鳥谷敬『他人の期待には応えなくていい』

鳥谷はレギュラーを外されてどう振舞ったか? 「腹が立つときこそ、かっこよくあれ」

鳥谷敬
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【写真は共同】

 自分らしさとは? 幸せとは? その答えがわかる“鳥谷流・人生訓”

 「カッコイイほうを選べ」「空気を読むな、自己主義で行こう!」

 18年にわたるプロ野球人生で培った、自己肯定感を高める35のメソッド!

 阪神、ロッテで活躍した鳥谷敬が現役時代のエピソードを踏まえて説く「人生訓」が詰まった一冊『他人の期待には応えなくていい』から一部を抜粋して公開します。

努力すればするほど自分にかえってくる

 タイガース最終年となった2019年シーズン――。
 この年も、春季キャンプ時点から、ショートのレギュラーを目指して北條選手と争うことになった。オープン戦で結果を残し、「よし、今年こそは」と思っていたものの、開幕スタメンの座は北條選手ではなく、ルーキーの木浪聖也選手に明け渡すことになってしまった。
 このときはさすがに、いろいろなことを考えた。

 プロ16年目にしてはじめての「開幕スタメン落ち」がショックだったのではない。オープン戦のあいだずっと試合に出続け、そして結果も残していたのに、いざペナントレースが始まると試合に出られない。開幕早々、「今年はおまえを使うつもりはない」と監督から告げられたような事態が訪れたことは、少なからずショックだった。
 この年は、5年契約の最終年でもあったから、自分なりに覚悟も芽生えた。「今年限りでタイガースを去るのかな?」という思いではない。「現役引退が、すぐそこまで迫っているのだな」という思いだった。
 当時の矢野燿大監督に、どのような考えがあったのかはわからない。けれど、このときも「最初から勝負はなかったのだな」と理解した。
 もちろん、悔しくないはずがない。けれども、これまでに何度も述べてきたように、「必ずいつかチャンスは訪れるはずだ」という思いを持って、あらためて自分のできることに取り組んだ。

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