【PIT】2023年ドラフト全体1位は誰?

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【【PIT】2023年ドラフト全体1位は誰?】

【これはnoteに投稿されたのばさんによる記事です。】
現地7月9日から11日にかけて「2023 MLB ドラフト」が開催されます。9日が前半最終戦・10日がHRダービー・11日がオールスターですから今年も盛り沢山ですね。

さて、我らがPittsburgh Pirates(PIT)は昨冬のロッタリーの結果、全体1位指名の権利を持っています。前年までの完全ウェーバーであれば全体3位でしたからロッタリー万歳ですよ。

そんな訳で今回は“2023年ドラフト全体1位”について、「MLBについては何となく分かるけど今年のドラフトはよく知らない」という方向けに書きたいなと思います。




ご存じの方も多いでしょうが、今年のドラフトは投手・野手それぞれで目玉がいます。LSU(Luisiana State University)の大エースであるPaul Skenesと、主に1番CFとしてプレーする主砲のDylan Crewsです。

彼らを知らない方のためにMLB公式のランキングのScouting gradesを引用しつつ、両者の簡単な説明をしておきましょう。Scouting gradesとは各選手の能力を20~80で評価したものです。

“50”を平均レベルとして数字が多ければ多いほど優秀で、“20”が最低でパワプロでいうG・“80”がパワプロでいうSですね。ちなみに、20や80が付く事はほぼありません。


◆◆ PAUL SKENES ◆◆


[Fastball] 80┃[Slider] 70┃[Changeup] 50
[Cotrol] 55┃[Overall] 65
https://www.mlb.com/prospects/draft/paul-skenes-694973


過去2年は(他校で)二刀流として大活躍していましたが、転校して迎えた今年は投手に専念。122.2回を投げて209奪三振/20与四球/7被HRで防御率1.69と圧巻の成績を残しました。

6'6/235lbsと立派な体格、平均98mph・最速102mphを計測するファストボール、決め球になるスライダー、破綻していない制球力…と、エースに求める要素をほぼ全て兼ね備えています。

◆◆ DYLAN CREWS ◆◆


[Hit] 70┃[Power] 60┃[Run] 60
[Arm] 55┃[Field] 55┃[Overall] 65
https://www.mlb.com/prospects/draft/dylan-crews-686611


高校時代も1巡目候補でしたが進学のためドラフトを辞退すると、LSUでは入学から3年連続でOPS 1.100超…今季に至ってはAVG .426/OBP .567/SLG .713OPS 1.280と意味不明なレベルで打ち続けた右打者。

また、打撃だけでなくスピードも平均以上であり、守備でもCFに留まれる(or強肩を活かして平均以上のRFになれる)と評判。正真正銘の5ツール・プレーヤーです。



投手と野手なので各項目を比較するのは難しいですが、Overall(総合評価)を見ると両者共に65ですね。これは「将来的にオールスター級の名選手になり得る」という事です。

MLB公式のランキングでは当初からCrewsが不動の1位に君臨していましたが、今年に入りSkenesが大ブレーク。とてつもない勢いで評価を上げて、先日の更新では遂にMLB公式ランキング1位に輝いています。

要は「未来のGerrit Cole未来のMike Troutのどちらを選ぶ?」と迫られている様なもので答えは「どちらも欲しい」しかありません。どちらを選んでも正解です。

現地のMock Draft(指名予想)を見ると「故障リスクの多い投手よりも野手」という事でCrewsの予想が多いです。しかし、興味深いのはCrewsに次いで多く予想されているのがSkenesではない事。

ここに来てSkenesの予想も増えてきましたが、それよりも多いのがFranklin Community HSのMax Clarkです。Crewsと同じくOFですが、こちらは左投げ左打ちの高校生ですね。



◆◆ MAX CLARK◆◆


[Hit] 60┃[Power] 50┃[Run] 70
[Arm] 65┃[Field] 60┃[Overall] 60
https://www.mlb.com/prospects/draft/max-clark-703601

Crewsと同様にこちらも5ツールプレーヤーとしての素質は充分ですが、彼の武器は守備走塁。投手として97mphを計測した肩力エリートクラスの走力を兼ね備えており、MLBでも平均以上のCFになれると評判です。

打撃は左右に痛烈なライナーを放つタイプですが、将来的には20HR前後打てるパワーポテンシャルは秘めています。メイクアップも優れており自然と目で追ってしまう様な、いわゆる“華がある”選手ですね。



では、GMのBen CheringtonはClarkの事をLSUの2人と並ぶ“S級”の評価をしてるのでしょうか?そうではありません。Clarkを指名する最大のメリットはアンダースロット、つまり相場より安く契約出来る事です。

MLBのドラフトは各指名順ごとにボーナススロット(契約の目安)が定められており、1巡目から10巡目のボーナスプールの総額をボーナスプールと言います。基本的に各チームはこのボーナスプールの中で契約金をやり繰りしなければいけません。

今年のPITは10巡目までに11個の指名権を持っており、ボーナスプールは( 30チームで)最も多い$16.2M。その中で実に約60%を占めているのが全体1位で、ボーナススロットは$9.7Mと設定されているのです。

目玉であるLSUの2人はほぼ間違いなく満額(もしくはそれ以上)を求められるでしょうが、Clarkの場合はおそらく$1.5M前後下回る額で契約出来ると目されています。

前評判では1巡目候補と言われながら契約金がネックとなりスリップする選手は必ず出てきますから、その浮いた金額を2巡目以降のボーナススロットに上乗せすれば複数の有力選手が確保出来る訳です。

PITは21年に全体1位でHenry Davisを指名。$2.0M近いアンダースロットで契約すると、その後にAnthony SolometoRonnie White Jr.Bubba Chandlerと有力な高校生を3人連続で指名していますから、確かにその可能性はありそうです。




【本命】Dylan Crews
【対抗】Max Clark 
【単穴】Paul Skenes


そんな訳で、報道ベースではありますが全体1位指名予想はこんな感じでしょうか。この記事の最後にMock Draftのリンクをいくつか貼っておきます。

個人的には、もし本番でClarkの名前が呼ばれたらちょっとガッカリですかね。Davisを指名した21年は彼らの様な本命不在のドラフトだった上に、Endy Rodriguezの評価が上がる前でCのプロスペクトが枯渇していたので。

「質より量」という考えも理解出来ますが…とはいえ全体1位指名権を持っていて、目玉の選手がいるなら細かい戦略は関係なしに突っ込むべきだと思います。

仮にそれで失敗しても諦めは付くので。もしもClarkが守備の良い4番手OFに落ち着いて、スルーしたSkenesとCrewsがスーパースターになったら耐えられません。

※ここに来て、Crewsが(全体2位の指名権を持つ)WSHでのプレーを希望しているため、代理人のScott BorasがPITに対して$10.0M超の契約金を要求しているなんて噂もありますが

ここはしっかり正攻法の指名をして、Skenesであれば「近未来の本格派エース」に、Crewsであれば「Bryan ReynoldsとJack Suwinskiと強打のOFトリオ」になって貰いたいものです。




【参考文献】

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