クラブはまちづくりのパートナー 福田紀彦川崎市長が語るフロンターレ
周囲を掛け合わせる力がフロンターレの強み
22年8月には川崎市とクラブがSDGsの達成に向けて協定を締結している 【(C)川崎フロンターレ】
2015年に国連で採択された「2030アジェンダ」に掲げられた、国際社会全体で取り組むべき世界共通の目標―「SDGs(持続可能な開発目標)」では、「誰一人取り残さない」ことをキーワードに、国や自治体、企業、市民など、すべてのステークホルダーが役割を担い、17のゴールと169のターゲットの達成を目指して取り組むことを求められている。
川崎フロンターレが地域で行っている活動の多くが、SDGsに当てはまっていたように、川崎市とクラブが取り組んできたことの多くもSDGsに通じていた。
「川崎市としては、地域の課題解決に向けて、川崎フロンターレと一緒に取り組んでいきたいというスタンスでいます。これまでの経験則から見ても、周囲を巻きこむ力や、周囲を掛け合わせる力がフロンターレの強みです。SDGsには17の目標があり、取り組んでいくには“掛け合わせ”が必要です。一人や一つの団体でやるのではなく、いろいろな仲間と一緒に協力していくことで、ゴールを達成できる。また、これはクラブも同じ考えだと思いますが、川崎市としてもこれまで行ってきた多くの活動や施策はSDGsにつながるもので、SDGsという名前があとからついてきたものがほとんどでした」
川崎市ではSDGsの達成に向けて市がプラットフォームになり、企業・団体を登録・認証する制度「かわさきSDGsパートナー」をスタートさせている。すでに企業やNPO法人、学校など3000社・団体が登録されているという。
2022年8月7日には、川崎市と川崎フロンターレが、SDGsの達成に向けて相互に連携、協力することを目的とした協定を締結した。記者会見には、川崎フロンターレの代表取締役社長・吉田明宏とともに、川崎市を代表して福田市長も登壇した。併せて、市とクラブ、さらには川崎フロンターレのパートナー企業も一緒に手を取り、かわさきこども食堂ネットワークが抱える課題の解決を支援していくことも発表した。
「かわさきこども食堂ネットワークの支援は、まさに先ほど言った掛け合わせです。その活動からもわかるように、川崎フロンターレ以上に『まちづくりのパートナーとはこういうことだ』と示すような取り組みをしてくれているスポーツクラブはないと思います」