3歳ダート三冠馬対決が10.1盛岡で実現! 全国統一王者は東のミックファイアか、北のベルピットか

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北の三冠馬ベルピット、机上の計算を覆す走りを見せる

 となれば、ミックファイアを脅かすライバルは他地区にいる。それも同じ“三冠馬”の称号を持つ馬がもう1頭、このダービーグランプリにエントリーしているのだ。その馬とはホッカイドウ競馬所属のベルピット。通算10戦8勝2着2回、ホッカイドウ競馬の3歳三冠レースである北斗盃を1秒4差、北海優駿を0秒6差、王冠賞を1秒0差といずれも圧勝で制し、ミックファイア顔負けの内容で2年ぶり史上7頭目の道営三冠馬に輝いた。

 所属地区が違う三冠馬同士が相まみえ、真の3歳最強馬を決する――まさにダービーグランプリのコンセプト通りのレースが最後の年に実現するのだからファンにとってはたまらない。そして、道営と南関の三冠馬はどちらが強いのか? その答えのヒントがあるとすれば、ベルピットは昨年のJBC2歳優駿でJRAのゴライコウに0秒5差で敗れており、そのゴライコウはジャパンダートダービーでミックファイアに2秒0もの差をつけられた。これを基準に考えればミックファイア優勢となるものの、今年に入ってのベルピットのレース内容を見れば2歳時よりもパワーアップしていることは明らか。机上の計算は役に立たないという走りをベルピットが見せてくれるかもしれない。

 また、ホッカイドウ三冠すべて2着だったニシケンボブもダービーグランプリに参戦。道営の2枚看板と大井の3歳トップ勢との対決も見ものだ。

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叩き上げの地元総大将ルーンファクター&21歳女性厩務員にも注目

 一方、地元・岩手勢は最強3歳牝馬ミニアチュールが回避したのが残念だが、代わって総大将として迎え撃つのが、そのミニアチュールを岩手3歳牡馬三冠レースの最終戦・不来方賞で撃破したルーンファクターだ。門別でデビュー後、大井、佐賀と渡り歩きながら目立った成績を残せなかったものの、岩手に移ってから重賞を連勝と素質が開花した。実はまだ無名の大井時代にミックファイアと1度対戦経験があり、その時は歯が立たず1秒0差をつけられて敗れている。しかし、そこからレース経験を重ねて地道に力をつけ、所属を移りながらたどり着いた岩手の3歳最高峰レースで再び対戦するのだから、これもまた一つのドラマだろう。およそ10か月ぶりの再戦でルーンファクターはどのような走りを見せるのか。三冠馬同士の対決以外にもそうした叩き上げの物語があることにもぜひ注目していただきたい。

 なお、ルーンファクターに関しての余談ではあるが、担当するのが弱冠21歳の三浦愛花厩務員。今週発売の週刊Gallopでも特集され、地方競馬ファンの間では人気急上昇の女性厩務員の奮闘にも応援の声が集まりそうだ。

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【予想と見解】3歳同士では負けられないミックファイア

◎(7)ミックファイア
○(6)マンダリンヒーロー
▲(1)ベルピット
△(5)サベージ
△(2)ルーンファクター

 予想の中心はやはりミックファイア。南関東三冠レースで見せたパフォーマンスは群を抜いており、JRA馬を相手にしたジャパンダートダービーの内容を考えてもこの相手ならば力は1枚も2枚も上だろう。約3カ月ぶりの競馬で最大目標はまだ先とはいえ、順調に乗り込まれているようで仕上がりに不安はなさそう。世代を飛び越えて現役ダート最強を目指す以上、3歳同士のレースでは負けられない。

 ミックファイアが実力通りの競馬をすれば、2番手争いはマンダリンヒーロー、ベルピットとなりそう。マンダリンヒーローにとっては前走から100mでも距離が短縮されるのは歓迎材料だが、2000mでも若干長いような印象もある。となれば、2000mで勝ち鞍があるベルピットがミックファイアとの一騎打ちに持ち込むシーンも出てくるか。

 大井の重賞勝ちがあるサベージ、岩手移籍後に力をつけた地元期待のルーンファクターは連単系の2、3着で押さえておきたい。

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