引退決意から一転、取り戻した情熱。「ボディビルはこんなに楽しいものなんだ」【五味原領・前編】
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「負けたときこそ真価が問われる。負けて、恐い男になれ」
――クラシックフィジーク初代王者として臨んだ2022年は、同競技のみならず、久々にボディビルで日本選手権とゴールドジムジャパンカップにも出場した1年でした。
「去年がスタートしたときの想定としては、クラシックフィジーク選手権と世界選手権の2つを軸に考えていました。ボディビルに出場したのは、一言で言えば、クラシックフィジーク選手権のオーバーオールで喜納穂高選手に負けたことがきっかけです」
――負けたままでシーズンは終われないと?
「というわけではないですね。SNSにも書きましたが、もともと昨年で競技からは引退すると決めていて、これが最後という思いでステージに立っていました。そう考えるように至った理由は、『ボディビルをやっていてもあまり楽しくない』と感じるようになっていたからなんです。ところが、そのタイミングで負けを経験したことで、逆に自分の中のボディビルへの熱が再び高まっていき、『楽しむ』ことを思い出せた。それが、その後にボディビルのステージにも立った理由の一つです」
――五味原選手にとって、ボディビルの「楽しさ」というのはどういうところにあるのでしょうか。
「『どうなるかわからない』という状況に自分が置かれること、そしてそこに対して挑戦するということです。それは日本体育大学バーベルクラブ(現ボディビル部)に入ってボディビルをはじめたときに感じていたものでした。自分にとってそれこそがボディビルの魅力として感じる点だったのですが、そういう経験をここ数年はあまりできていないという実感がありました」
――日体大を卒業後は、2020年のゴールドジムジャパンカップのクラシックフィジークでオーバーオール優勝、翌年のクラシックフィジーク選手権でも優勝。国内での競技では、ずっと勝ち続けてきていました。
「2019年以降、優勝してもなぜか喜べず、複雑な思いを抱えていました。なので昨年は喜納さんに負けたことで、悔しさや悲しさと同時にさまざまな感情を経験でき、『ボディビルはこんなに楽しいんだ』という思いがまた芽生えてきました。2018年に4位となった関東学生ボディビルが私の中で最もボディビルの楽しさを感じた大会であり、この感情をまた経験できたことがとても嬉しかったです」
「去年がスタートしたときの想定としては、クラシックフィジーク選手権と世界選手権の2つを軸に考えていました。ボディビルに出場したのは、一言で言えば、クラシックフィジーク選手権のオーバーオールで喜納穂高選手に負けたことがきっかけです」
――負けたままでシーズンは終われないと?
「というわけではないですね。SNSにも書きましたが、もともと昨年で競技からは引退すると決めていて、これが最後という思いでステージに立っていました。そう考えるように至った理由は、『ボディビルをやっていてもあまり楽しくない』と感じるようになっていたからなんです。ところが、そのタイミングで負けを経験したことで、逆に自分の中のボディビルへの熱が再び高まっていき、『楽しむ』ことを思い出せた。それが、その後にボディビルのステージにも立った理由の一つです」
――五味原選手にとって、ボディビルの「楽しさ」というのはどういうところにあるのでしょうか。
「『どうなるかわからない』という状況に自分が置かれること、そしてそこに対して挑戦するということです。それは日本体育大学バーベルクラブ(現ボディビル部)に入ってボディビルをはじめたときに感じていたものでした。自分にとってそれこそがボディビルの魅力として感じる点だったのですが、そういう経験をここ数年はあまりできていないという実感がありました」
――日体大を卒業後は、2020年のゴールドジムジャパンカップのクラシックフィジークでオーバーオール優勝、翌年のクラシックフィジーク選手権でも優勝。国内での競技では、ずっと勝ち続けてきていました。
「2019年以降、優勝してもなぜか喜べず、複雑な思いを抱えていました。なので昨年は喜納さんに負けたことで、悔しさや悲しさと同時にさまざまな感情を経験でき、『ボディビルはこんなに楽しいんだ』という思いがまた芽生えてきました。2018年に4位となった関東学生ボディビルが私の中で最もボディビルの楽しさを感じた大会であり、この感情をまた経験できたことがとても嬉しかったです」
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――クラシックフィジーク選手権は9月の頭、男子日本ボディビル選手権へのエントリーはその直後だったと思います。気持ちをすぐに切り替えられたのでしょうか。
「負けたその日はさすがに悔しくて落ち込みましたし、何も食べる気も起きない状態でした。会場が石川県の金沢だったので大会後の食事を楽しみにしていたのですが、味がまったくしないし、当然美味しくもない。とりあえず食べておこうという思いで詰め込んだのを覚えています。それくらい自分の中ではショックでしたし、もう立ち直れない自分になるんじゃないかと客観的に見ている自分もいて。ただ、その数日後にはトレーニングが楽しくてしょうがないという気持ちになっていて、意外にも切り替えが早い自分に驚いたくらいです(笑)」
――立ち直ることができたきっかけが何かあったのでしょうか。
「正直、負けたら周りの人は自分から離れていくと思い込んでいたんです。でも、勝ったときよりも多くの人からいろいろなメッセージをいただけて。それが大きかったですし、自分の価値観が変えられたところだったと思います」
――そのときに掛けられた言葉で印象に残っているものはありますか。
「ゴールドジムのトレーナーの渡辺実さんから、『負けたときこそ真価が問われる。負けて、恐い男になれ』という言葉をいただきました。それが自分の中に強く刺さり、『よし、やってやろう』と切り替えることができたきっかけになりました」
(中編に続く)
取材・文/木村雄大
写真/林嵩
「負けたその日はさすがに悔しくて落ち込みましたし、何も食べる気も起きない状態でした。会場が石川県の金沢だったので大会後の食事を楽しみにしていたのですが、味がまったくしないし、当然美味しくもない。とりあえず食べておこうという思いで詰め込んだのを覚えています。それくらい自分の中ではショックでしたし、もう立ち直れない自分になるんじゃないかと客観的に見ている自分もいて。ただ、その数日後にはトレーニングが楽しくてしょうがないという気持ちになっていて、意外にも切り替えが早い自分に驚いたくらいです(笑)」
――立ち直ることができたきっかけが何かあったのでしょうか。
「正直、負けたら周りの人は自分から離れていくと思い込んでいたんです。でも、勝ったときよりも多くの人からいろいろなメッセージをいただけて。それが大きかったですし、自分の価値観が変えられたところだったと思います」
――そのときに掛けられた言葉で印象に残っているものはありますか。
「ゴールドジムのトレーナーの渡辺実さんから、『負けたときこそ真価が問われる。負けて、恐い男になれ』という言葉をいただきました。それが自分の中に強く刺さり、『よし、やってやろう』と切り替えることができたきっかけになりました」
(中編に続く)
取材・文/木村雄大
写真/林嵩
五味原領(ごみはら・れい)
1997年12月26日生まれ。2017年、大学2年生時に日本体育大学バーベルクラブ(現ボディビル部)に入部し、ボディビルをはじめる。2018年の関東学生ボディビル選手権で大会デビューし、4位入賞。同年の全日本学生ボディビル選手権では3位、北区オープンボディビル大会で初のタイトルを獲得。日体大卒業後はスタジオ・バズーカ自由が丘店の店長を務め、トレーナーとして活動中。
【主な戦績】
<2019年>
第54回全日本学生ボディビル選手権準優勝
第30回日本ジュニアボディビル選手権優勝
<2020年>
ゴールドジムジャパンカップ クラシックフィジーク オーバーオール優勝
<2021年>
第1回日本クラシックフィジーク選手権 171cm以下級優勝・オーバーオール優勝
<2022年>
第2回日本クラシックフィジーク選手権 171cm以下級優勝
ゴールドジムジャパンカップ ボディビル70kg以下級優勝
1997年12月26日生まれ。2017年、大学2年生時に日本体育大学バーベルクラブ(現ボディビル部)に入部し、ボディビルをはじめる。2018年の関東学生ボディビル選手権で大会デビューし、4位入賞。同年の全日本学生ボディビル選手権では3位、北区オープンボディビル大会で初のタイトルを獲得。日体大卒業後はスタジオ・バズーカ自由が丘店の店長を務め、トレーナーとして活動中。
【主な戦績】
<2019年>
第54回全日本学生ボディビル選手権準優勝
第30回日本ジュニアボディビル選手権優勝
<2020年>
ゴールドジムジャパンカップ クラシックフィジーク オーバーオール優勝
<2021年>
第1回日本クラシックフィジーク選手権 171cm以下級優勝・オーバーオール優勝
<2022年>
第2回日本クラシックフィジーク選手権 171cm以下級優勝
ゴールドジムジャパンカップ ボディビル70kg以下級優勝
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