の順位でリーグ戦を終えたいです。そして、ルヴァンカップで絶対に1つタイトルを獲りたいので、その目標を達成できるように頑張っていきたいと思います。
――紺野選手個人として具体的な数字の目標などは掲げていますか?
個人としてはJリーグの残り5試合で、1ゴール1アシストくらいはしたいです。ルヴァンカップは多くて2試合なので、ゴールかアシストで優勝に貢献できればなと思っています。
――5試合で1ゴール1アシストは控えめすぎないですか?
ちょっと少ないですかね(笑)。もちろん2ゴール2アシストくらいできたら最高ですけど、あえて控えめに。「1ゴール1アシストは絶対に超える」という意味で、そう言っておきたいと思います。