石川遼が全米オープンに出場!世界が待つカムバック・ストーリー

北村収

5月22日、茨城ゴルフ倶楽部(西コース)で行われた全米オープン最終予選で3位に入り、全米オープンの切符を獲得した石川遼 【写真は共同】

 4大メジャーの「全米オープンゴルフ選手権(以下「全米オープン」)」が、米国カリフォルニア州のロサンゼルスカントリークラブで6月15日から18日まで開催される。日本人選手では松山英樹、桂川有人、永野竜太郎、そして石川遼が出場する。

2010年、18歳で初出場した全米オープンで健闘

 石川遼という名前が全米オープンの出場者リストに初めて載ったのは2010年。会場はカリフォルニア州にあるぺブルビーチゴルフリンクスだった。

 非常に厳しいコンディションの中、2ラウンドを終えた時点で1アンダー。トップと2打差の2位タイで決勝ラウンドに進んだ。当時18歳の石川の活躍は、日本だけでなく海外の観客にも強い印象を残した。

 しかし週末にスコアを伸ばすことができず33位タイで終了。自身の課題として「体力と精神力」をあげていた。成績は惜しいものであったが、若い石川の前途には4大メジャー制覇への道が大きく開かれているように思えた。

2010年の全米オープン予選ラウンドでは、ローリー・マキロイと同組で回る 【Photo by Donald Miralle/Getty Images】

海外の記者から「遼はどうしている?」

 2013年から米国ツアーを主戦場として4大メジャーにも数多く出場。2017年秋からは国内ツアーに復帰して現在に至る。

 今年のマスターズを取材中、友人の米国人記者であるポール・ロジャー氏から「遼はどうしている?」と聞かれた。2009年、プロゴルファーとしては史上最年少の17歳6ヶ月でマスターズに出場した石川は、彼にとっても印象に残っている選手のようだった。丁度、マスターズ前週に開催された国内男子ツアー開幕戦で石川は優勝争いをしていたので「彼は日本で活躍している。昨年11月には日本ツアーで優勝しているし、先週も日本ツアーで優勝争いをしていたよ。彼はスイング改造も行っていて、米国ツアーの復帰を目指している」と答えた。

2020年から米国ツアーに復帰するためにスイング改造!

 石川が大幅なスイング改造を決断したのは、2020年のシーズン入り前だった。2019年に日本ツアーで3勝するなど米ツアー復帰も期待されていたタイミングで出場した米国ツアー「ザ・ホンダクラシック」の予選ラウンドで13オーバーの大たたき。世界最高峰のツアーで戦っている選手たちとの技術の差を痛感した。

 それからスイング改造に本格着手した。本人が求めたのは再現性の高いスイング。トップがコンパクトになり、誰が見てもスイングは大きく変わった。さらには肉体改造にも取り組み体型も変化。飛距離もアップしている。

 5月に実施された全米オープンの予選会を通過後のコメントでは、「全米オープンでいいプレーができるようになりたいと思って、ずっと3年間やってきた」と、この2020年からのスイング&肉体改造を振り返っていた。

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著者プロフィール

1968年東京都生まれ。法律関係の出版社を経て、1996年にゴルフ雑誌アルバ(ALBA)編集部に配属。2000年アルバ編集チーフに就任。2003年ゴルフダイジェスト・オンラインに入社し、同年メディア部門のゼネラルマネージャーに。在職中に日本ゴルフトーナメント振興協会のメディア委員を務める。2011年4月に独立し、同年6月に(株)ナインバリューズを起業。紙、Web、ソーシャルメディアなどのさまざまな媒体で、ゴルフ編集者兼ゴルフwebディレクターとしての仕事に従事している。

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