スポーツナビ公式YouTube（野球チャンネル）にて「歴代最強遊撃手は誰なのか？」というテーマについてトークを繰り広げたのは、現役時代に遊撃手として6度のゴールデングラブ賞（三塁手部門は4度）を獲得した宮本慎也さんと、4度のゴールデングラブ賞（三塁手部門は1度）を獲得した鳥谷敬さん。OB編、現役編、それぞれ2人が思うベスト5を発表し、その選手のすごさについて語り合った。

　ベスト5を発表する前に、まず2人で「遊撃手にとって何が大切か」ということについて語り合った。一流の遊撃手としてレギュラーを掴むためには、グラブさばき、フットワーク、カットプレー、ポジショニング、肩などすべての要素で高いレベルを求められるが、一番大切なのはスローイングで間違いないと2人の意見が一致した。

　鳥谷さんがショートの難しさを改めて知ったのは、他のポジションにコンバートされてからだったという。

「ショートは、一歩目のスタート、ポジショニング、捕ってからのスムーズさなど、ランナーをアウトにするために逆算して考えないといけない。セカンドやサードに比べると考えることが多い」。その中で、「送球」のことを一番に考えていたそうだ。

　宮本さんも、遊撃手にとって「投げる」ことができないと話にならないと話す。遊撃手としてプロの世界に入っても他のポジションにコンバートされてしまうのは、送球に不安があると首脳陣に判断された結果だ。そこで宮本さんは、「今の選手たちにはキャッチボールの大切さについて改めて考えてほしい」とアドバイスを送る。

　また宮本さんは、キャンプについて「捕るだけの練習をやっても意味がないのでは？」と問題を投げかけた。その意見について、鳥谷さんも「投げるために捕っているので」と同意。捕るだけの練習は、「捕るのと投げるのが別になりやすい練習だ」と鳥谷さんは指摘する。

　鳥谷さんは今年の阪神のキャンプに臨時コーチとして参加し、中野拓夢や木浪聖也、小幡竜平らに守備の指導を行った。その時に「軽く山なりでもいいので、捕ってから体を使ってきちんと狙ったところに投げる」という練習を選手たちと繰り返したそうだ。

　宮本さん、鳥谷さんも、遊撃手として長年活躍した後に三塁手にコンバートされたが、三塁手でもゴールデングラブ賞を獲得している。「遊撃手の大変さ」について話が及ぶと、2人は、遊撃手に比べて三塁手がいかに楽だったかという話に。

宮本さん「サードの選手は打たなあかんね」
鳥谷さん「もう全然別競技ですね」

　花形のイメージがある三塁手だが、超一流の遊撃手から見れば“一息つける”といったイメージだったのだろう。

　その後、「遊撃手あるある」や「球場で遊撃手のこんな動きを見ると面白い」といった話にトークが展開。そこで送球のほかに、遊撃手としてもう一つの大切なことへと話が及んだ。詳しくは、動画にて。